ホラー映画友の会

ホラーファン歴30年、今まで見てきたホラー映画を紹介します。

「V/H/Sシンドローム」 見つけたVHSテープに映っていた恐怖の映像

「V/H/Sシンドローム」
(原題:V/H/S)
2012年アメリカ映画




主人公が撮影した動画を見ながら、観客も登場人物と一緒に物語を追体験してゆくPOV方式で撮影されたオムニバスホラー。
「食人族」や「ブレアウィッチ・プロジェクト」のように撮影者が行方不明になり、発見されたフィルムを見ながら彼らの運命を辿るファウンド・フッテージスタイルです。
お話ごとに監督が異なっており、それぞれ新鋭のクリエイターが制作していますが、現時点では日本で馴染みのある人たちではありません。
若さゆえの荒削りさは見え隠れするものの、ほぼ無名の新人監督の割に手堅くまとめており、それなりに楽しめる作品に仕上がっています。


「TAPE56」 アダム・ウィンガード監督
これがプロローグです。
自分たちの犯罪行為をビデオで記録して楽しんでいる悪ガキ集団。
羽交い絞めにした女性の服をまくり上げた姿を撮影して逃走したり、無人の住居に忍び込んで破壊したりしてはバカ騒ぎしていた。
そんなメンバーの一人が、ある住居に忍び込んでVHSのビデオテープを盗み出せば高額な報酬がもらえるという仕事を請け負ってくる。
彼らは郊外の一軒家へ忍び込んでVHSテープを探していると、その一室で老人が死んでいた。
老人の前には数台のテレビとビデオデッキ。
悪ガキたちは手分けをしてそのビデオテープに記録された内容を確認していく。。。

「AMATEUR NIGHT」 デヴィッド・ブルックナー監督
男三人が、女性との出会いを求めて夜の街へと繰り出していく。
クラブで二人の女性と知り合った三人は彼女たちを連れ、五人でモーテルの一室に入った。
一人の女性は酔い潰れて早々に意識を失ってしまい、残る一人の女に男たちが迫った。
すると女の身体に異変が表れ始め、額が裂け、突如凶暴化して男たちに襲い掛かった。
部屋から一人逃げ出した男を背後から襲ったのは、背中に羽を生やした悪魔のような生物だった。。。

「SECOND HONEYMOON」 タイ・ウェスト監督
アリゾナの荒野を車で旅する若い夫婦。
夜、二人が宿泊しているモーテルの周りを不審な女が徘徊していた。
夫婦が寝静まったあと、部屋に忍び込んだ何者かがカメラの電源を入れ、眠っている二人の姿を撮影する。
侵入者は二人を観察した後、旦那の財布から現金を抜き取り、彼の歯ブラシをトイレの水に浸けてから元の場所に戻し、部屋を出て行った。
翌日の夜、また何者かがカメラの電源を入れる。
そして、眠っている旦那の首にナイフを突き刺した。
殺害後、洗面所で血まみれの手を洗う女殺人鬼にキスしたのは、殺された男性の妻だった。。。

「TUESDAY THE 17TH」 グレン・マクエイド監督
男女二人ずつ四人の若者が、人気のない森で休日を過ごすためにやって来る。
しかしその森は、過去に謎の連続殺人事件が起きた場所だった。
手始めに一組のカップルが姿の見えない存在に惨殺される。
残った女は、自分はその惨劇の唯一の生存者で、殺人鬼の正体は悪魔だったともう一人の男に告げる。
その悪魔を倒すためにここに舞い戻った事と、連れてきた三人の友人は悪魔を呼び出す為のエサだった事も告白する。
そこへ悪魔が現れ、その男性の喉元を切り裂いた。
そして悪魔は残った女にも迫るが、事前に仕込んでおいた罠に悪魔を誘導し、何とか倒したかに見えた。
ところが悪魔の身体は分裂し、女を切り裂いてはらわたを引きずり出す。。。

「THE SICK THING THAT HAPPENED TO EMILY WHEN SHE WAS YOUNGE」 ジョー・スワンバーグ監督
Skypeのようなテレビ電話で会話を楽しむ遠距離恋愛中のカップル。
しかし彼女のエミリーは一人暮らしの部屋に異変が起きていると言う。
怯えながらカメラに向かって不安を訴えるエミリーの背後を、緑色に光る子供のような影が走り抜ける。
怪奇現象は日に日に酷くなり、ついには暗闇の中に複数の子供たちが現れた。
その子供たちが放った光で失神させられたエミリー。
そこへ、遠く離れた所にいるはずの彼氏が現れる。
彼は気を失ったエミリーの腹を切り裂き、中から胎児を取り出し、子供たちに手渡した。。。

「10/31/98」 レイディオ・サイレンス監督
ハロウィンパーティをするために民家へ向かう四人組の男たち。
到着した会場の家で呼びかけてみるが応えがない。
無断でその家に入り込むと、数人の男たちが少女を縛り付け、殺そうとしていた。
その時、見えない力が少女を囲む男たちを壁に叩き付け、四人組はその隙に少女の縄を解いた。
しかし家は四人と少女を外へ出すまいと、様々な怪奇現象を引き起こして抵抗を始める。
地下室の木製の扉を破壊し、どうにか外に出た五人は車に乗ってその場を立ち去った。
しばらく走って踏切に差し掛かると、線路の上で車が立ち往生してしまう。
そして気付くと少女の姿は車内から消え、ドアが施錠された車に列車が迫る。。。

「TAPE56」の続き
地下室でVHSテープを探していた男がビデオデッキの部屋に戻ると、そこには首を切断された仲間の死体が転がっていた。
そして、蘇った老人の死体が襲い掛かる。。。
(これがエピローグだと思うんですが、実際には上の「10/31/98」というお話の前に挿入されています。)


ストーリーは荒削りで、説明不足だったり分かりずらい部分がありました。
ただ、モキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)として考えれば、何でも説明が行き届いているのは逆にリアリティを削ぐ原因にもなりかねません。
また実際にこんな怪奇現象に出くわしたら、きっと何だか訳が分からないうちに殺られちゃうのでしょうから、状況説明はこれくらい雑(?)で丁度良かったのかも。

特殊メイクも特に有名な人は関わっていないようですが、残酷描写は結構頑張ってました。
腹や喉元を切り裂いたり、内臓を引きずり出したり、眼球を飛び出させたり、生首を転がしたり。
手ブレ映像で粗が目立たなかったってのもあるかもしれませんが、割とリアルだった気がします。

新人が作った低予算B級ホラーとしては十分に楽しめましたが、とにかく手ブレが酷くて見てて気分が悪くなりました。
POVだから仕方ないんですけど、それにしてもカメラをぶん回すにも限度がある。特にオープニング。
乗り物に強い自分も酔うほどなので、酔いやすい人は見ない方が良いかもしれませんです。

 

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/11/27(木) 19:43:09|
  2. ホラー
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「ゼイリブ」 ジョン・カーペンターが描く勇逸アイデアの宇宙人侵略モノ

「ゼイリブ」
(原題:THEY LIVE)
1988年アメリカ映画




公開当時、高校生だった自分は、学校帰りに新宿の映画館で鑑賞しました。
青春時代の懐かしい思い出の映画…ではなく、残念ながら苦い記憶として残っていました。

当時、ジョン・カーペンター監督の印象は、マスクを被ったCoolな殺人鬼が出てくる映画や、ド派手な特殊効果で人体を変形させる映画などのイメージが強かった。
そんな作品を期待して劇場に足を運んだ自分は、コミカルで残酷描写も特殊効果も控え目な「ゼイリブ」にひどく落胆し、記憶の奥底に葬り去りました。
ところが、公開から暫く経った頃から「ゼイリブ」を評価する声が耳に入る機会が増え、時間が経つにつれ、記憶の底からムクムクと「ゼイリブ」が再浮上(笑)
そんな時、何となく「ゼイリブ」というキーワードで画像検索をしてみると、興味を誘うパロディ画像が多数出てきました。
現代社会や政治の問題を、「ゼイリブ」のエイリアン画像と組み合わせて作ったコラージュです。
これら画像があまりに衝撃的で、改めて「ゼイリブ」を見直して見る事にしたんです。

ニューヨークに流れ着いた失業中の肉体労働者ネイダは、ビルの建設現場で仕事を得る。
その現場で知り合った黒人労働者のフランクに、失業者が集まって暮らしている公園のキャンプへと案内された。
その公園の隣には不審な教会があり、明け方まで聖歌が聞こえてきていた。
不審に思ったネイダが教会へ忍び込むと、隠し扉の中に保管された大量のサングラスを発見するが、盲目の牧師に見つかり慌てて逃げ出した。
その教会は反体制派の地下組織の拠点となっており、社会をコントロールする悪への反乱を促す海賊放送を発信していた。
録音された聖歌を流し続けるなどカモフラージュを行っていたが、ある日、体制側にバレてしまい、警察が突入する。
しかし、反体制派の活動家たちは寸前で逃亡し、警察が踏み込んだ時にはもぬけの殻だった。
その突入劇のあおりで隣接する公園にも武装警官が押し寄せ、労働者たちのキャンプを破壊してしまう。

警官が去った後の教会に進入したネイダは、1箱だけ残されたサングラス入りのダンボールを拾う。
そのサングラスを掛けて街へ出ると奇妙な事に気付いた。
肉眼ではカラフルに見える看板や広告、そしてテレビ番組の中に、「服従しろ」「考えるな」などの隠された文字が浮かび上がる。
物品の購入、結婚、睡眠、労働など人間が無意識で行っている行動、さらには思想までが、隠されたメッセージで全て指図されていたのだった。
そしてそのサングラスは、人間の姿に化けて社会に紛れ込み、人間をコントロールするエイリアンたちの醜い姿も露わにした。

社会に多数のエイリアンが入り込み、人間がコントロールされている事を知ったネイダは、我が物顔で闊歩するエイリアンに悪態をつく。
するとエイリアンは腕時計型の通信機器で仲間に連絡を取り、そこに警官に化けたエイリアンが駆けつけるが、自慢のラリアット(!)で撃退。
パトカーから銃を取ったネイダは手当たり次第にエイリアンを射殺(やり過ぎ)。

さらに騒ぎが大きくなったネイダは、駐車場で見かけた女性ホリーを脅して車に乗り込み、無事に現場から逃げおおせた。
ホリーの家に転がり込んだネイダがホッとした隙を狙い、ホリーの反撃でバルコニーから崖下へ突き落されてしまう。
しかし持ち前の頑丈な体で大した怪我もしなかったネイダは、再びフラフラと街へ舞い戻る。

街では建設現場で働くフランクに助けを求めるが、指名手配犯となったネイダに関わろうとしない。
だが力づくで掛けさせられたサングラス越しの街を見て行動を共にする事になる。
街でお揃いのサングラスを掛けた二人を反体制派のメンバーが見掛け、彼らをグループの集会へと招いた。
集会の会場にはホリーもおり、崖から突き落した事を謝罪し和解した。
こうして反体制派のメンバーとなったネイダとフランクだったが、会場に警官隊が突入し、他のメンバーの大半が殺されてしまう。
追い詰められた二人は、エイリアンの腕時計を使ってエイリアンの地下施設へと逃げ込む。
施設はエイリアンの活動拠点であるテレビ局へ繋がっており、屋上の巨大なアンテナから世界中のエイリアンへ信号を発信していた。
ネイダたちはこのテレビ局で働くホリーを探し出し、屋上へ案内させてアンテナを破壊しようと考えるが。。。


実はこの世界は全てエイリアンにコントロールされており、自分の行動も全て仕組まれた物だった、というお話。
前述のとおり、「ハロウィン」の迫りくる恐怖も、「遊星からの物体X」の視覚的驚きや犯人捜しのサスペンスもありませんが、「ゼイリブ」は人間界に深く入り込んでしまったエイリアンが作り上げた社会の恐怖と絶望を、皮肉たっぷりなブラックユーモアと共に描いています。
改めて見ると、この設定は非常に面白い。
行動や思考が自分の意志ではないというのは、考えれば考えるほどゾッとします。
ジム・キャリーの「トゥルーマン・ショー」も自分の世界が作られた偽物だったというのが衝撃的でしたが、それと通じるものを感じました。
テレビ番組も、広告も、雑誌も、全て人間を支配するためにサブリミナル効果を仕込んでいるという発想は、フィクションとは言い切れないリアリティを感じてしまいます。
実は合衆国大統領がエイリアンだったという場面で、主人公が妙に納得する場面は思わず笑っちゃいます。

このように社会を鋭く風刺してみせたかと思えば、演出は非現実的…悪く言ってしまうと稚拙な感じがしちゃいます。
まず主人公が強すぎ。
大勢の警官隊を相手に撃ち合っても弾が当たらない、片手持ちでライフル乱射しても命中率高過ぎ、崖から転げ落ちても怪我をしない、etc.
ネイダを演じるのはプロレスラーのロディ・パイパーなので、人並み外れた身体能力を持っているからなのかもしれません。。。と自分を無理矢理納得させてみたり。
あと、主人公に人間味が感じられなくて、感情移入しずらいのもマイナスポイント。
泊まる場所が無くて途方に暮れている所に、フランクが親切に宿を紹介しようとしているのに完全ノーリアクションのガン無視。
なのに、フランクの後をトボトボ着いてきて、ちゃっかり世話になるという天邪鬼っぷり。
寡黙でCoolなのと、人の好意を無視で返すというのは別だと思いますよ。
まあ、SFホラーでありながらブラックコメディ色が強い作品なので、あまり細かいところを突っつくのは間違った楽しみ方なのかもしれませんね。

ちなみに、ネイダの相棒フランクを演じているのは、「遊星からの物体X」チャイルズ役のキース・デイビッド。
現在も渋い脇役として色々な映画に出演されていますね。
またホリー役のメグ・フォスターは、個人的に「ゼイリブ」と「リバイアサン」でしか見た事がありませんが、薄いブルーの瞳がとても印象的。
見ていると吸い込まれそうになります。

特殊効果のスタッフとしてロイ・アーボガスト、ジム・ダンフォースといったクレジットがありますが、彼らの仕事は控え目です。
リメイクばかりのハリウッド映画にはウンザリしていますが、「ゼイリブ」は設定を活かしつつ、今の技術で撮り直したらもっと面白くできる気がします。
カーペンターの思いを受け継いで、誰か今風にリメイクしてくれないかな~。

 

テーマ:SF映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/11/26(水) 19:45:22|
  2. SF
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プロフィール

かひ

Author:かひ
映画大好きです。今まで映画にどれだけお小遣いを注ぎ込んだか…。でも最近はamazonマーケットプレイスで激安中古DVDを買い漁って楽しむのがマイブームです♪価格1円+送料340円なんていう素敵な値段で買えるDVDがたくさんあるんですよ~。

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