ホラー映画友の会

ホラーファン歴30年、今まで見てきたホラー映画を紹介します。

「グエムル-漢江の怪物」 韓国映画界が放ったモンスター映画の佳作

「グエムル-漢江の怪物」
(英題:THE HOST)
2006年韓国映画




韓国映画界が放ったモンスター映画。
公開当時劇場で見ましたが、今でも時々見たくなる作品です。

韓国を流れる河川、漢江(はんがん)に、在韓米軍が流した薬品が原因で突然変異したモンスターが出現。
人々をさらっては巣に連れ帰っていた。
目の前に出現したモンスターに反撃を食らわせた中年男カンドゥだったが、中学生の娘がさらわれてしまう。
モンスターと接触したカンドゥは捕えられ、医療機関で厳しい検査を受ける事になる。
そこで娘の携帯電話から着信があり、生存している事を確信したカンドゥは、父親、弟、妹の力を借りて病院を脱出。
モンスターを追いかける。。。

モンスターは勿体ぶらずに最初からその姿を見せまくります。
ピーター・ジャクソン監督の息が掛かったニュージーランドの会社およびアメリカ西海岸のスタジオで制作されたモンスターのCGは、2006年当時としてはかなりハイレベルなクオリティ。
モンスター映画好きにとってはなかなか見ごたえがあります。

冒頭、突然川沿いの公園に怪物が現れ人々に襲い掛かる場面がスピード感がありスリリング。
そこだけ見ると以降のハイテンションな展開に期待が高まりますが、それ以降はわりとゆったりお話が進みます。悪く言うとグダグダ。
でも退屈と感じる寸前でモンスターがちょこちょこ姿を見せてくれるのがうまい。良く出来てます(笑)

孫娘を捜索する一家のキャラクター描写にはちょっと難あり。
父カンドゥは父親が経営する売店を手伝っていますが、店番しながら居眠りしたり、昼間から酒を飲んだり、売り物をつまみ食いしたりとかなりのダメ親父。
それが娘を助ける過程で立派な父親に変化していくのかと思いきや、ずーっと情けなく緊張感のないままなんです。
娘をさらわれたショックで正気じゃいられないという気持ちは分かりますが、娘を助け出したい!という強い意志があまり見えてこない。
なので、観客が感情移入するのを拒んでいるように感じてしまうんです。
またおじいちゃんもちょっとコミカル過ぎて緊張感を削ぐ一因となっています。
最後の最後、モンスターと対峙する一瞬だけ強いカンドゥが見れますが、それよりも際立って格好良く見えるのが妹。
アーチェリーの選手という設定で、火の点いた矢でモンスターに会心の一撃を食らわせます。
いいとこ無しの主人公カンドゥさん(笑)

ラストは韓国映画お得意の「最悪の結末を美談にまとめる」手法。
監督はきれいにまとめたつもりなんでしょうが、私としては非常に後味が悪い終わり方でした。
韓国映画は頑張った登場人物も情け容赦なく死なせるからねえ。

その他、展開に説明不足な点があったりといまいち完全燃焼しきれない部分もあり、映画作品としては100点満点中70点くらい。
でもこの作品が世間で高く評価されているのは、やはり怪獣映画としてのスペックの高さからでしょう。

監督は「殺人の追憶」「スノーピアサー」などのポン・ジュノ。
以前に「殺人の追憶」も見ていたので、こんな怪獣映画も撮れるんだと驚いた記憶があります。
主演のソン・ガンホはポン・ジュノ作品の常連であり、「殺人の追憶」でも主役の刑事を演じていました。
またカンドゥの妹を演じていたペ・ドゥナは、日本映画「リンダ リンダ リンダ」や、ハリウッド映画「クラウドアトラス」などにも出演していますね。

ちょっとした突っ込みどころはあれど、製作から10年も経った今でも繰り返し楽しめるんだからスゴイ。
韓国映画のパワーを十分に感じる事ができる作品のひとつですね。

 


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テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2016/07/16(土) 23:13:18|
  2. モンスター
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「ジャンク / 死と惨劇」シリーズ 日本が産んだ残酷ドキュメンタリー(風)作品

「ジャンク」シリーズ
(原題:FACE OF DEATH)他
1978年~ アメリカ映画(表向きは…)




色々な意味で悪名高き「ジャンク」シリーズがDVDボックスで発売されるそうです。
まさかこのシリーズをボックスで発売するなんて驚きです。
小中学生の頃、これに含まれる中で「新ジャンク」以外は全部見ました。
友達と一緒に「ひゃぁぁあ!」と絶叫しながら見たものです(笑)

「ジャンク」は死をテーマに作られたモンド映画です。
海外で作られた作品のように装っていますが実は日本で企画された映画です。
本物のアクシデント映像と、ヤラセの残酷映像を組み合わせた構成となっているのが特徴。
よくこんな映像撮れたな!というショッキングな映像は作り物で、その合間に差し込まれるテレビの決定的瞬間!的な映像が本物です。
ドキュメンタリー風に作られていますが、「食人族」のようなフェイクドキュメンタリー部分が多いのでご注意を。
(1作目公開時に話題となった電気椅子の処刑シーンも、後で作り物と知ってびっくり…。)

【2017年3月追記】
下記サイトで、ジャンクシリーズの仕掛け人が「役所のようなところから流出させた刑務所の記録映像」と語っています。
↓↓↓↓↓
http://tocana.jp/2017/03/post_12604_entry.html

「あんなのニセモノだ」という心の拠り所が無くなってしまった。。 【追記ここまで】

ヤラセ映像が含まれてるとはいえ1作目と2作目は製作者の意図を感じられました。
ところが3作目は惰性で作ったような脱力感で、4作目にいたっては1作目よりも前に作られたどっかの海外作品に「ジャンク4」というタイトルを付けただけという体たらく。
ところが、前作までの流れだとさぞかしつまらんだろうと思って見た「ジャンク5」は、死臭が漂ってきそうな本物の遺体が次から次へと出てきて腰を抜かしました。
5作目はそれまでのジャンクとは構成が異なり、ブラジル、リオデジャネイロで発生した殺人事件の現場を取材した内容です。
死の瞬間を追ってきたそれまでの作品と違い、殺人現場に横たわるうつろな目の遺体を撮影しまくった5作目は衝撃の質が異なります。

それまでリオといえばカーニバルが開かれる陽気な街だと思っていたのですが、これを見ておっかない場所だというのを初めて知りました。
以降、リオに対して漠然とした興味があり、ファベーラを舞台にしたブラジル映画も見てきましたが、この街には「ジャンク5」のイメージからか死の臭いを強く感じ、ホラー映画なみの恐怖を感じました。
リオでオリンピックが開催される今年、改めて「ジャンク5」を見るもの良いかもしれません。
「リオでオリンピックなんて正気か!?」と思う自分は、とても現地へ観戦に行く気にはなれませんが。。。





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  1. 2016/07/11(月) 19:09:45|
  2. その他
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「グッドナイト・マミー」 顔に包帯グルグル巻きの母親は誰!?

「グッドナイト・マミー」
(原題:ICH SEH ICH SEH)
2014年オーストリア映画



予告編を見て裏がありそうなお話だったので、極力事前情報を仕入れずに鑑賞。
これ、結構好きなタイプの作品でした。

9歳の双子の兄弟エリアスとルーカスの元へ、顔を包帯でグルグル巻きにされた母親が帰ってくる。
母親の言動は以前とは別人のようになっており、特にルーカスの事をシカトするような態度を取るようになっていた。
いつしか兄弟は、一緒に暮らす女は母親ではないのでは?と疑い始める。。。

以下、ネタバレ全開で書きますのでご注意を。

顔を隠し、以前とは雰囲気の違う母親に対して疑念を抱く兄弟。
そんな不信感がピークに達した時、兄弟は母親をベッドに縛り付け、正体を明かせと拷問を行います。
助けを求められぬよう上下の唇を瞬間接着剤で閉じたり、虫メガネで太陽光を集めて頬をジリジリ焼いたり、前歯をデンタルフロスでガリガリ削ったり。
母親は、事故でルーカスが死んだ事を説明しますが、ルーカスの姿が見えるエリアスにはそれが受け入れられません。
そして、部屋に放った火が母親に燃え移り、全身が炎に包まれてしまいます。
燃え盛る家を横目に、広大なトウモロコシ畑を走る抜けるルーカスとエリアス。
畑を抜けると、そこには以前の優しい笑顔を見せる母親が現れ、兄弟の体にそっと手を添えます。。。

母親の包帯は、ルーカスが亡くなった事故の時に負った傷によるものだったんですね。
また、ルーカスが死んでいるのでは?というのは結構早い時期に気付きました。
母親はルーカスが居ないように振舞っていたし、ルーカスも言いたい言葉は全てエリアスに耳打ちし、代わりに喋らせていたので。
注意深く見ると、他にもエリアスから「二人兄弟」と言われた時に母親の目が泳いだり、1本の歯ブラシを兄弟が使っていたりと、細かい演出がたくさん仕込まれています。
監督はヒントをあえてたくさん仕込んでいる訳ですから、「すぐにオチが分かったぜ!」と勝ち誇るのはちと違う。
息子の一人を失い、顔に傷を負った悲しみから精神が不安定な母親を、まるでモンスターのように見ていたエリアスに気付いた時に背筋がゾッとします。
子供は純粋さゆえにときに残酷になってしまうというのは、過去に様々な作品で語られてきました。
この作品も純粋さが仇となって愛する母親を殺してしまうのです。
実際、見ているこっちも前半の母親は、他人か?幽霊か?モンスターか?と想像力を掻き立てられます。
視点は完全に双子の兄弟と同じで母親を怪しんで見ています。
ところが、一家に隠された秘密がはっきりしたあとは、幼い少年が悪魔のように見えてきます。
この切り替えが非常に面白く、一本取られた!と思いました。

結果的に恐ろしい子供になってしまったエリアスですが、彼自身もゴキブリの悪夢を見たりと、精神的に追い詰められている姿描かれています。
可哀想な親子ですね。。。

エンディングは母親と共にエリアスも火事で死んでしまった事を暗示していました。
あの世でまた3人一緒になれたという悲しいハッピーエンドで幕を閉じます。

映像はオーストリアの美しい森林や田園風景を映し出しますが、人の気配がなく、静かにどことなく冷たく描かれています。
それがまた見ている者の不安な気持ちを煽ります。

想像以上に良く出来た作品でかなり満足。気に入りました。

しかし例の如く、日本版DVDのパッケージが酷い(笑)
ヨーロッパ映画らしい雰囲気を持ったスリラー映画の佳作なのに、安っぽいB級ホラーみたいなパッケージ。
掃いて捨てるほどあるB級ホラーの中に埋もれさせるようなこのパッケージはイマイチですね。
登場人物も少なく、僅かな予算で作られているのでしょうが決して安っぽくありませんし。

少しでも気になっているのであれば、パッケージに惑わされず、ぜひ見てみてください。





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テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2016/07/04(月) 19:55:34|
  2. スリラー
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プロフィール

かひ

Author:かひ
映画大好きです。今まで映画にどれだけお小遣いを注ぎ込んだか…。でも最近はamazonマーケットプレイスで激安中古DVDを買い漁って楽しむのがマイブームです♪価格1円+送料340円なんていう素敵な値段で買えるDVDがたくさんあるんですよ~。

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