ホラー映画友の会

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「テキサスチェーンソー・ビギニング」 リメイク版「悪魔のいけにえ」の続編は前日譚!

テキサスチェーンソー・ビギニング (原題:THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE:THE BIGINNING)
アメリカ2006年度作品

 
先日、10年ぶりに見直した「テキサス・チェーンソー」の評価が、以前自分で下した酷評から一転、高評価になった事に我ながら驚きました(笑)
オリジナル版「悪魔のいけにえ」を愛するあまりの酷評だった訳ですが、人間、柔軟さを忘れちゃいかんな~と改めて思った次第。

そして、リメイク版1作目以上に酷評したのがこの「テキサス・チェーンソー・ビギニング」。
こちらも今見直したらもしかしたら面白いかも…と期待して見直してみました。

ストーリーはリメイク版1作目「テキサス・チェーンソー」の前日譚。
後にレザーフェイスとなるトーマスの誕生秘話から、彼が初めてチェーンソーを持ち、人間の顔の皮を纏うところや、ヒューイット一家がカニバリズムに目覚めるエピソードも描いています。

テキサスの食肉加工工場に勤める女性従業員が仕事中に赤ん坊を生み落し、そのまま息絶えてしまう。
困った女性の上司は、赤ん坊を生きたままゴミ箱に捨てるが、ゴミを漁りに来た女に拾われその自宅へと連れ帰られる。
赤ん坊はそのヒューイット家でトーマスと名付けて育てられるが、先天性の障害で顔が崩れ、知的障害も持っていた。
成長したトーマスは自分が生まれた食肉工場へ勤め始めたが、工場の閉鎖が決まり、仕事を失ってしまう。
工場勤め最後の日、自分をゴミ箱に捨てた張本人と知ってか知らずでか、罵る工場の責任者をハンマーで殴り殺した。
そして工場にあったチェーンソーを奪って外へ出てゆく。

工場で遺体を発見したホイト保安官は、トーマスの後を追いかける。
彼を発見し逮捕しようとした時、ヒューイット家の長男であるチャーリーがショットガンで保安官の頭を吹き飛ばした。

チャーリーはパトカーと保安官の遺体を回収、自ら偽のホイト保安官となって獲物探しに出かけた。
路上で若者の車が横転事故を起こしているのを見つけると、車内にいた3人をパトカーに押し込んで自宅へと向かう。
しかし、横転事故の車両に乗っていたのは3人だけではなかった。
事故の際に車外へ放り出され、草むらの上で目覚めたクリッシーは、仲間が強引にパトカーに乗せられるのを隠れて見ていた。
3人を救うため、単身ヒューイット家へ潜入するのだが。。。

製作は前作同様マイケル・ベイ、監督はマーカス・ニスペルからジョナサン・リーベスマンに変わりました。
ジョナサン・リーベスマンは後に「世界侵略: ロサンゼルス決戦」などを撮っています。

「テキサス・チェーンソー・ビギニング」は、前作と比べてお化け屋敷的なびっくり演出が目立ちます。
びっくり系ホラーが好きな人は楽しめると思いますが、オリジナル版「悪魔のいけにえ」とは完全に怖さの質が異なります。
「あ~びっくりした~。」で終わっちゃうので旧作のような後を引く怖さではありません。
殺人鬼一家の過去を掘り下げていくのは面白いものの、一家目線で物語が進んでいくため結果的に緊張感を削ぐ事になってしまいました。
またショートフィルムを繋ぎ合わせたような断片的な構成で、作品全体に一体感がありません。
こういうまとまりの無い映画って記憶に残りづらいんですよねえ。

画面は常に黄色いフィルターがかかったような色調で、ここはトビー・フーパーの「悪魔のいけにえ2」へのオマージュでしょうか。
また、カメラをグラグラ揺らすと共に、ズームで寄ったり引いたりを小刻みに繰り返し、登場人物の不安な気持ちを表現しています。
この撮り方はジョナサン・リーベスマン監督の特徴なんですが、これ、個人的にとっても苦手。
多少カメラを揺らすならまだしも、リーベスマン監督は動きが激しすぎて見づらいんです。
酔いやすい人は画面見ながら気持ち悪くなっちゃうんじゃないでしょうか?
後年に撮った「世界侵略: ロサンゼルス決戦」では、不安を煽る必要の無いシーンでも常にカメラは揺れまくり、引いたり寄ったりを繰り返し、見てて非常に疲れました。

前作ではCM職人のマーカス・ニスペル監督がスタイリッシュな映像で新しい「悪魔のいけにえ」を見せてくれましたが、今作の映像は普通。
落着きなく動くカメラワークが個性なのかもしれませんが、前作ほどのインパクトや特徴にはなっていません。

ゴア描写は前作に対して大幅にパワーアップしてまして、グログロ好きには堪らないと思います。
特殊メイクは前作同様、グレッグ・ニコテロとKNBエフェクツ。
この作品の特殊メイクはリアルすぎてヤバイレベル。
レザーフェイスがナイフで被害者の顔を剥がすシーンなんて本物に見えます。
チェーンソーもフル活用され、大勢の体を貫き、切り裂いています。
あれは凶器として最恐、最悪ですね。あんなんで切り刻まれるなんて絶対嫌だわ。

驚きの凄い特殊効果のつるべ打ちなんですが、これもまた「悪魔のいけにえ」としてはやり過ぎに感じられます。
まず記憶に刻み込まれるような恐怖ありきで、付加価値としてこういうビジュアル面が加われば説得力があるんですけどね、この作品に関してはグロに頼ろうとしちゃった感が強いです。
でも、みんなで集まってワイワイ「痛てー!」「グロい!」なんて大騒ぎできるのは、「悪魔のいけにえ」では出来なかった楽しみ方ですね。

過去の自分の酷評がひっくり返ることに期待して見直してみたんですが、以前見た時から大きく評価が変わることはありませんでした。
前から書いていましたが、「悪魔のいけにえ」のリメイクでなければもっと評価が違ったと思うんです。
普通の殺人鬼ものとして見たら十分なクオリティだと思います。
でも、偉大な「悪魔のいけにえ」という十字架を背負ってしまったため、ファンが厳しく評価してしまうのは仕方ないこと。
オリジナルのファンならば「Texas Chainsaw Massacre」を名乗る以上、キャラや設定を拝借するだけでは納得しません。
本質をしっかり理解した正統派リメイク、あるいはオリジナルを超えるくらい野心的なリメイクでなければ、作って欲しくない。
そういう「面倒なファン」の期待に応えられる作品ではありませんでした。

ただ、「面倒なファン」以外の大勢の方々には間違いなく楽しめます。
何てったって天下のマイケル・ベイプロデュースですからね~。



 

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/07/09(土) 15:14:35|
  2. スラッシャー(殺人鬼)
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