ホラー映画友の会

ホラーファン歴30年、今まで見てきたホラー映画を紹介します。

「モンスター 変身する美女」 モンスターホラー×ラブロマンスの異色作

「モンスター 変身する美女」
(原題:SPRING)
2014年アメリカ映画




予告編を見た時はホラー映画だと思っていましたが、本編を見てみると、単にホラー映画というジャンルに括れない作品でした。
異常な状況に置かれたカップルのロマンスが物語の核で、ラストシーンでは温かい気持ちにさせてくれました。


両親を亡くしたことで大学に通えなくなったエヴァンは、自暴自棄となって暴力事件を起こしてしまいます。
事件が原因で仕事を失い、警察にも目を付けられてしまった彼は、思い付きでイタリア旅行に出かける。
旅先で出会った男たちとフラフラしてるうちに辿り着いた海辺の小さな村。
そこで出会った美しい医学生ルイーズに誘惑されたエヴァンは、男たちと別れ、農場に住み込みで働きながら町に滞在することにします。
仕事が終わるとルイーズの元に駆けつけ、初めての夜を過ごしますが、同じベッドで眠っていると突然ルイーズの体に異変が…
朝、エヴァンが目覚めると彼女は部屋から消えていた。。。

ルイーズは2000年前から生き続ける不老不死の女。
時折、内に秘めたモンスターへ変身してしまうという厄介な体を持っているのです。
自ら作った薬を注射する事でモンスター化を止められるのですが、注射を打ちそびれると大変なことになります。
しかも20年ごとに新しい体へ乗り換えねばならず、そのためには自分の胎内に宿した新しい体が必要なのです。
エヴァンを誘惑したのはその種をもらうためだったのですが、二人とも本気でお互いに惹かれてしまい、ヤバイと思ったルイーズは別れを切り出し、傷心のエヴァンは部屋を飛び出します。
帰国の前に別れを告げるため、再びルイーズの部屋を訪れたエヴァンは、半分モンスターと化した彼女を発見。
その姿を見て狼狽えるものの、全てを聞かされたエヴァンはマジ惚れしたルイーズを受け入れ、彼女が新しい体に生まれ変わるまでは一緒に過ごすことを決意。
残された時間を二人きりで過ごそうとクルマで旅に出かけます。
彼女に今の姿のままでいて欲しいエヴァンは、その方法を彼女に尋ねると、永遠の命を諦めれば良いと言うのですが。。。


物語の進み方には緩やかな流れがあり、それに身を任せると心地良い。
最近の映画はテンポを重視するあまり、妙にせかせかして時に観客を置いてけぼりにする事が多いですからね。
導入部分でイタリアへ旅立つまでをちゃんと見せ、イタリアへ着いてからも舞台の村へ辿り着くまではロードムービーのように描きます。
一見パンキッシュな風貌のエヴァン君が、村に着く頃には実は繊細な青年である事が分かるという仕組みです。
登場人物と同じ歩幅で物語に引き込んでくれるこういう作品って好きだな~。

エヴァン役のルー・テイラー・プッチは、リメイク版「死霊のはらわた」にも出演していました。
はらわたではロンゲにメガネのお兄ちゃんでしたが、こちらは坊主頭なので同一人物だと気付きませんでした。
ルイーズを演じているのはドイツのナディア・ヒルカーという女優さん。
若い頃のベアトリス・ダル、またはレナ・オリンを若返らせたかのようなセクシー美女です。(ときどき宝生舞っぽかったりもします)
ルイーズのような色っぽい姉さんに言い寄られたら男冥利に尽きますが、でもあの正体を見たら受け入れられるかなあ。。。

二人で監督を務めたジャスティン・べンソンとアーロン・ムーアヘッドは、「V/H/S ファイナル・インパクト」や「キャビン・イン・ザ・ウッズ」(←「キャビン」の原題と同じ邦題を冠すのはどうなの?)を撮っています。
ちょっと捻りの利いた作風が特徴のようで、この「モンスター 変身する美女」も相当捻ってますね。
予想したイメージとはまったく違う作品でしたが、いい意味で裏切ってくれました。

神話の時代から生き続ける女性という壮大なストーリーに挑んだ低予算作品ですが、イタリアの古い村で行われたロケーションが効果的。
時間が止まったような景色と、素朴でちょっと得体の知れない村人の雰囲気が、非現実的なお話に説得力を与えているように感じました。
また、ドローンを使っての空撮映像が多用されており、俯瞰で眺めるイタリアの景色は素晴らしかったです。
他にもロケーションの美しさや、ちょっと変わった撮り方など、映像への拘りも感じました。

特殊メイクはハリウッド映画などでも活躍するメンバーが参加しているので、低予算ながらも頑張ってました。
モンスターへ変身する途中のルイーズのデザインはかなりヤバかったです。

ホラーテイストの恋愛映画というと最近では「ウォーム・ボディーズ」「トワイライト」シリーズがありましたが、ああいうティーンムービー的な甘さはありません。
この作品は甘ったるい恋愛映画が苦手と言う人でも楽しめると思います。
ちょっと怖い恋愛映画、ちょっとほっこりするモンスターホラー映画を見たいという方にお勧めです!(←ニッチなジャンルだな。。。)







テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2016/03/30(水) 22:16:22|
  2. モンスター
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「ホーンズ 容疑者と告白の角」 ハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフ主演のホラー

「ホーンズ 容疑者と告白の角」
(原題:HORNS)
2013年アメリカ/カナダ映画




ハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフ主演のファンタジックなミステリーホラー作品。
監督はアレクサンドル・アジャ。彼が携わったホラー映画は好きな作品が多いので期待大です。
原作を書いたのはスティーブン・キングの息子で、「クリープショー」でわら人形に針を刺していたジョー・キング改め、ジョー・ヒル。

恋人殺しの疑いをかけられた男、イグは、地元の田舎町を報道陣に追いかけ回されて暮らしていた。
町の人間は誰もがイグが犯人だと決めつけている中、弁護を買って出た弁護士のリーを始めとする幼馴染の仲間たちは彼を励ましていた。
ある朝目覚めると、自分の額の左右に突起が出来ている事に気付くイグ。
突起はあっという間に皮膚を突き破り、現れたのは二本の角。
不思議なことに、角の生えたイグを前にした人は隠した醜い本性を露わにして、人を罵ったり欲望を剥き出しにする。
突如得たその能力を使い、イグは恋人を殺した犯人を追い詰めてゆく。。。

ラドクリフ君が出てるという事でソフトなホラー風アイドルムービーかと思って見始めましたが、いやいや、結構えげつないです。
あのハリー・ポッターに、あんな事やこんな事をさせてしまうのですから本当にびっくりです。
最後の方はハリー・ポッターファンは衝撃的過ぎて卒倒しちゃうかも。
ただ、お話はアジャ監督作品としては流血やグロ描写は控え目な方で、ホラーでありながらミステリー要素の強いダークファンタジーといった感じもあります。
恋人が殺されるという悲劇的な作品でありながら、オープニングに繋がるエンディングでちゃんと救われます。
このラストシーンにロマンティックが止まりませんでした。

他の出演者は、殺される恋人メリン役が「ミスター・ノーバディ」のジュノ・テンプル、弁護士リー役はアンソニー・ミンゲラ監督の息子であるマックス・ミンゲラ、主人公のお兄ちゃん役はリメイク版「ザ・クレイジーズ」のジョー・アンダーソン、同じくお父さん役は「ワイルドスピード2」のジェームズ・レマー、お母さん役は「ヒルズ・ハブ・アイズ」のキャスリーン・クインラン、メリンのお父さんは「グリーンマイル」のデヴィッド・ モース、むかつくけどエロかわいいウェイトレスに「キリング・ミー・ソフトリー」のヘザー・グラハム。
結構有名な俳優が大勢出演していますが、中でもやはりダニエル・ラドクリフの存在感は抜群で、非常に魅力的です。
単なる子役上がりのアイドル俳優ではない事を証明していますね。
「ハリー・ポッターの~」という肩書きが外れるのに時間はかからなそうです。
ちなみに「ロード・オブ・ザリング」のイライジャ・ウッドもアジャ監督が製作した「マニアック」で起用されていますが、あちらは変態殺人鬼を演じさせられてちょっと可哀想でした(笑)

では、ぼちぼちネタバレいきます。

ラドクリフ君の角、予想通り悪魔の角でした。
信心深い彼女を救ってくれなかった神を侮蔑した事が原因のようです。
悪魔の角であることを暗示するかのように、オープニングから悪魔絡みの隠れキャラがあちらこちらに仕込まれています。
例えば主人公の愛車がAMCグレムリンだったり、テレビでは悪魔が登場するアニメが流れていたり。
悪魔の能力に目覚めてからは無数の蛇が彼の後を着いてきたり、悪魔と言えばお約束の三つ又よろしく干し草用フォークを持ってみたりと、ステレオタイプな悪魔像を見せてくれます。
最後の最後、ついに正体を現す悪魔は「レジェンド/光と闇の伝説」の魔王のようで、もうラドクリフ君の面影もありません。(でも格好いい♪)
あと、イグが触れた相手の悪しき行いを見通す事が出来るシーンは、原作者ジョー・ヒルのお父さんの「デッド・ゾーン」に通じる描写でちょっと嬉しかったです。

今回は回想シーンを使って上手く謎解きを見せてくれたアレクサンドル・アジャ監督。
この人、ちゃんと計算して作品を作っているのがよく分かります。
やはりそんじょそこらのホラー映画監督とは一味違いますね。
そんなアジャ監督作品の中でもこの「ホーンズ」は、作品としての完成度も高くお気に入りの一本です。

 


テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2016/03/12(土) 18:16:18|
  2. ホラー
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かひ

Author:かひ
映画大好きです。今まで映画にどれだけお小遣いを注ぎ込んだか…。でも最近はamazonマーケットプレイスで激安中古DVDを買い漁って楽しむのがマイブームです♪価格1円+送料340円なんていう素敵な値段で買えるDVDがたくさんあるんですよ~。

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