ホラー映画友の会

ホラーファン歴30年、今まで見てきたホラー映画を紹介します。

「遊星からの物体X ファーストコンタクト」 ジョン・カーペンター版の前日譚

遊星からの物体X ファーストコンタクト
(原題:THE THING)
2011年アメリカ・カナダ合作




ジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」(1982年)の続編。前作の前日譚です。
カーペンター版はアメリカの南極観測隊が、何者かに壊滅させられたノルウェーの南極基地へ行った事から起こる惨劇を描いていました。
この続編は、そのノルウェー基地で起こった事態を描いています。


南極のノルウェー観測隊員が、氷の中に埋まった宇宙船とエイリアンの死体を発見する。
その死体を調査するため、アメリカの女性古生物学者ケイトがノルウェー基地にやってくる。
エイリアンの死体は氷漬けのまま基地へと運び込まれるが、基地内で蘇生、隊員を襲ったため火炎放射器で焼き払われた。

その黒焦げの死体を解剖してみると、体は死んでいるのに体内の細胞が活動を続けており、細胞単位で生き続ける事ができる生物である事が発覚。
そしてエイリアンの体内からは、襲われた隊員の生成途中のクローンが出てくる。
この生物は、襲って体内に吸収した生物を再生成し、同じ姿をした新しい生物を作り出す性質を持っていたのだった。
作り出されたクローンはその人間になりすますため、外観からはだれがエイリアンなのかが分からない。

この生物が南極の外へ出る事を危惧したケイトは、体調不良を訴えた隊員の他の基地へ移送しようと飛び立ったヘリコプターを基地へ呼び戻そうとする。
しかし機内では隊員になりすましていたエイリアンが本性を現し、ヘリコプターは雪原に墜落してしまう。
ケイトは基地から逃げ出そうとする他の隊員たちに、基地に留まって宇宙生物と対決する事を促す。
人知れず体を乗っ取られた者がいるのではないかと疑心暗鬼に陥る隊員たちに、宇宙生物が襲い掛かる。。。


リメイクではないのですが、展開がカーペンター版と類似している部分(犬のシーンなど)があったりしてちょっとややこしい。
邦題こそ「ファーストコンタクト」というサブタイトルで差別化されていますが、原題はカーペンター版と同じ「THE THING」なのでリメイク?パロディ?的な意味合いもあるのかもしれません。
でも後日譚である前作へ繋がる細かな描写は抜かりなく、エイリアンが抜けだした後の氷の箱や、壁に刺さった斧、ノルウェー隊員の死体など、ディティールへの強いこだわりを感じました。
ヘリで犬を追いかけるエンディングも、前作のオープニングにしっかり繋がって気持ち良い終わり方でした。

誰が身体を乗っ取られているのか?というサスペンスが1982年版「遊星からの物体X」の見所の一つでした。
この2011年版でも頑張ってはいるものの、残念ながらカーペンター版ほどのドキドキ感は無し。
この宇宙生物の特徴である細胞単位で生きているという性質を活かし、隊員の血液に熱した針金を近付け、血液の反応で隊員が本物かクローンかを見極める、というカーペンター監督の見せ方の上手さを再認識させられました。
また、カーペンター監督の見せ過ぎない思わせぶりな演出(地球へ降下していく宇宙船、ノルウェー基地で何があったのか?と想像させる etc.)も改めて上手いなぁと痛感しました。

特殊効果はですね、特殊メイクとCGをうまく使い分けていたように思います。
何でもかんでもCGで済ますのではなく、特殊メイクに重きを置いているのは好印象です。
でもロブ・ボッティンらが腕を振るったカーペンター版の特殊効果に度肝を抜かれた世代としては、CGなんかに一切頼らず、前作を超える特殊効果が見たかったなあ、と思ってしまう部分もあります。
前作の頃は当然CGなんてありませんでしたから、フィルムの逆回しやストップモーションといった古典的な手法を効果的に組み合わせて作り上げてましたね。
ああいう製作者の執念みたいなものは、残念ながら2011年版から感じる事はできませんでした。

あと、クリーチャーのデザインも前作には遠く及ばす。
前作は身体の部分ごとが独自の生物として活動する姿が衝撃的でしたが、続編では人間の体が変形した大きなモンスターが多いです。
腕が千切れて歩き出すシーンもありましたが、それよりもでかいモンスターの印象の方が強く残っちゃいます。
もっと前作のように体のそれぞれの部位が悪趣味な生き物として活動して欲しかったですね。

カーペンター版「遊星からの物体X」が時代を超越したSFホラーのクラシックなのに対し、良くも悪くも今風の作品といった印象です。
十分楽しめるレベルではあるんだけど、カーペンター版の出来が良すぎるせいでどうしても評価が厳しくなっちゃいますね。
ただ、カーペンター版へのリスペクトをしっかり感じられるので、熱烈なファンでも気持ちよく見る事ができました♪

ちなみにこの作品、発売と同時にBlu-rayを購入して見たのに今頃レビュー。
他にも見たのにレビューしてない映画が結構あるんですよね。
「遊星からの物体X ファーストコンタクト」もそうですが、好きな映画ほど「落ち着いたらちゃんと書こう」と思ってそのまま放置しちゃう事があるので、実はお勧めの映画ほど紹介出来てなかったりします。
見たらすぐ書く!を心がけます~。

 


テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2015/07/26(日) 16:23:27|
  2. SF
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ホラー映画でのCG使用

コタク・ジャパンというサイトで、最近の映画で多用されるCGに関する考察が紹介されていました。

【現代映画のCGに感情移入できない理由は脳の問題? とその論争】
http://www.kotaku.jp/2015/07/special-effects-in-movies-problem.html

CGのリアルさが現実を超えてしまったため、逆に嘘っぽく見えるというお話です。
記事の後半ではCG否定に対する否定意見が並んでいますが、ワタクシも過剰なCG使用は反対です。
リンク先「ハルク」のように、実写の中で部分的にCGが用いられるくらいが程良いと思います。
同「キングコング」の対決シーンのように常識的に考えて不可能なくらい自由自在に動き回るカメラワークとか、背景まで箱庭のようにCGで再現されたシーンを見ると、「あぁ、作り物の絵を見せられてるんだなあ」と無意識で自覚しちゃってるのが悲しい。

特にホラー映画で重要な人間や生物など、有機的な物をリアルに描けるレベルにはまだ到達していないように思います。
お粗末なCGの血飛沫とか本当にやめてほしい。
たとえば、ミッドナイトミートトレインのテッド・ライミ殺害シーン。(下の動画の4:20くらいから)



2008年の映画とはいえ、もろに絵ですよね(汗)
血飛沫なら昔のようにコンドームに血糊を詰めて貼り付け、火薬で破裂させればいいじゃないですか。

「MAMA」のアニメみたいなCGの幽霊もがっかりでしたねえ。



いくらリアルに描いても、CGは所詮パソコン上で作られたデータ。
だからその場に物質として存在しているという感覚が希薄なのではないでしょうか。(MAMAは幽霊だから物質とはいえないかもしれないけど。。。)
例え表現に限界があっても、昔のようにアーティストが腕を振るった特殊メイクや効果の方が、存在感が感じられて私は好きなんです。

特殊メイクに拘ったというリメイク版の「死霊のはらわた」なんかかなり好きでした。



「遊星からの物体X ファースト・コンタクト」も特殊メイクには拘ったみたいですが、それでもちょっとCGに頼り過ぎてて残念。



特殊メイクとアイデアで見た事もない映像を作り上げた旧作(というかリメイク版)「遊星からの物体X」のクリエイティブには遠く及びませんでしたね。



ただ、CGの技術向上も著しく、例えば「ウォーキング・デッド」がCGを使い始めた頃は見れたもんじゃなかったですが、シーズン4では随分リアルさがUPしていました。
今が熟成期なのであれば、適材適所、それ相応の使い方をしてくれればいいんですけどね~。

往年の特殊メイクアーティストのように、CGからもクリエイター魂というか執念みたいなものを感じさせてほしいなあ。


テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2015/07/10(金) 22:44:00|
  2. ひとりごと
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かひ

Author:かひ
映画大好きです。今まで映画にどれだけお小遣いを注ぎ込んだか…。でも最近はamazonマーケットプレイスで激安中古DVDを買い漁って楽しむのがマイブームです♪価格1円+送料340円なんていう素敵な値段で買えるDVDがたくさんあるんですよ~。

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