プロメテウス (原題:PROMETHEUS)
2012年アメリカ映画
リドリー・スコット監督が名作SFホラー「エイリアン」の前日譚として製作したのが「プロメテウス」。
「エイリアン」ファンとしてはリドリー・スコット監督が戻ってくる事で、路線変更を繰り返してよく分からなくなったシリーズを軌道修正し、本来の姿に戻ったプリクエルになると期待していいました。
ところが製作が進むにつれ入って来た事前情報は、企画当初よりも前日譚としての色合いが薄れて「エイリアン」から独立したオリジナルストーリーになったとの事。
それを聞いてがっくりしましたが、それでもファンとしては無視する事は出来ず、公開と同時に見に行ってきました。
ちなみに、このレビューを書いてる時点ではまだ劇場で公開中です。
ネタバレを大いに含むレビューとなりますので、これから見る方はご注意下さい。
まだ人間が存在していない太古の地球に、人間に良く似た一人の宇宙人が降り立つ。
自ら黒い液体を飲み干すと苦しみだし、体のDNAが破壊され始めた体は崩れ落ちて激流の川の中へと落ちていく。
川の中で粉々になった宇宙人の体は水の中でDNAが再編成され、地球の生物の源が形成されていく。。。
2080年代、地球上の各国の古代遺跡などから6つの点が描かれた壁画が見つかる。
これは古代の人間が存在を知るはずが無い、はるか遠くにある太陽系に良く似た惑星系を示すものである事が判明する。
そこで、壁画の謎を発見したエリザベスとチャーリーカップルの他、専門家、宇宙船のクルー、スポンサーのウェイランド社スタッフによる調査隊が編成される。
彼らは壁画に導かれるように宇宙船プロメテウス号で惑星LV226現地へと赴く。
LV226で一行は人工的な建造物を発見、調査に向かう。
まず遺跡の中で見つけたのは「エンジニア」と呼ばれる巨大な体の宇宙人(例のスペースジョッキー)の遺体。
調査に同行したウェイランド社のアンドロイドのデイヴィッドが遺跡の文字を解読、ホログラム映像の再生に成功し、逃げ惑うエンジニアの姿が映し出された。
その状況に恐れおののいた2人の科学者は先にプロメテウス号に戻るといって一行から離脱する。
そして奥へと進んだ一行が目にしたのは、人間の顔を模したような石造と、並べられた無数の筒状の物体。
その頃、外では猛烈な嵐が近付いてきたため、一行は遺体の頭部を、またデヴィッドは誰にも気付かれないよう筒状の物体を1つバッグに入れてプロメテウス号に持ち帰った。
(どうして知ったのかは明らかになっていないが…)
プロメテウス号の船長によると、エンジニア達が生物兵器であるエイリアンを開発するための星がこのLV226ではないかという事だった。
プロメテウス号へ戻ると、先に戻ったはずの二人が帰っておらず、建造物の中で迷っている事が判明。
二人は嵐が過ぎるまで内部で過ごす事になってしまう。
筒状の物体が並んでいる部屋では、筒の上部から黒い液体が染み出すように流れ出し、地面を流れていた。
その液体は地面を這う小さな虫を蛇のような生物へと変化させ、二人の科学者に襲い掛かる。
手に巻きついたその生物を剥がそうとナイフで切断すると、酸性の体液が飛び散った。。。
プロメテウス号の中でデイヴィッドが筒を開けると、中には黒い液体が入っていた。
そしてその液体を一滴、チャーリーの飲み物へ混ぜて飲ませてしまう。
その夜、何も知らないチャーリーは、エリザベスと一夜を共にする。
翌朝、内部に取り残された二人と連絡がつかなくなったため、一行は再び建造物内部へと入る。
しかしそこでは一人の科学者の遺体を発見する。
もう一人はというと、酸を浴びて死んだはずだったのに、馬鹿力の怪物となってプロメテウス号の前に現れた。
クルーを次々と殴り殺していくが、最後は火炎放射器で焼き殺されて絶命する。(この辺りは「遊星からの物体X」のようです…)
建造物の中ではチャーリーの体に異変が起きていた。
眼球や肌が変色し、もがき苦しみだした。
一行は治療のため、チャーリーを連れてプロメテウスに引き返す事にする。
その頃デイヴィッドは、建造物内の一角でエンジニアの宇宙船のコックピットを見つけていた。
ホログラム映像を再生し、宇宙船の操作方法や、地球へ向けて飛び立つ予定だった事を知る。
そして、生命維持装置(?)の中で眠る、冬眠状態のエンジニアを発見するのだった。
プロメテウスまで戻ってきた一行だったが、チャーリーの症状は悪化し、火炎放射器で焼き殺されてしまう。
失意のエリザベスに、デヴィッドは人間ではない何かを妊娠している事を告げる。
しかも行為は昨夜なのに既に3ヶ月目程度まで育っているという。
エリザベスは自動手術マシーン(?)に入り込み、腹部を切開し、中からイカのような生物を取り出す事に成功する。
取り出した生物を閉じ込め、近くの部屋に逃げ込むと、死んだと言われていたウェイランド社長が居た。
自らの死期が近いと悟った社長は、人類の創造者であるエンジニアに会って延命を頼むという。
再度建造物の中に入り、エンジニアを目覚めさせるが、エンジニアは社長を撲殺。
デヴィッドも首をもぎ取られてしまう。
エリザベスは必死に建造物から逃げようとするが、エンジニアはコックピットに座り、宇宙船を発進させようとする。
行き先は地球。
人間を滅ぼすために黒い液体をばら撒きに行くというのだ。
エンジニアの意図を知ったエリザベスは、宇宙船を地球へ行かせてはならないとプロメテウスに伝える。
それを聞いたプロメテウスのクルーは宇宙船めがけてプロメテウスを発進させ、自爆を代償に宇宙船を墜落させる事に成功する。
惑星上に一人取り残されたエリザベスは、酸素を補給しに、プロメテウスの残骸へと向かう。
しかしそこにエンジニアが現れエリザベスを襲う。
エリザベスがドアを開けると、そこには自らが産み落としたイカ生物が巨大化して潜んでおり、エンジニアに襲い掛かった。
その隙に船外へと逃げ出すエリザベス。
エンジニアはイカ生物の触手を口に突っ込まれて絶命する。
途方に暮れるエリザベスに、首だけとなったデイヴィッドから連絡が入る。
この星にはもう一機、エンジニアの宇宙船が隠されているという。
自分を助けてくれればこの星から脱出することが可能だと言われ、デイヴィッドを救出に向かう。
しかしエリザベスは地球へ帰ることが目的ではなかった。
エンジニアが住む本当の惑星に向かうよう、デイヴィッドに指示するのだった。
誰もいなくなったLV226ではイカ生物に殺されたエンジニアの腹が蠢いた。
次の瞬間、エンジニアの腹を突き破ってエイリアンの成虫が誕生したのだった。。。
ストーリーの概略はこんな感じですね。
CMでは「人類の起源」と謳っていましたが、それは導入部分だけで、結局は「エイリアンの起源」と「スペースジョッキーの正体」を捜し求めるお話でした。
思ってた以上に「エイリアン」の要素が生きていたので「エイリアン」好きには堪りませんでした。
エンジニア=スペースジョッキーの素顔にはびっくりしました。
像の鼻のような顔をしていましたが、あれはなんとマスクだったんです。
そのマスクを外すと、中には人間そっくりの顔が現れます。
何となくそんな気はしてましたが、1979年に見た「エイリアン」からずっと思い込んできた顔がお面だったというのはそれでも衝撃的でした。
あと今回は今までのエイリアンとはデザインがかなり違います。
まず大きく分けて2種類。
筒よりあふれ出した黒い液体から生まれた子と、エリザベスの胎児として生まれた子。
黒い液体の方は触手の無いヌメヌメしたフェイスハガーですが、こいつが成体となった後の姿は出てきませんでした。
エリザベスから生まれた方は最初はイカみたいなんですが、巨大化して足を開くと超大型フェイスハガーへと早変わり。
どちらも「エイリアン」のフェイスハガーとはデザインが大きく異なります。
またエンジニアから生まれるのはチェストバスターではなく、いきなりエイリアンの成虫が生まれます。
このエイリアンもH・R・ギーガーの物ではなく、ヌメヌメして凹凸の少ないデザイン。
口の中に仕込まれた顎も備えてるのですが、顎の迫り出し方が異なります。
これら旧作品とデザインが異なるのは、エイリアンが進化の途中だから?
それとも今風にリデザインされたのでしょうか?
その辺ははっきりさせず有耶無耶のまま終わります。
他にもイマイチすっきりしない部分が多い。
例えば黒い液体の正体とか、円筒の正体とか。
最初から続編の製作も考えられていたようですので、次の作品で明らかになるのでしょうか。
とりあえず、これにはあえて突っ込まずに今は流しておいた方が良いのかもしれませんね。
ところで、先日残念なことにリドリー・スコットの弟さんで、「プロメテウス」の共同プロデューサーでもあり映画監督のトニー・スコットが自殺して亡くなってしまいました。
リドリー・スコットはイギリスで製作に取り掛かっていた次回作の撮影を中止して、アメリカの家に帰ってしまったとか。
次の作品は「プロメテウス」の続編ではなかったようですが、続きが見れるのはいつになるのでしょう。。。
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- 2012/08/31(金) 17:38:01|
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エイリアン2 (原題:ALIENS) 1986年アメリカ映画
世界中で高評価と高収益を得た「エイリアン」の続編は、低予算SFアクション「ターミネーター」を大成功させた若手監督ジェームズ・キャメロンに託されました。
ジェームズ・キャメロンはリドリー・スコットが敷いたレールをあえて外れ、独自の世界観にエイリアンシリーズを導きました。
複数形になったタイトル、キャッチコピー「This Time It's War(今度は戦争だ!)」が示すように、今回はとてつもない数のエイリアンが襲い掛かってきます。
前作の最後でエイリアンを倒した後、救命艇で冷凍睡眠に入ったまま地球を目指したリプリー。
しかし救命艇は地球を通り過ぎ、57年間も宇宙を彷徨った末にようやく救助される。
運良く救助されて地球へ戻ったリプリーだったが、自分の家族や知人は皆この世を去った後だった。
また、エイリアンとの激闘の末、爆破したノストロモ号に関する責任を問われるが、誰もエイリアンの話など信じてくれない。
しかも、リプリーたちがエイリアンと遭遇したあの惑星LV426は、現在は宇宙植民地として大勢の家族が移住して平和に暮らしているという。
また移住にあたって惑星を調査したが何も発見されなかったというのだ。
こうしてノストロモ号爆破の責任を負わされ宇宙航海士の資格を取り上げられたリプリーは、倉庫での仕事を得る。
しかし毎日あの時の体験が悪夢として甦り、リプリーを苦しめるのだった。
そんな時、LV426の移住者たちとの通信が途絶えてしまう。
LV426を知る唯一の人間として、リプリーは宇宙海兵隊と共に救助へ向かうことになる。
しかしそこには、以前経験したよりも遥かに強大な敵が待ち構えていた。。。
前作でも卵が並んでいる場面はありましたが、何があの卵を産んだか?は明らかにされませんでした。
それが今回は明らかになります。
女王蜂のように、兵士エイリアン(ウォリアー)をコントロールするエイリアンクイーンが登場します!
このNEWキャラ、エイリアンクイーンが卵を産んでいたのです。
今回は植民地の人間たちをホストにして誕生したたくさんのウォリアーが登場します。
クイーンの登場により、前作で1体倒すのに四苦八苦したウォリアーがペーペーのその他大勢に格下げです…。
対する人間側も強力な火力を誇る宇宙海兵隊なので、ウォリアーはすっかりやられ役。
でも前作同様の賢さと、前作以上の素早さも兼ね備えているので、奇襲攻撃などで人間を苦しめます。
そして「エイリアン2」で重要な役割を担うのが、植民地の住民の唯一の生き残りであるニュートという少女。
家族を目の前で殺され、独りぼっちだったニュートに母性を刺激されまくったリプリー。
しかし惑星を脱出直前、ニュートがさらわれた事で怒り爆発。
生き残った海兵隊は怪我人のみのため、自ら銃や火炎放射器などフル武装でエイリアンの巣へと突撃します。
無事ニュートを救出するも、そこでついに対面するのがエイリアンクイーン。
「ニュートを連れ去りやがって、こんにゃろ」とばかりに卵にグレネードランチャーを打ち込みます。
ここから母性VS母性の壮絶なバトルがスタート。
最初から最後までハイテンションで畳み掛けるのはいかにもジェームズ・キャメロン!
登場人物たちをそこまで追い込まんでも…と憐れみすら覚えてしまうほど窮地に追い込みます。
前作でアンドロイドに痛い目を見せられたリプリー、同行したアンドロイド、ビショップをやたらと毛嫌いしています。
それが最終的にヒューマンな感動を与えてくれる辺りが個人的に好きな部分です。
エイリアンウォリアーは前作のデザインを踏襲しつつ、ややゴツゴツした造形に変化しています。
エイリアンを作り上げたのは「ターミネーター」でもジェームズ・キャメロンと組んでいたスタン・ウィンストン。
第二班監督も努めるなど、深く携わっています。
その他、特殊効果で有名どころはダグ・ベズウィック、ブライアン・ジョンソンなど。
そしてコンセプトアーティストにシド・ミード、コンセプトデザイナーとしてロン・コッブも参加。
だからメカニカルデザインも格好いいですよ~。
主要な出演者はシガーニー・ウィーバー以外はジェームズ・キャメロン組の俳優さんが多数。
マイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン、ビル・パクストン、ジャネット・ゴールドスタイン(バスケス=T2の継母=タイタニックと共に沈んでいく母親)など。
劇場公開版も文句なしに面白かったですが、後年発表されたディレクターズカットもお勧めです。
映画会社の都合でジェームズ・キャメロンが泣く泣く削除したというシーンが追加されています。
冒頭、ようやく地球に帰ったリプリーが、自分の娘が老衰で先に亡くなっていたという事実を知る場面。
これはあった方が物語りに深みが出るし、ニュートを守るために戦うリプリーの精神状態を理解する上でも重要なシーンだと思います。
また移民が例の宇宙船を見つけるシーンは、前作からのファンには嬉しいですね。
じっくりと恐怖を描いた1作目に対し、戦争アクションになった2作目。
SFホラーの要素は薄れてしまいましたが娯楽度は大幅にアップ。
正攻法を避けて数とアクションで前作と違う形に昇華させたジェームズ・キャメロンは賢いですね。
職人監督リドリー・スコットとも、傑作SFホラーである前作とも比較されるリスクは避けられたし。
(あ、決して前作より劣っているという訳じゃないですよ!)
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- 2012/08/28(火) 20:10:09|
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エイリアン (原題:ALIEN)
1979年アメリカ映画
貨物運搬宇宙船ノストロモ号は地球へ向けて宇宙を航行していた。
近くの惑星から発信される電波を受信し、会社の命令で調査へと向かう事になる。
到着した惑星で発信源へと向かうクルーたちが目にしたのは、大昔に放置されたと思われる巨大な異性人の宇宙船だった。
宇宙船の砲座には、胸に穴が開いて息絶えた異性人の遺体が、化石化した状態で横たわっている。
そして砲座のすぐ横には穴が開いており、そこからクルーのケイン(「エレファントマン」のジョン・ハート)が船内へと入っていくと無数の卵らしき物体が並んでいた。
その中の一つを覗き込んだとき、卵から飛び出した何かがケインの顔に飛びついた!
顔に異物を付けたまま意識を失ったケインはノストロモ号に運び込まれるが…
以上が導入部分です。
SFホラーの金字塔ですから見た事がある人も多いと思われますが、ストーリー紹介は一応ここまでで止めておきます。
監督リドリー・スコットの暗黒の美学が炸裂した映像が圧巻です。
悪趣味と美をギリギリのラインで融合させたエイリアンや宇宙船のデザインはスイスの画家H・R・ギーガー。
性器などをモチーフとした独特のデザインは有機質と無機質を組み合わせた独自の世界観を構築。
機械である宇宙船を有機的に、生物であるエイリアンを無機的にデザインしたのは何ともお見事です。不気味で仕方が無い。
エイリアンの造形は後のシリーズに登場するものよりもヌメヌメしており、デザインはこの一作目が一番だと思います。
長い頭をゆっくりもたげるシーンなんてゾクゾクします。
このエイリアンヘッドを作り上げたのは、モンスタースーツ(着ぐるみ)の第一人者カルロ・ランバルディ。
ギーガーのデザインを再現した「シャーーーーー!カプッ!」というあの口を作ったのもこの人。
あの口のアップと唇をめくり上げるエイリアンの表情は夢に出てきそう。
成体以外の形態でもインパクトは絶大で、フェイスハガーが顔に張り付いた姿や、胸を突き破って出てくるチェストバスターも印象は強烈です。
メカニカルなコンセプトデザインを担当したのはロン・コッブ。
ジョン・カーペンターの「ダークスター」の宇宙船、「スターウォーズ」のカンティーナのエイリアン、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシン・デロリアン等をデザインした人です。
脚本はこちらもジョン・カーペンターの学友でもあったダン・オバノン。
「ゾンゲリア」の脚本や「バタリアン」の監督、脚本家としても有名ですね。
「エイリアン」シリーズ、「エイリアン2」は銃火器だらけのSF戦闘アクション、「エイリアン3」は刑務所惑星という閉鎖空間で武器も無しに戦うという迷走作品、「エイリアン4」は大人向けダークファンタジー風味と、作品ごとに色が全く違うのが特徴。
でもやはりシリーズ中最高傑作と言えるのはこの1作目だと思います。
「エイリアン2」のように無数のエイリアンが出てくる訳ではなく、たった1匹のエイリアンと戦うのですが、じっくりと戦いを描いたおかげでその恐怖感といったら大変なものです。
SFホラーの最高傑作は間違いなくこの「エイリアン」1作目でしょう。
異性人の中でもこいつが最強!と痛感させられます。
現在は「エイリアン・ディレクターズカット」というバージョンも存在しています。
意識して見比べて見ると細かいシーンが増えたり減ったりしてるのですが、最も大きな変更点が、トム・スケリット演じるダラス船長とハリー・ディーン・スタントンがエイリアンに捕らえられ、壁に貼り付けられているシーン。
「エイリアン2」でも同様のシーンがあり、卵の中のフェイスハガーに襲わせ、幼虫(チェストバスター)のホストとされるという設定でした。
ところがこの1作目の舞台はノストロモ号船内であり、卵も無い、フェイスハガーもいない、エイリアンクイーンも居ない状況。
この状況で船員を捕らえるのにはどういう意味があったのでしょうね???
単なる習性なんでしょうか?意味の無いことに手間を掛けるような頭の悪い生物には見えないんですがね。。。
とうことで、個人的には劇場公開版の方がすっきりと見終われるのでお勧めです。
ちなみにDVDで「ディレクターズカット」を所有していますが、これに「劇場公開版」も収録されています。
これならDVDでも充分!と思わせる高画質も素晴らしいです。
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- 2012/08/28(火) 20:06:31|
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モールス (原題:LET ME IN)
2010年アメリカ映画
監督は「クローバー・フィールド」のマット・リーブス。
監督の言葉を聞くと、正確にはリメイクというよりも別監督による別解釈版とでも言った方が良いようですが、ここでは差別化のためにあえてリメイク版と呼ばせてもらいます。
まず、個人的に2008年のオリジナル版は非常に好きな作品です。
いじめられっ子なうえに両親は離婚して母子家庭の孤独な少年オスカーと、ヴァンパイアとして永遠に孤独に生き続けなければならない少女(…)エリとの純愛映画でした。
スウェーデンの子役なので全く馴染みはありませんが、二人の自然な演技が素晴らしかった。
そしてトーマス・アルフレッドソン監督の沈黙を上手に使った演出は、しんしんと降り積もる雪の音や、雪を踏みしめる足音が聞こえてきそうな寒々しい空気感と寂しさを助長していました。
またホイテ・ヴァン・ホイテマによる映像も時にアーティスティックなほどに美しくて惹きつけられました。
このように大好きな作品のリメイクという事で過大な期待はせず中立を保つように注意しつつ鑑賞しました。
全体的な印象はオリジナル版「ぼくのエリ 200歳の少女」を忠実に再現したリメイクです。
ただ、オスカーはオーウェンに、エリはアビーへと名前が改められました。
少年オーウェンの住むアパートの隣の部屋に越してきた謎の少女。
雪が降り積もった夜の公園にオーウェンが一人佇んでいた時、その少女、アビーが現れた。
しかし、オーウェンの気持ちを見透かしたように、「友達にはなれない」と言い残して離れてゆく。
アビーは俗世間と隔絶されて生き続けるヴァンパイアだった。
だが二人は夜の公園で何度か会ううちに友情を深めていった。
アビーは親子ほどに歳の離れた男と暮らしている。
男はアビーのために殺人を犯し、血液を集めていたが、ミスを犯して追い詰められてしまう。
アビーに危険が及ばぬよう、自らの身元を隠すために隠し持っていた硫酸を自ら顔に浴びて病院に入院する。
男は病院に忍び込んできたアビーに自分の血を与え、絶命する。
独りぼっちになったアビーはオーウェンに寄り添い、二人の間に芽生えた友情は愛情へと変わっていった。
ところが、ある事件をきっかけに、オーウェンはアビーがヴァンパイアである事に気付いてしまう。
一旦は恐れて距離を置くオーウェンだったが、全てを受け入れてアビーを抱きしめた。
ある日、オーウェンはいじめられっ子に囲まれたが、アビーに「殴り返せばいじめられなくなる」と言われた事を思い出し、いじめられっ子を殴って怪我を負わせてしまう。
いじめっ子を撃退したことを喜ぶオーウェンだったが、これがきっかけで後に大変な事態へと発展していく。。。
絵の作り方などはかなり似通っているのでマット・リーブス監督は相当オリジナル版を意識していたのではないでしょうか。
時間軸を前後させたり、崖から転げ落ちる車の車内にカメラを据えて観客に事故を追体験させるような試みは新しいですが、大きく内容を変更した印象はありません。
オリジナルを見た人にとっては目新しさは無い分、ある意味安心して見れます。
主演は、オーウェンにコディ・スミット・マクフィー、アビーにクロエ・グレース・モレッツ。
コディ君は、滅亡した地球をヴィゴ・モーテンセン演じる父親と共に、人食い集団と戦いながら旅する「ザ・ロード」で評価された少年。
クロエちゃんはティーンのアイドルとして大活躍中。リメイク版「キャリー」に主演するようですね。
二人とも芸達者な子役ですので演技はばっちりです。
でも基本的に顔つきがかわいらしいクロエちゃんからはヴァンパイアらしい影は余り感じられず、オリジナルのエリのような悲壮感が無かったのが残念。
かわいいクロエちゃんが見られるのは嬉しいですが、この作品にはちょっとミスキャストだったかも。
この映画、オリジナル版を見ているか否かで評価が変わってくると思います。
「モールス」単体で見れば充分に楽しめます。
ところが、「ぼくのエリ 200歳の少女」を先に見ちゃっていると物凄く物足りない。
忠実なリメイクだと前述しましたが、このリメイク版には重要なものが欠けてるんです。沈黙の間(ま)です。
会話のキャッチボールがテンポ良く行われているのが猛烈に違和感を生み出しているんです。
最近のハリウッド映画は何でもトンッ・トンッ・トンッとリズミカルに物語が進んでいきます。
でもこの作品ではそれをやって欲しくなかった。
オリジナル版と見比べるとえらく忙しない印象なんです。
テンポを良くするために省かれたと思われる、近所のおっさんたちのエピソードも残念。
噛まれてヴァンパイアと化す女性の哀れさも激減です。
あと「モールス」最大の過ちは、アビーの正体をあやふやにした事。
劇中、本人に何度も言わせていますが、あのシーンはどうにかして入れて欲しかった。
「ぼくのエリ 200歳の少女」の日本版DVDでボカシが入れられてファンの大ブーイングが巻き起こったあのシーンです。
あれが無いとこの映画の持つ純粋さが半減してしまうのですよ。
台詞にするだけじゃなくてもっとはっきりと表現して欲しかった。。。
という事で、「モールス」のみを評価すると80点。
でも「ぼくのエリ 200歳の少女」と見比べると30点。
これからどっちを見ようか迷ってるなら「ぼくのエリ 200歳の少女」だけで充分です。
両方とも見るなら先に「モールス」を見ておいた方がいいかもしれない。
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- 2012/08/21(火) 19:14:54|
- モンスター
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呪いのフェイスブック (原題:SATAN FACEBOOK)
2010年インドネシア映画
Facebook中毒の女の子が悪霊に祟られる話だと聞いたので、最近中毒気味の自分に対する戒めの意味で見てみました。
初のインドネシア映画でしたが、耳から入ってくる言語への違和感は思ったほどありませんでした。
ただ、Facebookへ書き込んでいる文字を映す場面はちんぷんかんぷん。
まあ重要な所は字幕がフォローしてくれるので問題はありませんでしたが。
Facebook中毒の女子大生ファラちゃんが主人公。
学校で馬が合わない友人とケンカした夜、そのケンカ相手の友人が自宅でFacebookを見ているとミラという見知らぬ女の子から友達申請が届く。
友達承認後、ミラとチャットでやり取りしていると、ミラがまるで自分の行動を近くで見ているかのような事を書き始めた。
怯えながら振り返るとそこには恐ろしい形相の女の霊が!霊に突き飛ばされ、パソコンのケーブルに絡まった彼女は感電して命を落とす。
ケンカしたまま仲直りせずに殺されてしまった友人の事で胸を痛めるファラちゃんでしたが、その周りではその後も不可解な事故や事件が続きます。
男友達がミラに襲われ大怪我を負い、学校の教授が風呂で溺死、親友のチチは農具が腹部に突き刺さり死亡。
ファラは、ミラの自宅を突き止めて訪ねると、そこには衰弱した老婆が独りで暮らしていた。
老婆はミラの祖母で、結婚直前で破談 になった事を嘆き、ミラは自ら命を絶ったという事を知らされる。
ミラは、ファラが以前Facebookに書き込んだ心無いイタズラが原因で自殺したのだった。
老婆に真実を伝えると、それまで嘆きの表情を浮かべていた老婆の顔は怒りの形相に変わり、ファラに襲いかかってきた。
老婆もミラを亡くした後にその家で孤独死した幽霊だったのだ。
霊を慰めるために埋葬し、一件落着したかと思われたが、再びファラの前にミラが姿を現す。。。
ファラと生前のミラに接点があったというのは些か唐突な展開でした。
そしてミラがファラをどう思っているのかも分かりにくかったです。
恨んでいるのなら何故執拗に襲わなかったのか。
ファラのイタズラに気づいていないのなら何故ファラの周囲に出現したのか。
もう少し説明があっても良かったかもしれません。
また映像は独特な黒が強い色調のため、暗いシーンでは登場人物の表情などが見づらい所が少々がありました。
ただその漆黒の中から青白い悪霊が飛び出してくるあたりはなかなかの迫力です!
話の展開は近年の日本製ホラー映画の影響を強く感じます。
「着信アリ」の携帯電話の役目がこの作品ではノートパソコン+Facebookになっているようなイメージです。
日本人にとって目新しさはありませんが、とても馴染み深い作りなので誰にでも見やすいのではないでしょうか。
ゴアシーンは控えめ…というかほぼありません。
幽霊の特殊メイクはそれなりに凝っていて、末期のリーガン(リンダ・ブレア)を思い出させるものでした。
グロやゴアに頼らず、小道具や強い怨念によって恐怖を演出しているあたりも日本のホラー映画のようです。
死ぬほど怖いという訳ではありませんがFacebookをやってる人ならそれなりに楽しめると思います。
Facebook+ホラーなんていかにもアメリカがリメイクしたがりそうなネタですけどやらないのかな?
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テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画
- 2012/08/03(金) 16:20:36|
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イベント・ホライゾン (原題:EVENT HORIZON)
1997年アメリカ映画
珍しい宇宙を舞台にしたオカルト映画の佳作です。
監督は後に「バイオハザード」などでヒットメーカーの仲間入りを果たすポール・W・S・アンダーソン。
宇宙を航行中に消息を絶ったイベント・ホライゾン号が、その7年後に突如海王星付近に現れた。
ローレンス・フィッシュバーン演じる隊長をはじめとする救助隊が組織され、イベント・ホライゾンを設計したウェアー博士(サム・ニール)と共に救助へ向かう。
船内からは生体反応がなく、乗り込むと船員たちの無残な死体が転がり、何か異常な状況が発生した事が伺えた。
しかし船には大きな損傷もなく、ウェアー博士が設計したコアと呼ばれる装置も稼動していた。
コアは人工的にブラックホールを作り出し、その中を通過する事で地点間移動=ワープを可能とする装置である。
船の中でウェアー博士は死んだ妻の幻影に悩まされるようになる。
また不可解な事件が次々と発生して救助隊員たちが犠牲になっていく。
隊員たちがイベント・ ホライゾンから逃げ出そうとした時、何かに取り憑かれたウェアー博士は救助船に爆薬を設置。
そしてイベント・ホライゾンについて衝撃の事実を明かす。
7年前の航海中にワープを試みたところ、時空の狭間から地獄へと入り込んでしまった。
そこでイベント・ホライゾン自体が生命を得て、魂を集めるために舞い戻って来たのだと言う。
そして、イベント・ホライゾン(=悪魔)の手先となったウェアー博士は恐ろしい姿に変身し、隊長達に襲いかかる!
ネットを見ていると賛否両論なのがこの作品。
まあどこかで見たことがあるような設定やシーンも確かにあるし、盛り上がりきらない部分があるのも事実。
でも 地獄で命を得た宇宙船の中で展開するオカルト映画なんて堪らないです!
しかも周りには何もない(空気すらない)宇宙の果て。
こんな絶望的な状況、ホラー映画マニアとしては最高のシチュエーションではありませんか!
合間、合間に挟まれるおぞましい映像は地獄をイメージさせるに十分な残酷さ。
最後のサム・ニールの姿も夢に出そうです。
まだまだ当時は駆け出し監督だったポール・W・S・アンダーソンの作品なのに、出演者は信じられないくらい豪華。
「ジュラシックパーク」のサム・ニール、「マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーン、「パトリオット」のジョエリー・リチャードソン、「トワイライトゾーン」「ヒルズ・ハブ・アイズ」のキャスリーン・クインラン、「ハリーポッター」シリーズのジェイソン・アイザックスなど。
最近じゃ忙しないアクションが売りのポール・W・S・アンダーソン監督ですが、「イベント・ホライゾン」は雰囲気のあるオカルト映画ですので、ホラー映画ファンの方は是非お試しください♪
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テーマ:SF映画 - ジャンル:映画
- 2012/08/03(金) 16:16:18|
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ローズマリーの赤ちゃん (原題:ROSEMARY'S BABY)
1968年アメリカ映画
若い夫婦ガイとローズマリーがニューヨークのアパートへ引っ越してくる。
隣人は異常なまでに親切な老夫婦である。
ローズマリーとガイは赤ちゃんの妊娠を待ち望んでいた。
ある夜、老夫婦からもらったデザートを食べたローズマリーは気分が悪くなり寝込んでしまった。
その夜、悪魔に犯される悪夢を見る。
そしてし ばらくすると妊娠した事が発覚する。
子供はガイとの子供なのか?それとも…。
その頃から住人たちの親切さがエスカレート。
住民たちの異常さに気付いたローズマリーはガイに相談するもまともに取り合ってくれない。
徐々に衰弱してゆくローズマリーを心配した友人は調査してくれたが、突然の病気で亡くなってしまう。
しかしその友人が残してくれた悪魔に関する書物を読むうちに、アパートの住人が悪魔崇拝者である事に気付く。
臨月を迎えたローズマリーは赤ちゃんを産むが、周囲からは死産だったと聞かされる。
しかし、アパートのどこかから赤ちゃんの泣き声が聞こえる事に気付いたローズマリーは、その声の元へ向かう。
そこには。。。
奇才ロマン・ポランスキー監督の名作ホラー。
登場人物みんなが胡散臭くて誰を信じればいいか分からないというローズマリーの孤独感が痛いくらいに伝わってきます。
見るからに幸薄そうなミア・ファローが本当にかわいそう。
昔見た時は気づかなかったけど、最近見直したら旦那役がジョン・カサベテスだという事に気付きました。
この人もインディーズ映画界の天才監督ですね。
しかしポランスキー監督の波乱の人生はすごいですね。
奥さんの女優シャロン・テートとお腹の赤ちゃんをチャールズ・マンソン一味に惨殺され、
その後子供への淫行容疑で有罪になりアメリカから逃亡。
世界中を転々としながら「戦場のピアニスト」でアカデミー賞を取ったりと、完全に普通じゃない人生です。
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- 2012/08/03(金) 16:13:41|
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エミリー・ローズ (原題:THE EXORCISM OF EMILY ROSE)
2005年アメリカ映画
実話ベースという触れ込みのオカルト映画です。
タイトルにもなっている女子大生、エミリー・ローズという少女に悪魔が取り付くのですが、彼女が亡くなった所から物語は始まります。
エミリーの死因は、食事が摂れなかった事で、自傷行為による無数の傷が治癒できずに衰弱した事が原因。
その死の責任を追及されるのが、彼女が信頼を寄せていたムーア神父。
逮捕され裁判にかけられる事になりますが、その弁護を引き受けるのが敏腕女性弁護士エリン。
エリンはムーア神父、エミリーの家族、彼氏などに聴取する過程で、エミリーの身に起こっていた想像を超えた真実を炙り出してゆく。
ムーア神父の裁判の中で、悪魔憑きの真実が明かされていくというストーリーです。
オカルトと法廷ドラマを掛け合わせたような作りですが、ドラマがしっかり描かれているので見応えがあります。
ラスト、法廷で悪魔祓いの儀式が明らかにされます。
以下、ネタバレを含みますので未見の方はご注意を。
何とエミリー・ローズに取り憑いていた悪魔は1体ではなかったのです。
ルシファーやレギオンなんていう悪魔界のスーパースターのほか、ユダなどに取り憑いて歴史を引っ掻き回してきた悪魔達が合計6体!
結局悪魔祓いは失敗に終わり、気を失ったエミリーはベッドへと寝かされます。
夢の中でエミリーは聖母マリアに出会い、望むなら今すぐ天国へ連れて行くが、地上に残り身をもって悪魔の存在を世界に知らしめる選択肢がある事も告げる。
それを聞いたエミリーは笑みを浮かべながら、地上に残り、悪魔と戦いながら最後のときを迎える事を選択する。
こうして悪魔に体を蝕まれていったエミリーは徐々に衰弱し、最後は命まで奪われてしまったのだった。
この作品、エミリー・ローズ役のジェニファー・カーペンターで持ってるような映画です。
まだ若いのに凄まじい演技を見せてくれます。
その迫真の演技は特殊メイク要らず。最早顔芸の領域です。
映画の内容が内容だけに、「エクソシスト」のリンダ・ブレアと重ね合わせて見てしまいますが、なかなかいい勝負じゃないでしょうか。
信心深い少女に悪魔が憑くというのは、きっとクリスチャンの方々には衝撃的なんでしょうね。
ゴアシーンや直接的な悪魔の描写はありませんが、エミリー・ローズが見る幻覚が不気味過ぎ。夢に出そうです…
(ちなみにベースとなった実際の事件はwikiに載ってます。)
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- 2012/08/03(金) 16:09:20|
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ペットセメタリー (原題: PET SEMATARY)
1989年アメリカ映画
スティーブン・キングの小説を、女流監督メアリー・ランバートが撮った非常に悲しいホラー。
脚本はキング自身が担当。
新しい家に引っ越してきた夫婦と幼い娘と息子。
越してきてすぐ、家の前の道路を往来する大型トラックに飼い猫がはねられて死んでしまう。
自宅のそばで見つけたペット専用墓地に飼い猫を埋葬すると、しばらくして生き返り家に戻ってきた。
しかし凶暴な性格となり、以前とは様子が違うことに気付く父親。
そして数日後、今度は幼い息子ゲイジがトラックにはねられてこの世を去ってしまう。
悲嘆する父親は、息子の遺体をペットの墓地に埋葬する。
しかしそれがさらなる悲劇を呼ぶことになる。。。
ゲイジ、かわいすぎるし、かわいそうすぎる。パパが埋めちゃう気持ちもよく分かります。
たとえ昔のゲイジと違うと分かっていても、あんなわかいい子に抵抗できないわ。
映画史上最もかわいい殺人者ですね。
「ペットセメタリー」の上手いところは、恐怖と悲しみを上手く融合させている点。
この繊細さは女流監督だからこそなんでしょうか。
救いが無さ過ぎて見るたびに凹みますねぇ。。。でもまた見ちゃうんですが。
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- 2012/08/03(金) 16:06:04|
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デビルスピーク (原題:EVIL SPEAK)
1981年アメリカ映画
<ドイツ版予告編>
名監督ロン・ハワードの実弟、クリント・ハワードがいじめられっ子を演じたホラー。
デ・パルマの「キャリー」からの影響をもろに感じる作品です。
世間では地味な扱いをされていますが、80年代を代表するB級ホラーの佳作だと思います。
とろくて間抜けな主人公が、パソコンで悪魔教の古文書を解読し、悪魔の力を得ていじめっ子たちに復讐していきます。
巨大な刀で首をぶった切ったかと思えば、裸の女性を豚に食い殺させたりといった陰湿さも披露。
(豚に食われるのは嫌ですね。だって豚のウ○チになる訳ですもんね。ヤダヤダ。)
あと、心臓を素手で抉り出したりといった残酷なシーンもあります。
オープニングから美女の斬首で始まり、ラストでは大斬首大会。
特殊メイクは仕掛けが派手なので、俳優さんにメイクするよりもダミーを使用したシーンが多いです。
場面によっては生気が感じられないダミーさんも登場しますが、豪快な残酷シーンが多いので見てて爽快感(?)があります。
面白いのは、大昔に葬り去られた悪魔教を、文明の利器であるパソコンを駆使して現代に蘇らすところ。
今となっては古めかしいパソコンが登場しますが、この作品の中で重要な役割を果たしています。
大昔にテレビ放送を録画したビデオを持っていましたが、それを紛失してから数十年、一度も見る機会がありません。
そろそろDVDが発売されないかなあ。。。と思ってたら出た!!!
。。。と喜んでたらBlue-Rayまで発売!!!
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- 2012/08/03(金) 16:04:03|
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コールドルーム (原題:THE COLD ROOM)
1983年イギリス映画
ドイツを訪れたヒロインがたまたま宿泊したホテルの部屋で、家具の後ろに隠し扉を発見する。
そのホテルは2次大戦中、肉屋だった建物で、その隠し部屋は肉屋の冷蔵庫だった。
ヒロインはその冷蔵庫部屋の中に隠れたユダヤ人の男と出会う。。。
時間を超えて肉屋の娘となり、ナチスの迫害を逃れて冷蔵庫に隠れた男との恋を擬似体験するという話です。
ファンタジーというほど幻想的でもなく、独特の暗さもあるので個人的にはオカルト映画として捉えているのですがいかがものでしょう?
この作品、派手でもなく淡々と進んでいくお話なのですが、とても印象的な作品でもあります。
また主演の美人女優アマンダ・ペイズがいいんですよ。 一時期まじめに惚れてましたもん。
その寂しげな表情がより切ない気分にさせてくれます。
DVD発売してくれないかなあ。
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- 2012/08/03(金) 16:00:55|
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エンゼルハート (原題:ANGEL HEART)
1987年アメリカ映画
ルイス・サイファーという紳士から、人探しを依頼されたミッキー・ローク演じる私立探偵ハリー・エンゼル。
探すのは失踪した歌手、ジョニー。
ジョニーの痕跡を追って南部の町に辿り着き、そこでジョニーの関係者を探すのだが、ハリーが近寄ると皆、次々と惨殺されてしまう。
犯人は誰なのか?ジョニーとは何者なのか?
ハードボイルドタッチのオカルト映画です。
南部のジメッとした気候に、陰のある人々、随所に挿入されるイメージカット、どす黒い血にまみれて息絶える被害者たち。
作品全体を包み込む重たい空気が凄い。
ルイス・サイファーを演じるのはロバート・デ・ニーロ。
役名を聞けば何となく正体が分かると思いますが、その存在感もまた強烈です。
ラストのオチはかなりヘビーでした。
オチを書かないとこの映画を説明できないので書いちゃいますよ。。。
ジョニーは悪魔に魂を売り渡すかわりに歌手としての成功を手に入れます。
しかし後になって悪魔との契約を後悔し、悪魔から逃げることを画策。
そこでニューヨークで見つけた若い帰還兵を部屋に連れ込み、悪魔の儀式によって彼の心臓を食い、身分と記憶を奪ってしまいます。
この心臓を奪われた兵士というのが、実はミッキー・ローク演じるハリーだった訳です。
つまりハリーの体は歌手ジョニーのものであり、その体の奥底にはジョニーの人格が隠されています。
ハリーの意識はジョニーの体に取り込まれて生き続けていて、ジョニー本来の意識と記憶は封印している。
人格が入れ替わったことで外見も変化し、以前のジョニーを知っていた人々も、ハリーがジョニーだと見破れなかった。
こうして身も心もハリーになりきったジョニーでしたが、悪魔ルイ・サイファーを欺く事はできなかったんですね。
自分をすっかりハリーと信じ込んでいるジョニーにあえて自分探しさせるなんて、さすが悪魔。意地悪すぎます(笑)
こうして自分の正体を知ってしまったハリーは、ジョニーが結んだ悪魔との契約のために地獄へ堕ちていく…という事なんですね。
「エンゼルハート」は私が過去に見た映画の中で最もダークでヘビーなホラー映画です。
見てはいけないものを見てしまったような後ろめたさを感じるほど。
現実世界に悪魔という存在を持ってきたところに猛烈なリアリティがあります。
監督はアラン・パーカー。
この職人監督の映像に対する拘りは半端じゃありません。
地獄へ堕ちるエレベーターをはじめ、映像がとにかく美しい。
また一つ一つのカット全てに意味が込められており、見れば見るほどに発見があります。
ラストはミッキー・ロークと共に、恐怖と絶望に号泣してください。。。
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- 2012/08/03(金) 15:58:07|
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エンティティー/霊体 (原題: THE ENTITY)
1982年アメリカ映画
これはオカルト映画の中でもかなり異質な作品。
女性をレイプする霊のお話。
「んなアホな!」と思ったら何と事実を元にしているらしいです。
スケベな霊というところが他のオカルト映画とは一線を画しますが、結局最後は悪魔祓いの儀式になって「エクソシスト」的結末です。
姿の見えない霊が、バーバラ・ハーシーの体をモミモミする映像がいやらしいです。
エロねたを書き過ぎると要らない一面まで見せてしまいそうなので、サラッと流す事にします。。。
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- 2012/08/03(金) 15:55:44|
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13ゴースト (原題:THIR13EN GHOSTS)
2001年アメリカ映画
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の監督ロバート・ゼメキスと、「ダイハード」などの大作を手がけてきたプロデューサー、ジョエル・シルバーが設立したホラー映画専門プロダクション「ダークキャッスルエンターテイメント」の2作目。
監督はこの後に同じくダークキャッスルで「ゴーストシップ」も撮るスティーブ・ペック。
1960年の同名作品のリメイクだそうですがそちらは未見です。
叔父が死んだことで豪邸を相続する事になったファミリーが、このガラス張りの幻想的な屋敷に閉じ込められ、中に巣食う12人の幽霊と戦うというお話。
…と ストーリーを見るとお化け屋敷物っぽいですが、色々な仕掛けが隠され、内部がガラスで仕切られた迷路になっている建物でドタバタする展開なので、古典的なおどろおどろしい雰囲気はありません。
登場するゴーストたちは皆個性的なデザインでそれぞれ面白い姿をしています。
姿はちょっとヘルレイザーの魔導士をイメージさせたりもしますが、決定的に違うのはゴーストたちが怖くないところ。
面白い姿ではあるものの、物語上、重要な役割を果たすわけでもなく、ただ出てくるだけなのが惜しい。
グロいシーンもありますが、話自体が怖くないんですよねえ。
ホラーというよりもダークファンタジーといった印象です。
中高生が友達とワー!キャー!言って見るのにちょうどいいような軽い感じ…と思いました。
大人が夜中に真面目に怖がって見れる映画ではないです。
まあその辺はロバート・ゼメキスっぽいテイストですね。
一人でトイレに行けなくなるようなホラーは嫌だけど、ちょっとだけ怖いもの見たさもある…という人にはオススメです。
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- 2012/08/03(金) 15:53:35|
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ファイナルデスティネーション
(原題:FINAL DESTINATION)
2000年アメリカ映画パリへの修学旅行を翌日に控えた高校生は、自分達の乗る飛行機が空中で爆発する夢を見る。
不吉な思いに駆られながらも翌日空港へ向かい、同級生達と飛行機へ乗り込む。
しかし、飛行機内の光景、起こる出来事が夢で見たのと全く同じである事に気付き、離陸直後に爆発する!と叫びながら慌てて飛行機から降りる。
その騒ぎの巻き添えを食った数名の仲間たちも飛行機から降ろされ、共に同級生たちを載せて離陸していく機体を見送る。
無事に離陸したかに思えた次の瞬間!強力な爆風と共に飛行機は爆発してしまう。。。
無事に助かった数名と日常生活に戻っていくが、残ったメンバーが一人また一人と悲惨な死を遂げていく。
彼らは本来、あの飛行機事故で死ぬ運命だった。
事故は免れたものの、死神は諦めていなかったのだ。。。
虫の知らせでたまたま助かってしまった高校生達が、自分の運命と戦うというアイデアが斬新です。
実体のあるモンスターや存在感のある霊が敵なら戦いようがありますが、突然襲い掛かるアクシデントと対峙するというのはなかなか怖いです。
ちょっと油断すると、バスが突っ込んできたり、金属片が飛んできたり、上から看板が降って来たり…。
普通に会話してるシーンだからと油断して見てると突然惨劇が始まったりして、見てる方も気を抜けません。
余リに突然で、いい年こいたおっさんでも「キャッ!」なんて声が出ちゃう事うけあい。
とりあえずオカルト映画のジャンルに入れてみましたが、「ファイナル・デスティネーション」のジャンルは何なんだろう?
ちなみにこの作品がヒットしたおかげで、このあと続編がたくさん作られました。
新作が作られるごとに残忍で派手な死に方になっていきますが、インパクトの強さはダントツでこの1作目が強烈ですね。
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- 2012/08/03(金) 15:50:44|
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シックスセンス (原題:THE SIXTH SENSE)
1999年アメリカ映画
初めて見たとき、M・ナイト・シャマラン監督の上手さに驚きました。
まさかそんなオチだったとは。。。(アザーズの感想と被ってるのは・・・)
元患者に撃たれ死の淵を彷徨った精神科医ブルース・ウイリス。犯人はその後自殺してしまう。
患者を救えなかった事を後悔する彼の前に、死んだ元患者に似た少年が現れる。
死者が見えるという第六感を持ったその少年を救うために行動を共にするのだが。。。
見る度に分かりきっていながらも意外なオチに驚き、少年と母親の物語に涙します。
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- 2012/08/03(金) 15:47:34|
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クリスティーン (原題:CHRISTINE)
1984年アメリカ・ポーランド合作
スティーブン・キング原作、ジョン・カーペンター監督の殺人自動車のお話。
冴えないいじめられっ子の高校生が、町で偶然見かけたポンコツの1958年型プリマス・フューリー。
これをオーナーから買い取り、自らレストアを始める。
しかしこのクルマを手に入れた頃から彼の性格に変化が表れる。。。
クリスティーンとは主人公が溺愛する愛車に付けた愛称。
特長的なアルミ装飾が美しいこのクリスティーンちゃんですが、プリマスの工場で製造されている過程から女性の意思を持っており、組立工のおっさんが車内に咥えタバコの灰を落としただけ殺してしまうビッチぶり。
そんな悪女に手玉に取られ、オーナーの少年はすっかり自分を見失っちゃいます。
だらしないダーリンなのにクリスティーンちゃんの愛は固く、少年に言い寄る彼女が現れるとジェラシー丸出しで殺しに行きます。
またプライドも高く、いじめっ子達が自分を傷つければ出向いていって復讐してきます。
最後は、少年を心配した親友の手によりスクラップにされてしまいますが、それでも死なないクリスティーンの執念が素晴らしい。
ちなみにクリスティーンちゃんには自己再生能力があり、破壊されても凹んだボディを自分で直すことができます。
フィルムの逆回しであたかも修復しているように見せているだけなのですが、ダーリンの前で生まれ変わった自慢のボディを見せ付けるかのように修復するシーンは妙に艶かしいです。
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- 2012/08/03(金) 15:44:06|
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ザ・カー (原題:THE CAR)
1977年アメリカ映画
そのタイトルの通り、クルマが人を轢き殺しまくるお話。
クルマが人を襲う作品は多いですが、その中でも一番好きな作品です。
艶消し黒の巨大なボディを持った2ドアセダンが突如荒野に現れ、無差別に人を轢き殺していく。
これを追うのがジェームズ・ブローリン演じる保安官。
仲間の警官や家族も襲われ、最後は決死の戦いを挑みます。
この犯人のクルマが相当不気味。
車内からの視点映像が多用されるのですが、保安官がドアを開けると車内は無人。
姿の見えない何者かが運転しているわけです。
さらに恐怖を倍増するのがクラクションの音。 一度聞いたら耳から離れませんよ。
外観は当時のリンカーンをベースに、カスタムカーの大御所バリスが制作したというオリジナルデザイン。
極悪な表情のフロントマスクで、夜道で後ろから迫られた日には号泣しそうです。。。
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- 2012/08/03(金) 15:41:31|
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ゴースト・血のシャワー (原題:DEATH SHIP)
1980年アメリカ映画
地味なB級作品であるものの、個人的にとても強い印象が残るオカルト映画。
子供の頃にテレビで見てトラウマになり、DVDが発売されて速攻で買って見直しましたが、今見ても小道具や船がいい雰囲気を作り出してます。
航海中の客船が船と衝突する。
客船は衝突により沈没するが、助かった船長を初めとする数名の乗客たちは相手の黒い船に乗り移る。
しかしこの船に人気は無い。
船内を探索してみると、山積みにされた多数の金歯や、器具に吊るされた遺体が見つかる。
何とこの船、ナチスの拷問船だったのである。
殺害された人々の怨念か、またはナチスの怨霊の仕業か、船内では超常現象が頻発する。
シャワーのコックを捻れば血が噴き出し、船内にあったキャンディを食べた女性は顔が崩壊し始める。
ジョージ・ケネディ演じる船長はナチス将校の霊に取り憑かれて乗客を襲い始め、船自身も意思を持っているかのように人を襲いだす。
このように設定やストーリーはいいんですが、注意しないといけないのは脚本と演出の酷さ。
まず問題なのは登場人物たち。こんな不気味な船に乗り込んでおいて緊張感の無いこと甚だしい。
船の乗員も探さずにいきなり娯楽室で映画を見始めますからね。どんな神経だよ。
その後も映写室で起こる超常現象が笑いを誘ってくれます。
引っくり返してもフィルムを引っこ抜いてもスクリーンにプロパガンダ映像を映し続ける映写機に、スクリーンを破いても破いても裏から次々と新しいスクリーンが登場するシーンなんてコメディ映画のワンシーンみたい。
こうして止める事のできないプロパガンダ映像に頭を抱えていると、映写室から一瞬で甲板上に場面が移動して死体だらけのプールに飛び込んだり、何の脈絡も無くいきなりジョージ・ケネディが刺されたりと、かなり前衛的な展開を見せます。。。
そんなB級丸出しのおかしな所も含めて好きなんだよなぁ。これが。
日本公開されたとはいえ、その後話題になる事も無くこのまま葬り去られると思ったこの作品がDVDで発売されたときは嬉しかったですね~。
画質はB級ホラーですから望めませんが、DVD化されただけでも奇跡といえるかも。
しかし、「ゴースト/血のシャワー」っていう邦題は糞ですね。この作品の内容が全く分からない。
確かに血のシャワーは強烈なインパクトを残すシーンではありますが、あくまでも怪現象の一つ。
また幽霊が姿を現す訳でもなく、見えない力が働くところが怖いのでゴーストっていうのも違和感があります。
原題通り「デス・シップ」でよかったと思うんだけど。
ちなみに、死体だらけのプールに落ちるシーン、見る度に身悶えしちゃうくらいキモイです。
ありゃ誰だって泣きわめくわ。
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- 2012/08/03(金) 15:35:57|
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サスペリア (原題:SUSPIRIA)
1977年イタリア映画
イタリアの鬼才ダリオ・アルジェントの傑作オカルト映画…というのは世間一般的な評し方で、イタリア映画ファン的には「傑作ジャーロ」と言うべきですね。
後の「インフェルノ」「サスペリア・テルザ」へと繋がる魔女三部作の記念すべき一作目になります。
日本で公開された「サスペリアPART2」はこの作品の続編ではありません。
「サスペリア」の前年に制作され日本未公開のままだった「PROFONDOROSSO」という作品を、「サスペリア」のヒットにあやかって続編のごとき邦題を冠して公開したという裏があります。
だから「サスペリア」の続編を見たい人は、「インフェルノ」を見ましょうね。
名門バレエ学校に入学するためドイツにやってきたアメリカ人の少女スージー。
空港からタクシーで学校を訪れると、雷雨の中、一人の少女が何かを叫びながら飛び出し、林の中へ消えていった。
翌日、ロープで吊られた少女の刺殺体と、巻き添えになった女性の遺体が発見される。
スージーは校舎内の寮に住むはずだったが、仲良くなった女子生徒の部屋に転がり込み、同居を始めた。
バレエのレッスンが始まるが、学校内で働く中年女性が持つクリスタルから発せられた怪しい光を浴びたスージーは、体調を崩して倒れてしまう。
寮のベッドで意識を取り戻すと、友人の部屋にあったはずの荷物が全て運び込まれ、教師たちから寮で暮らすよう強制される。
こうしてバレエ学校での生活が始まったが、学校の周辺では異常な事件が相次ぐ。
屋根裏で発生したうじ虫の大群が天井から女生徒たちの頭部に降り注ぎ、学校をクビになった盲目のピアニストが自分の盲導犬に噛み殺された。
そんな不審な事件が相次ぐ中、スージーは殺された少女の親友だったサラと仲良くなる
少女から聞いた学校の秘密を打ち明けようとしたサラだったが、スージーが睡眠薬で眠らされた隙に何者かに殺されてしまう。
翌朝、姿を消したサラを不審に思ったスージーは、サラが相談していた精神科医フランクを訪ねる。
彼からバレエ学校を設立したのが魔女エレナ・マルコスであり、その死後オカルト崇拝は影を潜めて現代に至っている事を知らされた。
学校へ戻ったスージーは、学校の秘密を暴くべく、校長室へと忍び込む。。。
まずのっけから執拗にナイフでブスブスと刺された後、首にケーブルを巻かれて天井のステンドグラスを突き破って落下する少女の殺害シーンが強烈です。
その巻き添えになる友人の女性も割れたステンドグラスに顔面を真っ二つにされて絶命します。
盲目のピアニストが盲導犬に噛み殺されるシーンはゴア描写こそ弱めですが、その酷さと背徳感は並じゃありません。
学校内で追い詰められるサラもサディスティックに虐められ、積み上げられた針金の山に体の自由を奪われた挙句にカミソリで喉を掻き切られてしまいます。
この肌を切り裂くカミソリの描写が妙に生々しくて嫌なんですよね。
映像はアルジェントのセンス炸裂です!
奇抜なカメラワークは控え目ですが、何気なく差し込まれる映像が不安を煽り、非常に効果的。
語り草となっている原色を大胆に取り入れた照明効果も強烈な印象を残します。
音楽はお約束のゴブリンに加えてアルジェント自身も参加。
前年に製作された「サスペリアPART2」(ややこしい…)とは打って変ってそのサウンドが前面に出まくり!
楽器を掻き鳴らしたノイズのようなサウンドが不安と嫌悪感をこれ以上ないくらいに掻き立てます!
不快さと美しい旋律を掻き雑ぜたような音楽は映画史に残る傑作と言って良いと思います。
「サスペリア」は、極限の恐ろしさ、残酷さ、美しさが合わさった結果生まれた、高い娯楽性を備えた芸術的作品です。
イタリアンホラーという括りの中だけでは評価しきれない傑作だと思います。必見です!
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- 2012/08/03(金) 15:28:08|
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ザ・フォッグ (原題:THE FOG)
1980年アメリカ映画
ジョン・カーペンター監督の霧を題材にした幽霊もの。
きれいにまとめた正統派怪奇映画といった趣ですが、迫り来る霧の恐怖の描き方など、奇才の才能がいかんなく発揮されています。
港町アントニオベイでは、街の生誕100周年を祝う準備が進められていた。
しかしその頃から沖合いより不気味に光る霧が押し寄せてくる。
この霧の中には亡霊が潜んでおり、霧に包まれた者は襲われてしまう。
亡霊たちの目的は何なのか。。。
100年前にアントニオベイを設立した先祖達は、富豪の乗る船を霧の海上で座礁させて殺し、その財産を奪って街を作り上げたのでした。
富豪たちは亡霊となり、末裔たちに復讐するために海から帰ってきたのです。
主演は当時のカーペンター監督夫人であり、「クリープショー」などにも出ていたエイドリアン・バーボー。
霧から息子を守る為に頑張るDJ役です。
謎解きに奔走するのが名脇役トム・アトキンス(「クリープショー」でわら人形の餌食になる親父)と、「ハロウィン」に続いて出演のジェイミー・リー・カーティス。
ちなみにジェイミー・リー・カーティスの実の母で、「サイコ」で有名なジャネット・リーも出演しています。
絶叫クイーンの親子競演というのが楽しいですね。
スタッフでは、カーペンターは今回も監督業の他に音楽も担当。
いかにもカーペンター映画らしい雰囲気を作り出しています。
編集やプロダクションデザインはカーペンター一家の一員、トミー・リー・ウォレス。
後にスティーブン・キング「It」のテレビシリーズや、シリーズ物ホラーの続編を監督したりする人ですね。
特殊メイクは「遊星からの物体X」「ハウリング」などのロブ・ボッティン。
「ザ・フォッグ」では派手な特殊メイクはありませんが、幽霊のリーダー「ブレイク」も演じて大活躍しています。
エンドクレジットでは、役名にカーペンター監督と縁のある人の名前が使われている事に気付きます。
例えば前述のトミー・(リー・)ウォレスや、カーペンターの旧友であり「エイリアン」「ゾンゲリア」等の脚本や「バタリアン」の監督と脚本でも知られるダン・オバノンなど。
楽しみながら映画作りをしている感じが伝わってきますね。
小学生の頃、土曜日に学校から帰ってくると、昼過ぎの90分枠の洋画番組でよく放送してましたね。
神秘的な霧に亡霊伝説を絡めたストーリーはとても雰囲気があります。
ジョン・カーペンターとしては珍しい古典的なオカルトですが、よくまとまった作品で気に入っています。
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- 2012/08/03(金) 15:20:53|
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家 (原題:BURNT OFFERINGS)
1976年アメリカ映画
「ヘルハウス」や「悪魔の棲む家」といった有名作品の陰に隠れたお化け屋敷ものの佳作です。
ひと夏の間、古い豪邸の管理を請け負った家族。
優雅な暮らしに浮かれていたものの、身の回りに少しずつ異変が起こる。。。
薄気味悪い笑みを浮かべた霊柩車の運転手、姿を見せない老婆、飾られたたくさんの写真、少しずつおかしくなっていく一家。
見ているこちらの不安を煽るのが上手いです。
でもこの作品の本当の怖さは、家そのものの存在。
死者が出るたびに家が美しくなっていくんです。
犠牲者の命と引き換えに、邸内の枯れてた草木が甦って花を付け、痛んだ外壁が剥がれた下から美しい壁が現れる。
そしてエンディング、老婆の部屋にズラッと並んだ写真の中に、家の犠牲となった一家の写真が加えられた。。。
一家の夫婦を演じたのは、70年代を代表する俳優であるオリバー・リード、カレン・ブラック。
彼らの演技は現代の感覚からするとコミカルにさえ感じてしまう大袈裟なもの。
オリバー・リードのどことなくコミカルな風貌もそれを加速させているような。。。
そういうノリも70年代の映画らしい雰囲気を醸し出していますね。
その二人加え、大女優ベティ・デイビスが一家の伯母役で出演。
寂しげにすすり泣く彼女の存在感には圧倒されます。
オカルト映画ブームに乗ったメジャースタジオ作品でありながら地味な印象の一本ですが、オカルトを語る上では外せない作品です。
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- 2012/08/03(金) 15:16:17|
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ヘルハウス (原題:THE LEGEND OF HELL HOUSE)
1973年アメリカ映画
怪奇現象が起こるといわれるベラスコ邸の調査にやってきた一団を襲う恐怖。。。
お化け屋敷ホラーでは間違いなく最高傑作だと思います。
監督のジョン・ハフは「ヘルハウス」と同年に傑作カーアクション「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」を製作しています。
大掛かりな仕掛けはなくても、しっかりした人間ドラマを描写することで観客を引き付ける監督です。
原作と脚本は「激突!」「トワイライトゾーン」「アイ・アム・レジェンド」などを手掛けたリチャード・マシスン。
このゴールデンコンビでこの「ヘルハウス」がつまらない訳がありません。
幽霊屋敷として恐れられ、調査の度に大勢が命を落としているベラスコ邸。
その調査の為、また数組の科学者と霊能者がヘルハウスと呼ばれるその館へに泊り込む事になる。
メンバーは、心霊現象を消し去る機械を持ち込んだ科学者のバレット博士とその妻、前回の調査で唯一の生き残りであるフィッシャー、若く純真な女性霊能者タナー。
ヘルハウスの家主であるベラスコ氏は、数十人の惨殺遺体を館に残し、ある日忽然と姿を消した。
このベラスコというおっちゃんがとんでもない曲者。
幾多の激しく歪んだ性癖を持ち、身長2mの巨人と言われていた。
しかも息子を鎖で繋いだまま監禁し、死なせたという事実も判明する。
そして霊能者タナーの寝室に、ベラスコの息子の霊が現れる。
体を求められたタナーは、浮かばれない息子を成仏させるために受け入れてやる。
バレット博士の機械が作動するという時、タナーは息子の霊に危険を知らせるため、屋敷内に設置された礼拝堂に駆け込む。
ところが、屋敷内に息子の霊は居なかった。
タナーが体を受け入れたのは、息子のフリをしたベラスコ自身だったのだ。
その時、倒れてきた巨大な像がタナーの下半身を押し潰し、絶命してしまう。
バレット夫妻とフィッシャーは博士の徐霊マシンを作動させ、霊の消し去ろうと試みる。
一度は消え失せたかに見えたベラスコの霊だったが、再び現れ、バレット博士の下半身をシャンデリアで潰して殺してしまう。
そんな被害者の死に様を見てフィッシャーはベラスコに問いかける。
下半身を執拗に狙うベラスコは、足にコンプレックスを抱える小さい男だと見抜いたのだ。
真実を知られ、力が弱まるベラスコの霊。
そして礼拝堂の奥にある隠し部屋には、ベラスコの遺体が隠されるように座っていた。
小さい体を偽装するため、足は切断され、長い義足が装着されていたのだった。
派手な仕掛けはないのにグイグイ引き込まれます。
ジョン・ハフ監督、本当に上手いです。
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- 2012/08/03(金) 15:09:54|
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ザ・キープ (原題:THE KEEP)
1983年アメリカ映画
ルーマニアの城塞(キープ)にナチスドイツの舞台がやってきた。
その城塞の壁には無数のシルバーの十字架が埋め込まれていた。
欲に駆られた若い兵士が壁にはめられた十字架を外すと、その奥には広大な洞窟のような空間が広がっていた。
その時、洞窟の奥から何かが襲い掛かり、兵士の上半身を引き裂いて去って行った。
その城塞は邪悪な存在を封じ込めておくための物だったのだ。
十字架が外された事で封印を解かれ、邪悪な何かを甦らせてしまった。
出演者には、邪悪な存在と対峙するグレーケンに「羊たちの沈黙」等のスコット・グレン、ナチスの将校役が「Uボート」のユルゲン・プロホノフと「ユージュアル・サスペクツ」のガブリエル・バーン、医者役に「ハリーポッター」「Xメン」のイアン・マッケランと大物俳優が揃っています。
監督と脚本は後に「マイアミバイス」「ヒート」「コラテラル」などを撮るマイケル・マン。
この監督特有のクールな雰囲気はこの頃からしっかり確立されています。
小学生の頃に「13日の金曜日完結編」との同時上映で見たのが最初でした。
ジェイソン目当てだったのが「ザ・キープ」の世界観に完全に圧倒されてしまいました。
これはホラーファンに限らず、大勢の映画好きの方に見て欲しい作品です。
何故こんな名作(…は褒めすぎ?)がDVD化されていないのでしょうねぇ。
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- 2012/08/03(金) 15:07:12|
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悪魔の棲む家 (原題:THE AMITYVILLE HORROR)
2005年アメリカ映画リメイク作品
1978年の「悪魔の棲む家」をマイケル・ベイがプロデュースしてリメイク。
ストーリー紹介は、オリジナル版のために書いた記事をコピペして加筆して紹介します。(手抜きやな)
一家の長男が両親や兄妹を惨殺したという過去を持つ豪邸を、曰くつきである事を承知の上で格安購入したジョージとキャシーのラッツ夫妻。
子供たちと共に、この湖畔の豪邸へと引っ越してくる。
しかしハエが異常発生したり、ポルターガイスト現象が発生したりと、不可解な事件が続発した。
また末娘のチェルシーは、前の住人の末娘で、頭を撃たれて亡くなった少女の霊と友達になっていた。
幽霊はチェルシーを自分の世界に連れて行くために屋根の上へと導いたが、間一髪の所でジョージが抱き止めた。
やがてジョージを幻聴や幻覚が襲うようになり、徐々に精神のバランスを崩していく。
家に異常な力を感じた妻キャシーは神父にお清めを依頼するが、ハエの大群が神父を追い払ってしまう。
キャシーは図書館で過去の事件を調査すると、家族を惨殺した男は引越しから28日目に凶行に及んでいた。
ラッツ一家が家に引っ越してきて、今日が28日目だった。
電話でジョージに子供たちと今すぐ家を出るよう伝えるが、聞く耳を持たないジョージは電話を破壊した。
ジョージは何かに導かれるように地下室へ降り、壁を壊していた。
壁の向こうには何台もの解剖台と檻が並んでいた。
この家は、悪魔崇拝者ケッチャムがインディアンを閉じ込め、悪魔の儀式の為に大勢を惨殺した現場だったのだ。
そして自ら命を絶ったケッチャムの霊がこの家に取り憑いていたのだった。
悪霊に乗り移られたのか、あるいは精神が崩壊したのか、ジョージはショットガンを手に子供たちに襲い掛かろうとしていた。
その時、子供たちを救うためにキャシーが帰ってきた。
ところが人が変わったように襲い掛かるジョージ。
キャシーは子供と共に家からの脱出を試みるが、家が自らドアを閉ざしてしまい外へ出ることができない。
階段を登り、屋根の上へと出たキャシーたちは、煙突のハシゴを伝って庭へと降りる。
しかしそこには斧を持ったジョージが待ち構えていた。。。
途中まではオリジナルを尊重してストーリーをなぞっていきます。
後半はオリジナルが描ききれなかった悪魔崇拝者の姿や地下室の謎をより具体的に解き明かしてくれます。
オリジナルが2時間近くダラダラと描いていたのに対し、このリメイクは90分を僅かに切る所まで詰めています。
このおかげでオリジナルよりもテンポアップしてサラッと見終わる事ができます。
見終わった後に物足りなさが残る要因が二点。
まず、霊の表現方法がJ-horrorと呼ばれる日本製ホラー映画風である事。
呪怨か!と突っ込みたくなります。
悪魔崇拝なんて西洋の黒歴史ですよねえ。
それが日本人が見慣れた現代版怪談映画の手法を採用している事にすごく違和感を覚えました。
幽霊の少女を出してきたのも日本製ホラー的な描き方をしたかったからなんでしょうね。
おかげで霊的な現象が悪魔の強大な力によるものなのか、それとも被害者の怨念なのかがはっきりしなくなってしまいました。
次に、最後があっけない。
どう解決するのかと思いきや、暴れるジョージを殴って気絶させ、モーターボートで湖に出て行く一家。
家から離れると我を取り戻してまともに戻るジョージ。で、「終劇」。
悪魔や家との直接対決は無いんですね。
オリジナルも逃げて終わりだったけど、今時のホラー映画でこのあっけない終わり方は寂しい。
盛り上がる見せ場が最後にあればもっと評価が良かったんですけどねえ。
例えば家を燃やして地獄のように恐ろしい炎が立ち上がるとか、家を壊して中に閉じ込められた魂が解き放たれるとか。
オリジナルほどではありませんが、微妙に残念さが残るリメイク作品です。
その後のマイケル・ベイ印のリメイクホラーはみんなそんな感じですよね。
ヒットメーカーの名に傷を付けている事にベイさんは気付いていないのでしょうかねえ。
ちなみにラッツ家の末娘役は、幼い頃のクロエ・グレース・モレッツちゃんです。
その後「ぼくのエリ 200歳の少女」のリメイク「モールス」や、リメイク版「キャリー」で主役を演じています。
決して美形ではないけどかわいらしいですよね。
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- 2012/08/03(金) 15:04:12|
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悪魔の棲む家 (原題:THE AMITYVILLE HORROR)
1979年アメリカ映画
70年代を締めくくるオカルト映画です。
テレビでも何度も放映されていたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
一家の長男が両親や兄妹を惨殺したという過去を持つ豪邸を、曰くつきである事を承知の上で格安購入したラッツ夫妻。
子供たちと共に、この湖畔の豪邸へと引っ越してくる。
しかしハエが異常発生したり、突然窓が閉まって子供の指を挟んだりと、不可解な事件が連発。
やがて夫ジョージを幻聴や幻覚が襲うようになり、徐々に精神のバランスを崩していく。
家に異常な力を感じた妻キャシーは神父にお清めを依頼するが、ハエの大群が神父を追い払ってしまう。
キャシーは図書館で過去の事件を調査すると、家族を惨殺した男はジョージと瓜二つの姿をしていた。
その頃、家では霊感の強い女性が訪れ、家の地下室の壁の中に隠し部屋がある事をジョージに告げる。
ジョージが壁を壊すと、内部は壁を真っ赤に塗った小部屋が出現する。
そこが霊界との繋がる部屋だという事が分かる。
その頃キャシーは図書館から自宅へと戻っている途中だった。
家ではジョージが一心不乱に斧を研いでいた。
幻覚に襲われているジョージは子供たちに襲い掛かる。
しかし間一髪のところでキャシーが止めに入り、我を取り戻すジョージ。
家族揃って家を捨てる覚悟をするが、家も家族を逃がすまいとドアを自ら閉ざしてしまう。
しかしガラスを破り、車に乗り込んだ家族は家を後にする。
ところが、愛犬がいない事に気付いたジョージは、家族を車内へ残して一人家へと戻っていく。
愛犬の気配を感じたジョージは地下室へ降りていくが、階段が抜け、そのまま赤い部屋へと落下。
赤い部屋の中には黒い液体で満たされた井戸が口を開けており、ジョージはその中へ落ちてしまう。
霊界へと引きずり込まれそうになったジョージの袖を愛犬が引き上げ、命からがら家族の下へと向かうのだった。
実話がベースという触れ込みでしたが、実際には殺人事件のあった家に引っ越したのは事実。
悪魔に襲われたというのは本にして金儲けするための嘘だったとか。。。
子供の頃に見た時の印象はとても強く、非常に怖い映画だという印象でした。
また監督のスチュアート・ローゼンバーグはポール・ニューマンの「暴力脱獄」、ロバート・レッドフォードの「ブルベイカー」や「マシンガン・パニック」など、社会の暗部を描く点で定評のあった人です。
暫く後になってからそんなウンチクを得て、なるほど、だからあんなに怖かったのか~。と妙に納得したものでした。
と・こ・ろ・が…大人になってから見直すと何かおかしい。全然怖くない。
「エクソシスト」「オーメン」などと肩を並べるオカルト映画の代表作だと思ってたのですがとんだ勘違い。
まさに子供騙しのお化け屋敷ものでした(笑)
まず映像表現が稚拙。
窓の外には赤い電球を2つ並べただけと思われる赤い眼。
その赤い目の正体は猪のような怪物。(悪魔の正体?)
地下室の赤い部屋は壁のブロックと天井と床のコンクリートを赤く塗っただけで仕掛けは何も無し。
その床が崩れて現れる井戸は海苔の佃煮みたいな黒い液体で満たされているだけで、それが何なのかも明かされない。
赤い壁を見てギャー!なんて普通騒がないでしょ。
普通なら、前の住人は赤が好きだったのね、程度の反応では?
でもね、家のデザインとか、昔そこでインディアンがいたぶられたとか、悪魔の本に悪魔の聖地としてその家のイラストが紹介されてたりとか、ちょっとゾクッとさせる部分もあるんですよ。
そういう設定を活かしきれていないのが勿体無い。
きっと子供の頃に見て印象に残ったのは、そういう細かい演出から感じたものだったのかもしれませんねえ。
社会派監督もホラー映画のツボは理解していなかったようで、ちょっと残念さの残る一本です。
それにしてもジェームズ・ブローリンの顔は恐い。。。(最近は息子のジョッシュ・ブローリンが活躍してますね)
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- 2012/08/03(金) 15:01:06|
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オーメン666 (原題:THE OMEN)
2006年アメリカ映画
グレゴリー・ペック主演「オーメン」1作目のリメイク作品です。
あの名作オカルトをリメイクするとは、神をも恐れぬ…ではなく、悪魔をも恐れぬ暴挙ですね。
オリジナルの「オーメン」は好きな映画の1本なので、当然辛口になりますよ。
まずダミアン役の子役は普通の子供にしか見えない。
オリジナルのダミアンを見てみてくださいよ。
あの子役、本当に邪悪なのでは?と思える不気味な雰囲気を持ってましたよね。あれが無い。
あと高貴な雰囲気を持っていたグレゴリー・ペックの代わりがリーブ・シュライバーって。
もう少し重厚なキャラの俳優さんが良かったのでは。
でもミア・ファローのベイロックさんはオリジナル以上だったかな。
あとね、悪魔に殺されちゃうシーンがあっさりしすぎ。
見えない力を感じるような描き方がされてると良かったんだけど。
あ、そうそう、串刺し神父さんのシーンもガラスは余計でしたね。
避雷針だけで十分だったのになぁ。
また音楽については、例の呪文のような曲が使われませんでした。
あれだけはジェリー・ゴールドスミスに高いお金を払ってでも使って欲しかったかな。
テンポも速く、いかにも今時なホラーになってるんですが、ちーとも怖くない。
怖がらせてもらいたくて見てるんですけどね。。。
そうそう、劇場公開時のタイトルは単に「オーメン」だった気がするんですが、いつの間にか「オーメン666」になったのは気のせい?
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- 2012/08/03(金) 14:53:23|
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フロム・ザ・ダークサイド 3つの闇の物語 (原題:TALES FROM THE DARKSIDE: THE MOVIE)
1990年アメリカ映画
ジョージ・A・ロメロファミリーが制作したオムニバスホラー。
元となっているのは、1983年からジョージ・A・ロメロが制作したTVシリーズ「テールズ・フロム・ザ・ダークサイド」です。
TVシリーズの方はホラー映画ブームだった1980年代中盤以降、日本でも次々とビデオが発売されました。
私もほとんどレンタルビデオで見ましたが、「トワイライトゾーン」よりも良い意味でB級、そしてブラックでダークなお話が多かったです。
中でもお気に入りだったのは、自分が死んだことを認めない頑固爺さんが、ゾンビとなって甦って今まで通りの暮らしを続けようとするお話。
徐々に腐敗して言う事を聞かなくなっていく体をよそに、達者な口で娘と孫を困らせまくるゾンビ爺ちゃんに爆笑。
ブラックジョークと哀愁漂うお話でした(笑)
あとはトム・サビーニ先生が監督した「インサイド・ザ・クローゼット」は、先生が作った白いクリーチャーがいい味を出していましたね。
話を映画版「フロム・ザ・ダークサイド」に戻しましょう(汗)
この映画版は3話の短編と、その3話の間を繋ぐエピソードで構成されています。
監督は、「死霊のえじき」「クリープショー」などで音楽を担当し、また両作品では第二班監督も務め、数々のTV映画も監督しているジョン・ハリソン。
1話目の原作者はアーサー・コナン・ドイル、2話目の原作者はスティーブン・キング、3話目はオリジナルストーリーのようです。
脚本は1話目と3話目をTVシリーズでも脚本を多数手掛けたマイケル・マクダウェル。2話目はジョージ・A・ロメロ御大自身の手によるもの。
面白いのは、2話目だけやたらと展開がおどろおどろしく、1話目と3話目はホラー風味のTV版トワイライトゾーン的なノリ。
それぞれ小粒ながらも面白いんですが、やはり恐怖の創造に関してはロメロ監督の力は偉大ですね。
特殊メイクはカーツマン、ニコテロ、バーガーのKNBエフェクツ。
そして特殊メイクコンサルタントとして、あのディック・スミスの名前が!!!
「エクソシスト」「ゴッドファーザー」「アマデウス」など、アカデミー賞を何度も受賞している特殊メイク界の神様です!すげー!!!
「プロローグ」
デボラ・ハリー演じる魔女が、捕まえた少年を食べようとオーブンに火をつける。
少年は時間を稼ぐため、「テールズ・フロム・ザ・ダークサイド」という本を魔女に読み聞かせ始めます。。。
「ブロンディのデボラ・ハリー」ですがホラーファンには「ヴィデオドロームのデボラ・ハリー」の方が分かりやすいかもしれませんね。
「ヴィデオドローム」のイメージが余りにも強烈過ぎて本業であるミュージシャンの顔を忘れかけてます。
「第一話「LOT249」
裏工作によって奨学金の権利を奪われた大学生(スティーブ・ブシェミ)が、手に入れた古代のミイラを操り、自分をはめた学生たちに復讐していく。
今見ると、スティーブ・ブシェミが大学生というのが笑えます。
また彼の友人役がクリスチャン・スレーター、その妹役がジュリアン・ムーア。
まだみんな若くて微笑ましいです。
ちなみに劇中のテレビではロメロ監督の「ゾンビ」が流れてました。
第二話「CAT FROM HELL」
ある殺し屋が、豪邸に住む老人から館に棲み付いた黒猫を朝までに始末して欲しいと大金を渡される。
老人は館を出て行き、猫と共に1人残される殺し屋。簡単だと思われた仕事だったが、凶暴ですばしっこい猫に手間取りなかなか殺すことが出来ずにいた。。。朝になり、老人が邸宅に戻ってみると、広間で息絶えた殺し屋の死体が転がっていた。
猫はどこに消えたのか?その時。。。
こちらのテレビではまたまたロメロ監督の「マーティン」が放映中。
ジョン・ハリソン監督、ちょっと媚売りすぎじゃない!?
ところで、屋敷に仕える爺さんが出てくるんですが、名前が「ペット・セメタリー」の赤ちゃんと同じゲイジ、格好はゲイジファミリーの向かいに住んでいた爺 さんと同じ白ランニング姿、さらに凶暴な猫が登場する事と、原作者が同じスティーブン・キングという事で、何か関連があるのかな?なんて勘繰ったんです が、果たして意味はあるのでしょうか?
第三話「LOVER'S VOW」酔ってバーから出てきた売れない芸術家(ジェームズ・レマー)。
そこでバーテンが鋭い爪と巨大な羽を持ったモンスターに殺される所を目撃する。モンスターは芸術家に近付き、今夜あった事や見た事を一切口外しないなら助けてやると言って姿を消す。
自宅へ逃げ帰る途中、深夜の裏通りに迷い込んだ女性を見つけ、危険から守るために家に連れて帰る。
そして二人は結ばれ結婚し、2人の子供にも恵まれる。
それから10年の月日が過ぎた日、芸術家は妻に内緒にしてきたあの晩の出来事を話してしまう。
すると。。。
「ワイルドスピード2」の捜査官、どっかで見たことあるなーと思ったらこの作品のジェームズ・レマーでした。
結構色んな作品に出てるんですよね。
あと奥さん役は「コマンドー」のレイ・ドーン・チョン。懐かしい。
音楽はこのエピソードだけジョン・ハリソン監督自身が手掛けています。
曲調から「死霊のえじき」「クリープショー」あたりの空気を感じられます。
「エピローグ」包丁を持って近付く魔女をオーブンの中に押し込み、見事倒す事に成功した少年。
最後の決め台詞は「やっぱり物語りはハッピーエンドがいいね!」ですって。
お話にはあまり独創性が感じられないのが残念。ジョン・ハリソン監督自身、かなり「クリープショー」を意識しちゃったように思えます。
「LOT249」の最後は海ゾンビと被ったし、「CAT FROM HELL」の最後はゴキブリと被りました。
オチの見せ方がちょっと安易だったかもしれませんね。
でもまあ見せ場のショックシーンでもあるので、それはそれで許せますが。
特に猫の攻撃はビジュアル的にもかなり強烈ですし。
ちなみに個人的には「LOVER'S VOW」が一番好きです。
約束を破ったが為に幸せな暮らしを失うことになるエンディングは、日本の昔話の悲しい結末のようです。
公開当時、劇場で見たのですが、不覚にも涙ウルウルさせられちゃいました。
ロメロファミリーのオムニバス作品と聞いて「クリープショー」の毒々しいノリを期待して見ちゃいけません。
製作者サイドは中途半端に意識しちゃったような所もありますが、そもそもの出発点が違います。
俗悪な漫画雑誌DCコミックスのような映画を目指して作られたのが「クリープショー」、テレビ向けのソフトな表現ながらホラー風味の強いロメロ版トワイライトゾーンが「フロム・ザ・ダークサイド」です。
どのエピソードもTV版に毛が生えたくらいの小粒なB級作品ばかりなんですが、TV版「フロム・ザ・ダークサイド」の正常進化とも言えます。
TVシリーズの延長で見ればこれはこれで充分楽しいです。
ただ問題点が一つ。
DVDのクオリティが低い。
まず、スタンダードサイズで撮影された映像の上下をカットして、無理矢理ビスタサイズ(ワイド画面TV)に合わせています。
そのため、物語に入る前の映画会社のロゴや、オープニングのスタッフの名前、登場人物の頭部など、画面の上側が画面からはみ出して切れてしまっています。
また映像も靄が掛かったように眠く、輪郭がぼやけています。
デジタルリマスターという事ですが、1990年の映画としてはあり得ないほど酷い画質でした。
映像特典の予告編の方が本編よりも遥かに鮮明で見やすかったです。
もう一度ちゃんとリマスターして発売してくれないかなあ。
ついでにエンバシーから発売されてたTVシリーズも併せて発売してくれたら文句無しなんだけど。
テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画
- 2012/08/03(金) 14:43:44|
- モンスター
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大昔にTBSの深夜枠で放映されたのを録画して何度も繰り返し見たジョー・スピネルの「マニアック」。
DVDは買おうか迷ってるうちにうっかりレンタルで見てしまい買いそびれたままでした。
久々にamazonを見たら中古価格が3000円まで下がってたのでついに購入。
やっぱりトム・サビーニの特殊メイクが冴え渡ってますね~。
「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッド主演でリメイクされるそうなので、見直すにはいいチャンスかも!
(リメイクに合わせて廉価版で再販されない事を祈るばかりです…)
【マニアックのレビューはこちら】
テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画
- 2012/08/01(水) 12:26:57|
- ひとりごと
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