ホラー映画友の会

ホラーファン歴30年、今まで見てきたホラー映画を紹介します。

「エド・ゲイン」 伝説の殺人鬼エド・ゲインの誕生秘話を描く

エド・ゲイン
(原題:IN THE LIGHT OF THE MOON)
2000年アメリカ・ポルトガル合作




サイコ「悪魔のいけにえ」羊たちの沈黙」等、世間を震撼させたサイコキラーのモデルと言われている、実在した殺人鬼エド・ゲインを描いた作品です。
過剰な脚色はせず、事実をベースにした物語展開に派手さはありませんが、そのリアルな作風は薄気味悪さを醸し出しています。

ウィスコンシン州の田舎町プレインフィールドで育ったエド・ゲインは、幼い頃から狂信的な母親によって躾けられてきた。
性的な衝動を悪と教え込まれ、また俗世間から息子を守るために外部との関わりも絶たれていた。
父親と兄を相次いで亡くしたエドは母親と二人で暮らしていたが、間もなく母も亡くなり、天涯孤独となってしまう。

母を偏愛するエドは、母親と似た女性の死亡記事が新聞に載ると、埋葬直後に墓地へと出かけ、遺体を掘り起こしては自宅へ連れて帰った。
そして復活の儀式を行った後、生き返らなかった遺体を切り刻んだ。

そのうちにエドには死んだ母親の声が幻聴として聞こえるようになる。
汚れた女を殺すよう母に命令されたエドは、客と下ネタで盛り上がるバーの女主人マリーを、閉店後の店内で殺害。
自宅で遺体を解体し、剥がした皮膚でマスクやベストを制作、更に陰部を自らのパンツに縫い付け、それらを着用して月明かりの中、踊りに興じた。
その後、マリーの肉はフライパンで焼いて食べた。

いよいよ母親はエドの前に幻覚として姿を現すようになり、またもや女性の殺害を命じる。
次にエドが目を付けたのは、以前から母親に似ていると好意を寄せていた雑貨屋の女主人コレット。
売り物のライフルで撃って自宅へ連れ帰った。

コレットが姿を消し、以前からエドに不信感を持っていた雑貨屋の従業員がエドの自宅へ忍び込む。
するとそこには、内臓を全て取り出されたコレットの首無し死体が、天井から逆さ吊りにされ状態でぶら下がっていた。
また、人体で作られた家具、食器、衣服、ミイラ化した人間の頭部なども発見された。

1968年、エドは有罪とされたものの、精神的な異常があるという事で精神病院へと収容された。
そして1984年にそのまま精神病院の中で病死する。

エド・ゲインは大勢を殺した連続殺人鬼と思われがちですが、実際に明らかになった被害者はこの2人の女性のみ。
それなのにこれほど有名になったのは、その異常な行動があまりに衝撃的だったからなんですね。
この作品では、そんな異常者が作られた背景と、彼の内面を中心に描いています。

最後の逆さ吊り遺体のシーンこそ強烈ですが、解体する場面は描かれていないためグロさは控え目。
殺しの場面も銃を使っているので刺激は少ないです。
でも、まるでステーキ肉のように加工された人肉をキッチンで焼き、その香りに満足げな表情を浮かべる場面など、直接的ではないグロシーンが印象に残ります。
この場面では危うく「人肉ってどんな味がするのかな…」なんて想像しそうになりました。。。

監督は、「ヘンリー ある連続殺人鬼の記録」のジョン・マクノートン監督の元で仕事をしていたチャック・パレロ。
この監督は地味な実録異常殺人鬼ものが好きみたいですね。
エド・ゲインを演じたのは「スペース・バンパイア」で主役のカールセン船長を演じていたスティーブ・レイルズバック。
外見は人の良さそうな小さいおじさんだったエド・ゲインを、控え目な演技と穏やかな表情で演じ切りました。
この作品は自ら製作も担当するほど力が入っています。

ホラー映画としての怖さは全くありませんが、常軌を逸したエド・ゲインはひたすら不気味。
余計な演出はせずにリアルさを狙ったおかげで「実話」という部分が強調されています。
親によって人間性を歪められたエド・ゲインが哀れであり、また一歩間違うと人間はこんなふうになってしまうのか…という不安をも抱かせます。

2007年に再度映画化されたライオンズゲートの「エド・ゲイン」は、事実の美味しいところだけ拝借した完全なるフィクションでした。
あっちは完全にでっち上げられたストーリーなので見る価値はありません。(おまけにつまらない)
見るならこの2000年版をお勧めします!

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/04/26(土) 12:53:47|
  2. スラッシャー(殺人鬼)
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「ハイテンション」 アレクサンドル・アジャ監督の出世作!パワフルさに圧倒!

ハイテンション
(原題:HIGH TENSION)
フランス2003年度作品





今やハリウッドホラー映画界でトップ監督にまで上り詰めたアレクサンドル・アジャ監督の、アメリカ進出のきっかけとなったパワフルスラッシャームービー。


女子学生のマリーとアレックスは、静かな環境で勉強に専念するために、畑の真ん中に建つアレックスの実家へとやって来る。
家族が寝静まった頃、誰かが玄関の呼び鈴を鳴らした。
アレックスの父親が玄関に出ると、そこに立っていた男が突然殴りかかった。
階段の手摺りの支柱の間に頭を押し込まれて身動きが取れなくなった父親に向け、男は箪笥を押して突撃。頭部を潰して殺した。
騒ぎを聞きつけたアレックスの母親も男に捕まり、喉を深く切り裂かれ、さらに手首も切断されて絶命する。
さらに男はトウモロコシ畑の中に逃げ込んだアレックスの幼い弟もショットガンで殺すと、再び家に戻って来る。
一部始終を息を殺して見ていたマリーは、チェーンで両手足を縛られ、極太の猿ぐつわを噛まされたアレックスを見つける。
しかし解くことが出来なかったため、マリーは助けを呼ぶためにキッチンへ電話を探しに行く。
その間に男はアレックスを担いで自分が乗ってきたシトロエンのトラックに押し込み、チェーンで繋いだ。
男が家の中に戻って物色している間にマリーは包丁を握りしめ、ドアを開けっ放しにしたままのトラックの荷台に隠れる。
男が戻って姿を見せた瞬間に刺殺そうと待ち構えていた。
しかし男は荷台も覗かずにドアを閉め、マリーが乗り込んでいる事にも気付かずにカギをかけてしまった。
二人とも男に拉致されてしまったのだ。

暫く走って男がガソリンスタンドに立ち寄った隙に、トラックのドアのカギをこじ開け、マリーは事務所へと助けを求める。
しかしそこへ給油を終えた殺人鬼が入ってきたため、マリーは店内の商品棚の裏に隠れた。
マリーの訴えを聞いていたスタンドの従業員の素振りに気付いた殺人鬼は、従業員を斧で殺害。
その隙にマリーは店を抜け出し、トイレの中に隠れる。
間一髪のところでマリーに気付かず、男はアレックスを乗せたままトラックで走り去ってしまう。
スタンドに停めてあったフォード・カプリに乗り込んだマリーは、男のトラックを追跡する。
森の中で一瞬見失ったと思うと、トラックはカプリの後ろに回り込んで追いかけてきた。
トラックの追跡をかわす事ができず、ほどなくカプリはジャンプして横転。
走行不能になった車から這い出たマリーは、使われていない荒れたビニールハウスの中に逃げ込む。
追ってきた殺人鬼に、有刺鉄線を巻き付けた棒で殴りかかる。
顔面を何度も殴り、ビニールハウスの切れ端で殺人鬼の顔を押さえつけ、ついに倒すマリー。

その頃、ガソリンスタンドで従業員の死体を見つけた刑事は、店の防犯カメラを確認していた。
そこには、従業員を斧で殺害するマリーの姿が映っていた。。。

殺人鬼を倒したマリーが笑みを浮かべてアレックスの元へと駆け寄ると、アレックスが包丁を向けた。
アレックスの家族を殺したのは、何とマリーだったのだ。
殺人鬼は、アレックスを独り占めしたいと考えたマリーが生み出した別人格だった。
女同士の愛を拒絶されたマリーは、アレックスに円盤状の刃を持った巨大な電動ノコギリで襲い掛かる!


この作品が作られた2003年当時、まだまだ無名だったアレクサンドル・アジャ監督でしたが、「ハイテンション」でその評価は一気に高まります。
3年間の空白の後に発表された次作は、ハリウッドに招かれて撮ったウェス・クレイブン「サランドラ」のリメイクである「ヒルズ・ハブ・アイズ」です。
その後の作品を見ても、この「ハイテンション」同様の冴えわたる恐怖演出、ジェットコースターのようなスピード感溢れる展開は健在。
ホラー映画を一級のエンターテイメントにまで昇華できる貴重なクリエイターだと思います。

アジャ監督を特殊メイクでサポートしたのがイタリアのゴア系メイクの重鎮、ジャネット・デ・ロッシ。
「サンゲリア」「ビヨンド」といったルチオ・フルチ作品の他、フェデリコ・フェリーニ、フランコ・ゼッフェレリ、デビッド・リンチの作品などでも活躍しています。
この「ハイテンション」ではひたすらリアルな特殊メイクを存分に見せてくれます。

マリーを演じるのは、クリント・イーストウッド監督の「ヒアアフター」にも主演していたセシル・ドゥ・フランス。「ヒアアフター」の役名もマリーでしたね。
アレックス役はリュック・ベッソンの「レオン」や「フィフスエレメント」にも出ていたというマイウェン。
ちなみに殺されるガソリンスタンドの従業員は、後にアレクサンドル・アジャがプロデュースしたリメイク版「マニアック」を監督するフランク・カルフンです。

あと車好きとして見逃せないのが、シトロエン・Hトラック。
おしゃれな移動クレープ屋さんなどで活躍しているなごみ系トラックが、何と血みどろの殺人鬼の相棒です(笑)
しかもカーチェイスまで演じさせるとは快挙ですね~。

 

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/04/22(火) 19:28:51|
  2. スラッシャー(殺人鬼)
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「シャドー」 ダリオ・アルジェントが描く謎解きも楽しめるショッキングホラー

シャドー
(原題:TENEBRE)
1982年イタリア映画




ダリオ・アルジェント監督が1982年に撮ったジャーロの佳作。
魔女三部作のようなオカルトものではなく、アルジェント初期の作品を連想するミステリーホラー作品です。


ニューヨークで活躍する小説家ニールが、新作のミステリー小説「暗闇」のプロモーションのためローマへやって来る。
取材やテレビ出演をこなしていくその周囲で、新作小説と同様の連続殺人事件が発生する。
犯人がニールの元へ脅迫状を送り付けてきたため、刑事が周辺の捜査を開始した。

そんな中、ニールが宿泊するホテルの管理人の娘が街中を歩いていると凶暴な犬に襲われた。
近所の豪邸へ助けを求めるが家人は留守だったため、地下室へと逃げ込む。
そこには一連の殺人現場を撮影した凄惨な写真が並んでいた。
通報しようと受話器を取るが犯人が帰宅してしまい、家の外まで逃げ出すものの追いつかれ斧で殺害されてしまう。

ニールは娘の遺体が見つかった現場の近くに住む書評家のベルティに疑念を抱く。
アシスタントと共にベルティの豪邸に侵入し、二手に分かれて邸宅内を捜索する。
しかし犯人だと思われていたベルティはアシスタントの目の前で何者かに斧で惨殺され、ニールも頭を殴られ気を失ってしまう。
二人ともベルティ殺害犯の顔は見ていなかった。

身の危険を感じたニールはエージェントであるブルマーに相談し、パリへと旅立っていった。
ブルマーはニールの婚約者ジェーンと不倫関係にあり、ニールが出国した後、極秘でローマを訪れていたジェーンと密会する約束をしていた。
待ち合わせ場所の広場で待っているブルマーだったが、白昼堂々、何者かに刺殺されてしまう。
また、ベルティ殺害現場に居合わせたアシスタントの青年も絞殺されてしまった。

浮気相手のブルマーが殺された事で恐怖に怯えたジェーンは、ニールの秘書であるアンに助けを求める。
アンが訪れるのを部屋で待っていたジェーンだったが、そこに殺人鬼が現れ斧で惨殺された。
さらに、その部屋にやってきた女性も殺されてしまう。

咄嗟に殺してしまった女性の後ろ姿を見て狼狽する殺人鬼は、何とニールだった。
床に倒れた女性は、愛人であるアンの姿だったのだ。

そこに現れた刑事に対し、愛する人を殺してしまった後悔の念を吐露するニール。
しかし、刑事の後に付いて部屋に入ってきたのはアンだった。
床に倒れているのは、刑事の相棒の女性刑事。
殺した刑事を愛人と勘違いし、動揺した結果自らの殺人を認めてしまったニールは、事件の真相を語り始めた。

自身のストーカーだったベルティが連続殺人事件の犯人と知ったニールは、ベルティを殺害。
一連の事件と同一犯の犯行と見せかけ、浮気する婚約者とその相手ブルマーを殺そうとしたのだった。
全てを明かしたニールは、ポケットから取り出したカミソリで、自分の喉元を切り裂いて命を絶った。

アンをパトカーに乗せ、刑事が再び部屋に戻るとニールの死体が消えていた。
床に落ちたカミソリを手に取ると、それは血糊を流す仕掛けのついた偽物だった。
そして、刑事の背後に立ったニールは斧を振り下ろす。。。


婚約者が浮気している時点で犯人は予想がつきましたが、ミステリーとしてもそれなりに楽しめます。
日本の2時間枠のサスペンスドラマのような展開ながら、ジャーロ風味が濃厚で程よくお下品。あ
登場する美女たちは、肌も露わ、胸元ツンツン、パンツ丸見えです。
殺人場面は、カミソリで喉を掻っ捌き、額に斧を叩き込み、腕を切断したりします。
アルジェント作品としては執拗にネチネチ責めるようなシーンが無くて寂しいものの、サスペンス映画としては十分刺激的。
土曜ワイド劇場や火曜サスペンス劇場には無いエロと残酷描写が満載でドキドキしました。

ちなみに、ラストで過去の未解決事件が明らかになりますが、それが必要だったのかはよく分かりません。
まぁ伏線が活かしきれないのはアルジェントの常なのであまり深く考えちゃダメですかね。

あと「シャドー」を語る上で必ず触れないといけないのが、白赤のコントラスト、そして長回しのシーン。

まず映像の中で白と血の赤が印象的に使われているのが目に付きます。
被害者の白い服が鮮血で真っ赤に染められていく。
モノトーンの回想シーンの中で、赤いハイヒールだけが鮮やかな色を放つ。
この白と赤の色使いが鮮烈な印象を植え付けます。
アルジェントと言えば原色の毒々しい照明をイメージしますが、「シャドー」は自然な照明と白い背景によって明るい映像が特徴となっています。

そして殺人鬼に狙われている女性の住む建物を、外壁に沿うようにカメラをズリズリと移動させる長回し撮影が面白い。
部屋の窓から窓、屋根の上、階段の窓と延々と見せていきますが、なかなか殺人鬼の姿が出てこない。
殺人鬼を見せる気は無いのかな?とこちらが諦めかけた所で、窓のブラインドとパチパチと切断する手が映し出されます。
この長いワンカットで撮られた映像がファンの間では語り草です。
今見るとクレーンがグラグラ揺れて動きも妙にカクカクしてるのが惜しい。
もっと滑るようにスライドしてくれれば気持ちよかったんですけどね。

他にもアルジェントらしい遊び心ある映像作りが随所に見られて楽しいです。

音楽はゴブリン名義ではありませんが、ゴブリンのメンバーが担当しているのでいつものあのサウンドが健在。
やはりダリオ・アルジェント作品にゴブリンサウンドは欠かせませんね。

特殊効果を担当しているのはジョバンニ・コリドリ。
一番目に名前が載ることはあまりありませんが、デ・ロッシさんたちと一緒に様々なイタリアンホラー映画に参加している人です。

また助監督として「デモンズ」の監督ランベルト・バーバと、「アクエリアス」の監督ミケーレ・ソアビも参加。
この二人は細かい役で出演もしています。

キャストは主役のニールがアンソニー・フランシオサ。ブルマーが「エルム街の悪夢」「地獄の謝肉祭」のジョン・サクソン。刑事役はジュリアーノ・ジェンマ。アンはアルジェントの奥さんで女優アーシア・アルジェントの母親であるダリア・ニコロディ。
面白いのはジェーンを演じている女優で、なんとベルルスコーニ首相の奥さんです。もともと不倫関係だったのが、愛人から奥さんに昇格しています。「シャドー」でも実生活でも不倫とは。。。

ミステリーとしては傑作と言えるレベルではありませんが、アルジェント風味を存分に楽しめる作品です。
アルジェントの脂が乗っている時期の作品ですから、未見の方は是非お試しあれ。

 

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/04/21(月) 18:39:14|
  2. スラッシャー(殺人鬼)
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「アクエリアス」 アルジェントの秘蔵っ子、ミケーレ・ソアヴィ監督作

「アクエリアス」
(原題:AQUARIUS)
1986年イタリア映画




当時、この作品のミケーレ・ソアヴィ監督がアルジェントの後継者みたいに言われてました。
アプローチこそ違えど芸術性と恐怖の融合を感じるところが確かに似ていますね。
そしてリズミカルでテンポのいい展開はアルジェント以上。
イタリアのホラー映画に新しい風を吹き込んだ作品がこの「アクエリアス」です。

劇場でミュージカルの練習をする劇団に、フクロウのマスクを被った殺人鬼が襲い掛かる。
外部と遮断された劇場内で、一人、また一人と残忍な方法で殺されていく。。。

この作品を見てミケーレ・ソアヴィが好きになりましたが、残念ながらその後、「アクエリアス」を越える作品は拝めていません…。

  

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/04/21(月) 18:39:12|
  2. スラッシャー(殺人鬼)
  3. | トラックバック:0
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「ヘンリー ある連続殺人鬼の記録」 実在の連続殺人鬼を描く

ヘンリー  ある連続殺人鬼の記録
(原題:HENRY:PORTRAIT OF A SERIAL KILLER)
1986年アメリカ映画




ウォーキングデッド」でどこか憎めない悪役・メルルを演じたマイケル・ルーカーが、実在の連続殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスに扮した実話ベースのサイコホラー

夫との不仲により家を出てきたベッキー。
兄オーティスが居候しているヘンリーの部屋に転がり込んだ。
オーティスは、母親を殺して服役していたヘンリーと刑務所で知り合ったという。
互いが子供時代に親から受けた虐待を語り合ううちヘンリーに親近感を覚えたベッキーは、彼に好意を抱くようになる。
ベッキーの前では紳士的なヘンリーだったが、その裏では次々と女性を毒牙にかけていた。
ある夜、オーティスと共に夜の街へ出かけたヘンリーは、知り合った二人の女性を路地裏で殺害。
初めはうろたえるオーティスだったが、以後、ヘンリーと凶行を重ねるうちに殺人に快楽を覚えるようになる。
殺人を重ねるうちに常軌を逸し始めたオーティスは、ヘンリーが部屋を出ている間にベッキーに襲い掛かった。
しかし戻ってきたヘンリーに刺殺され、風呂場でバラバラに解体、ビニール袋に入れて川へと投げ捨てられた。
ベッキーと共に逃亡したヘンリーだったがモーテルの部屋でベッキーも殺害、道路脇に遺体を捨てた。。。

まずオープニングが強烈。
女性の顔をドアップから始まり、徐々にカメラが引いていくとそれが遺体である事が分かります。
同様にヘンリーが殺した犠牲者たちの姿が延々と映し出されるのですが、ビンが顔面に突き刺さっていたり、川岸に浮かぶ女性など、作り物と分かっていても「実在の殺人鬼」という先入観があるので非常に生々しく感じます。

常人には理解しがたい連続殺人鬼を、無表情のまま演じきったマイケル・ルーカーは凄い。
淡々と殺しを重ねるその姿からは静かなる狂気を感じます。

対してトム・トウルズ演じるオーティスは衝動を抑えきれないクレイジーなキャラ。
言動からして軽薄で人間的に物凄く嫌悪感を覚えます。
トム・トウルズはトム・サビーニ版「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でも嫌らしいおっさんを演じていましたね。

監督は「ワイルドシングス」のジョン・マクノートン。これがデビュー作です。

映画を見る前に、まずはヘンリー・リー・ルーカスについてwikiなどで調べてみる事をお勧めします。
この映画では語られない凄まじい生い立ちや人間性が書かれており、大変興味深いです。


テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/04/18(金) 13:40:50|
  2. スラッシャー(殺人鬼)
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「ディセント」 洞窟で女性6人に襲い掛かるクリーチャー

 ディセント
(原題:THE DESCENT)
2005年イギリス映画





エクストリーム系スポーツを楽しむ中年女性6人組。
仲間と共に川でラフティングを楽しんだサラは、迎えに来た夫、娘と共に車で帰宅する途中、交通事故に遭い二人を亡くしてしまう。
仲間の女性たちは一人取り残されたサラを元気づけるため、有名な洞窟探検スポットへと連れ出した。
山奥にひっそりと存在する巨大なクレーター状の穴へ降下していくと、そこには神秘的な空間が広がっていた。
ヘッドランプの明かりを頼りに洞窟の奥へと進んでいく一行だったが、突然落盤が発生し、出口への道を塞がれてしまう。
その洞窟は有名なスポットではなく、グループの一人、ジュノが下見に訪れた際に見つけた未開の洞窟だった。
そのため、洞窟の構造を記したガイドブック等もなく、また第一発見者になりたかったジュノは、洞窟探検に義務付けられた役所への申請も行っていなかった。
捜索隊が来る望みも無く、ランプの電力が消耗していく中で他の出口を探して洞窟内を彷徨う一行。
そんな彼女たちを、暗闇の中から見つめる謎の生物がいた。。。

前半はアドベンチャー映画のようで、途中までは全くホラー映画的な要素は感じさせません。
予備知識が無ければ物語半ばに突然現れるクリーチャーにびっくりするはず。
それじゃクリーチャーが出てくる中盤までが長いプロローグかといえばそうではなく、絶望的な状況の中、危険な洞窟内を進んでいく展開は凄まじい緊張感。全く退屈させません。
そんな厳しい状況でさらに化け物と戦わなければならない後半はもう最悪です。

その二足歩行のクリーチャーは人間を捕えては食糧にしています。
真っ暗な地底で暮らしているため視力がなく、音に反応して動いています。
クリーチャーと至近距離で息を潜めて対峙する場面はドキドキハラハラです。

この作品の面白いところは、敵がどんどん変わっていく(増えていく?)ところ。
最初は洞窟、次はクリーチャー、最後は仲間割れして友達との殺し合いに発展します。
仲間割れについてはオープニングが伏線になっています。

また主人公サラが事故の後遺症を抱えている事も良いスパイスになっています。
それを活かしたエンディングも何とも言えない余韻を残します。

無名のスタッフ、キャストで制作された作品ですが、型にはまらず、観客の予想を裏切りまくる展開はとても斬新に映りました。
お勧めの一本です!

 

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2014/04/16(水) 19:16:35|
  2. モンスター
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プロフィール

かひ

Author:かひ
映画大好きです。今まで映画にどれだけお小遣いを注ぎ込んだか…。でも最近はamazonマーケットプレイスで激安中古DVDを買い漁って楽しむのがマイブームです♪価格1円+送料340円なんていう素敵な値段で買えるDVDがたくさんあるんですよ~。

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