ホラー映画友の会

ホラーファン歴30年、今まで見てきたホラー映画を紹介します。

「10 クローバーフィールド・レーン」 タイトルに惑わされずに見ましょう(汗)

「10 クローバーフィールド・レーン」
(原題:10 CLOVERFIELD LANE)
2016年アメリカ映画


最初に。これから見ようと思ってる方、これは何も情報を入れずに見た方が良い作品です。
日本の公式サイトはもちろん、出来ることならDVDのパッケージすら見ない方が良いです(さすがにそれは無理か…)。
という訳で、未見の方はこんなレビューブログはさっさと閉じてお戻りください。
ひとつだけ言わせて頂くと、タイトルから受けるイメージも一旦脳内から消去してから見始める事をお勧めします。。。



「クローバーフィールド/HAKAISHA」のプロデューサーであるJ・J・エイブラムス製作のサスペンススリラー。
「クローバーフィールド」の監督であるマット・リーブスもエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねています。
このスタッフにこのタイトルから、誰もが「クローバーフィールド」の続編ないし関連作品だと思いますよね。
ところが、物語の繋がりはないし、「クローバーフィールド」の巨大怪獣も出てきません。
何でこんなタイトルを付けたのか訳が分かりません。

恋人と暮らす部屋から荷物をまとめて飛び出し、車で夜の田舎道を走るミシェル。
すると突然、大きな衝撃と共に車は道路から飛び出して横転。気を失ってしまいます。
目覚めると、そこは狭い地下室。
その地下室はハワードという男が農場の地下に作ったシェルターで、エメットという若者と共に生活しています。
彼ら曰く、ミシェルが恋人の事を考えながら車を走らせている間にアメリカが何者かに攻撃され、都市部は壊滅状態とのこと。
そして、シェルターの外は空気が汚染され、数年間は外に出る事ができないと聞かされます。
男たちの言う事が信じられないミシェルは、ハワードのカギを奪って外へ逃げ出そうとする。
ドアの前に立つと、その窓から顔を負傷した女が覗き込み、助けて欲しいと叫んでいた。
外で何かが起きている事を悟り、ドアは開けずに地下へと連れ戻されたミシェル。そして二人の男との共同生活が始まる。
しかし、ハワードの隠された顔(誘拐殺人犯!)が少しずつ明らかになり、地下室は不穏な空気で満たされてゆきます。
いよいよハワードがヤバイ男だと気付いたミシェルとエメットは、シャワールームのビニールカーテンを材料に防護服を自作し、外へ助けを求めに行こうと画策。
しかし、二人がコソコソしているのに激怒したハワードはエメットを射殺してしまいます。
ミシェルは、被害者の遺体を処理する為にハワードが隠し持っていた酸をぶちまけ、傷を負わせたハワードがひるんだ隙に、お手製防護服を身に着けてシェルターの外へと飛び出すのですが。。。

このように、物語の大半は外部と隔絶されたシェルター内で繰り広げられる密室劇なのです。

「え?これでハッピーエンド?怪獣は???」とこちらが動揺していると、まるで生存者を探しているかのように飛行する物体が登場。
そのとき、地下室の中で大爆発が起こり、地上に巨大な火柱が上がります。
それに気付いた飛行物体が近づいてくると、それは長い触手をユラユラさせた巨大な宇宙船。
船体から放出され農場の捜索にやってきた宇宙生物に見つかってしまったミシェルは、ハワードのトラックに乗り込みます。
ところが巨大宇宙船の触手に車ごと捕まってしまいます。
宇宙船の下部にある巨大な口に吸いこまれそうになったとき、トラックの中にあったウイスキーボトルで作った火炎瓶を口の中に投げ込み、宇宙船は内部から大爆発。
地上に叩き付けられるも助かったミシェルは、車のラジオで案内されている避難所ではなく、エイリアンとの戦いが繰り広げられているヒューストンへとステアリングを切った。。。

このように、今回人類を恐怖に陥れていたのは宇宙船型エイリアン。
「ナビゲイター」「ニューヨーク東8番街の奇跡」のような生きてるUFOというより、機械のアーマーを身に着けた宇宙生物という感じでしょうか。
「クローバーフィールド」の巨大怪獣とは見た目も大きく異なっており、とても仲間とは思えません。
また、「クローバーフィールド」の売りでもあった手持ちビデオカメラによるPOV撮影も採用されていません。
登場人物やストーリーにも繋がりはなく、タイトルに”クローバーフィールド”を入れる意味が理解できないんですよねえ。
ちなみに、”10 クローバーフィールド”とは、地下室のあった農場の住所であることが最後に明かされます。
前作(という言い方が適切かどうか分かりませんが)のタイトルは、J・J・エイブラムスの会社のある場所の地名から取った、みたいな事を言っていたと思います。
だからあまりタイトルに深い意味は無いのかもしれませんね。

ミシェル役は「遊星からの物体X ファースト・コンタクト」「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」「ダイ・ハード4.0」のメアリー・エリザベス・ウィンステッド。
「ダイ・ハード」のジョン・マクレーンばりに換気ダクトの中を這いずり回ったりもしてました(笑)
ハワード役はヤバダバドゥのジョン・グッドマン。「狼の死刑宣告」ではクズの武器売人を、「アルゴ」では味のある特殊メイクアーティストを、「モンスターズ・インク」では憎めないキャラを活かしてサリーを演じるなど、演技の幅の広さにはびっくりします。
そんなジョン・グッドマンに殺されてしまうかわいそうなエメットを演じるのはジョン・ギャラガー・Jr。
声だけの出演ですが、ミシェルのスマホに電話してくる元カレ役は「アメリカン・スナイパー」「ハング・オーバー」のブラッドリー・クーパー。
登場人物は少ないですが、配役はなかなか良かったです。

「クローバーフィールドの続編」と期待しながら見ると肩透かしを食らいますが、密室サスペンスとしては十分に楽しめました。
どうせなら未知の生物が登場すると期待させるようなタイトルや宣伝はやめればよかったのに。
ありがちな密室サスペンスを見ていたつもりが実はSFだった!みたいなサプライズがあればお得感3割増しくらいだったのでは。

最後のエイリアンとの戦いが取って付けたようですが、彼氏と別れてウジウジしてたミシェルが、自らの意志で戦地へ向かうというラストは非常に気に入りました。
あれがあったおかげで作品全体の印象が引き締まったと感じましたね。
SFテイストが最後の最後まで前面に出てきませんが、閉鎖的な物語の裏でエイリアンが大暴れしていたというのは、見終わった後に余韻を与えてくれます。

しかし、地下で異常者と暮らすのも地獄、地上でエイリアンと死闘を繰り広げるのも地獄。
自分ならどっちを選ぶか。。。やっぱりエイリアンかな。

↓このパッケージ、オチを見せ過ぎだって(汗)




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  1. 2016/10/21(金) 18:51:21|
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「遊星からの物体X ファーストコンタクト」 ジョン・カーペンター版の前日譚

遊星からの物体X ファーストコンタクト
(原題:THE THING)
2011年アメリカ・カナダ合作




ジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」(1982年)の続編。前作の前日譚です。
カーペンター版はアメリカの南極観測隊が、何者かに壊滅させられたノルウェーの南極基地へ行った事から起こる惨劇を描いていました。
この続編は、そのノルウェー基地で起こった事態を描いています。


南極のノルウェー観測隊員が、氷の中に埋まった宇宙船とエイリアンの死体を発見する。
その死体を調査するため、アメリカの女性古生物学者ケイトがノルウェー基地にやってくる。
エイリアンの死体は氷漬けのまま基地へと運び込まれるが、基地内で蘇生、隊員を襲ったため火炎放射器で焼き払われた。

その黒焦げの死体を解剖してみると、体は死んでいるのに体内の細胞が活動を続けており、細胞単位で生き続ける事ができる生物である事が発覚。
そしてエイリアンの体内からは、襲われた隊員の生成途中のクローンが出てくる。
この生物は、襲って体内に吸収した生物を再生成し、同じ姿をした新しい生物を作り出す性質を持っていたのだった。
作り出されたクローンはその人間になりすますため、外観からはだれがエイリアンなのかが分からない。

この生物が南極の外へ出る事を危惧したケイトは、体調不良を訴えた隊員の他の基地へ移送しようと飛び立ったヘリコプターを基地へ呼び戻そうとする。
しかし機内では隊員になりすましていたエイリアンが本性を現し、ヘリコプターは雪原に墜落してしまう。
ケイトは基地から逃げ出そうとする他の隊員たちに、基地に留まって宇宙生物と対決する事を促す。
人知れず体を乗っ取られた者がいるのではないかと疑心暗鬼に陥る隊員たちに、宇宙生物が襲い掛かる。。。


リメイクではないのですが、展開がカーペンター版と類似している部分(犬のシーンなど)があったりしてちょっとややこしい。
邦題こそ「ファーストコンタクト」というサブタイトルで差別化されていますが、原題はカーペンター版と同じ「THE THING」なのでリメイク?パロディ?的な意味合いもあるのかもしれません。
でも後日譚である前作へ繋がる細かな描写は抜かりなく、エイリアンが抜けだした後の氷の箱や、壁に刺さった斧、ノルウェー隊員の死体など、ディティールへの強いこだわりを感じました。
ヘリで犬を追いかけるエンディングも、前作のオープニングにしっかり繋がって気持ち良い終わり方でした。

誰が身体を乗っ取られているのか?というサスペンスが1982年版「遊星からの物体X」の見所の一つでした。
この2011年版でも頑張ってはいるものの、残念ながらカーペンター版ほどのドキドキ感は無し。
この宇宙生物の特徴である細胞単位で生きているという性質を活かし、隊員の血液に熱した針金を近付け、血液の反応で隊員が本物かクローンかを見極める、というカーペンター監督の見せ方の上手さを再認識させられました。
また、カーペンター監督の見せ過ぎない思わせぶりな演出(地球へ降下していく宇宙船、ノルウェー基地で何があったのか?と想像させる etc.)も改めて上手いなぁと痛感しました。

特殊効果はですね、特殊メイクとCGをうまく使い分けていたように思います。
何でもかんでもCGで済ますのではなく、特殊メイクに重きを置いているのは好印象です。
でもロブ・ボッティンらが腕を振るったカーペンター版の特殊効果に度肝を抜かれた世代としては、CGなんかに一切頼らず、前作を超える特殊効果が見たかったなあ、と思ってしまう部分もあります。
前作の頃は当然CGなんてありませんでしたから、フィルムの逆回しやストップモーションといった古典的な手法を効果的に組み合わせて作り上げてましたね。
ああいう製作者の執念みたいなものは、残念ながら2011年版から感じる事はできませんでした。

あと、クリーチャーのデザインも前作には遠く及ばす。
前作は身体の部分ごとが独自の生物として活動する姿が衝撃的でしたが、続編では人間の体が変形した大きなモンスターが多いです。
腕が千切れて歩き出すシーンもありましたが、それよりもでかいモンスターの印象の方が強く残っちゃいます。
もっと前作のように体のそれぞれの部位が悪趣味な生き物として活動して欲しかったですね。

カーペンター版「遊星からの物体X」が時代を超越したSFホラーのクラシックなのに対し、良くも悪くも今風の作品といった印象です。
十分楽しめるレベルではあるんだけど、カーペンター版の出来が良すぎるせいでどうしても評価が厳しくなっちゃいますね。
ただ、カーペンター版へのリスペクトをしっかり感じられるので、熱烈なファンでも気持ちよく見る事ができました♪

ちなみにこの作品、発売と同時にBlu-rayを購入して見たのに今頃レビュー。
他にも見たのにレビューしてない映画が結構あるんですよね。
「遊星からの物体X ファーストコンタクト」もそうですが、好きな映画ほど「落ち着いたらちゃんと書こう」と思ってそのまま放置しちゃう事があるので、実はお勧めの映画ほど紹介出来てなかったりします。
見たらすぐ書く!を心がけます~。

 


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  1. 2015/07/26(日) 16:23:27|
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「ゼイリブ」 ジョン・カーペンターが描く勇逸アイデアの宇宙人侵略モノ

「ゼイリブ」
(原題:THEY LIVE)
1988年アメリカ映画




公開当時、高校生だった自分は、学校帰りに新宿の映画館で鑑賞しました。
青春時代の懐かしい思い出の映画…ではなく、残念ながら苦い記憶として残っていました。

当時、ジョン・カーペンター監督の印象は、マスクを被ったCoolな殺人鬼が出てくる映画や、ド派手な特殊効果で人体を変形させる映画などのイメージが強かった。
そんな作品を期待して劇場に足を運んだ自分は、コミカルで残酷描写も特殊効果も控え目な「ゼイリブ」にひどく落胆し、記憶の奥底に葬り去りました。
ところが、公開から暫く経った頃から「ゼイリブ」を評価する声が耳に入る機会が増え、時間が経つにつれ、記憶の底からムクムクと「ゼイリブ」が再浮上(笑)
そんな時、何となく「ゼイリブ」というキーワードで画像検索をしてみると、興味を誘うパロディ画像が多数出てきました。
現代社会や政治の問題を、「ゼイリブ」のエイリアン画像と組み合わせて作ったコラージュです。
これら画像があまりに衝撃的で、改めて「ゼイリブ」を見直して見る事にしたんです。

ニューヨークに流れ着いた失業中の肉体労働者ネイダは、ビルの建設現場で仕事を得る。
その現場で知り合った黒人労働者のフランクに、失業者が集まって暮らしている公園のキャンプへと案内された。
その公園の隣には不審な教会があり、明け方まで聖歌が聞こえてきていた。
不審に思ったネイダが教会へ忍び込むと、隠し扉の中に保管された大量のサングラスを発見するが、盲目の牧師に見つかり慌てて逃げ出した。
その教会は反体制派の地下組織の拠点となっており、社会をコントロールする悪への反乱を促す海賊放送を発信していた。
録音された聖歌を流し続けるなどカモフラージュを行っていたが、ある日、体制側にバレてしまい、警察が突入する。
しかし、反体制派の活動家たちは寸前で逃亡し、警察が踏み込んだ時にはもぬけの殻だった。
その突入劇のあおりで隣接する公園にも武装警官が押し寄せ、労働者たちのキャンプを破壊してしまう。

警官が去った後の教会に進入したネイダは、1箱だけ残されたサングラス入りのダンボールを拾う。
そのサングラスを掛けて街へ出ると奇妙な事に気付いた。
肉眼ではカラフルに見える看板や広告、そしてテレビ番組の中に、「服従しろ」「考えるな」などの隠された文字が浮かび上がる。
物品の購入、結婚、睡眠、労働など人間が無意識で行っている行動、さらには思想までが、隠されたメッセージで全て指図されていたのだった。
そしてそのサングラスは、人間の姿に化けて社会に紛れ込み、人間をコントロールするエイリアンたちの醜い姿も露わにした。

社会に多数のエイリアンが入り込み、人間がコントロールされている事を知ったネイダは、我が物顔で闊歩するエイリアンに悪態をつく。
するとエイリアンは腕時計型の通信機器で仲間に連絡を取り、そこに警官に化けたエイリアンが駆けつけるが、自慢のラリアット(!)で撃退。
パトカーから銃を取ったネイダは手当たり次第にエイリアンを射殺(やり過ぎ)。

さらに騒ぎが大きくなったネイダは、駐車場で見かけた女性ホリーを脅して車に乗り込み、無事に現場から逃げおおせた。
ホリーの家に転がり込んだネイダがホッとした隙を狙い、ホリーの反撃でバルコニーから崖下へ突き落されてしまう。
しかし持ち前の頑丈な体で大した怪我もしなかったネイダは、再びフラフラと街へ舞い戻る。

街では建設現場で働くフランクに助けを求めるが、指名手配犯となったネイダに関わろうとしない。
だが力づくで掛けさせられたサングラス越しの街を見て行動を共にする事になる。
街でお揃いのサングラスを掛けた二人を反体制派のメンバーが見掛け、彼らをグループの集会へと招いた。
集会の会場にはホリーもおり、崖から突き落した事を謝罪し和解した。
こうして反体制派のメンバーとなったネイダとフランクだったが、会場に警官隊が突入し、他のメンバーの大半が殺されてしまう。
追い詰められた二人は、エイリアンの腕時計を使ってエイリアンの地下施設へと逃げ込む。
施設はエイリアンの活動拠点であるテレビ局へ繋がっており、屋上の巨大なアンテナから世界中のエイリアンへ信号を発信していた。
ネイダたちはこのテレビ局で働くホリーを探し出し、屋上へ案内させてアンテナを破壊しようと考えるが。。。


実はこの世界は全てエイリアンにコントロールされており、自分の行動も全て仕組まれた物だった、というお話。
前述のとおり、「ハロウィン」の迫りくる恐怖も、「遊星からの物体X」の視覚的驚きや犯人捜しのサスペンスもありませんが、「ゼイリブ」は人間界に深く入り込んでしまったエイリアンが作り上げた社会の恐怖と絶望を、皮肉たっぷりなブラックユーモアと共に描いています。
改めて見ると、この設定は非常に面白い。
行動や思考が自分の意志ではないというのは、考えれば考えるほどゾッとします。
ジム・キャリーの「トゥルーマン・ショー」も自分の世界が作られた偽物だったというのが衝撃的でしたが、それと通じるものを感じました。
テレビ番組も、広告も、雑誌も、全て人間を支配するためにサブリミナル効果を仕込んでいるという発想は、フィクションとは言い切れないリアリティを感じてしまいます。
実は合衆国大統領がエイリアンだったという場面で、主人公が妙に納得する場面は思わず笑っちゃいます。

このように社会を鋭く風刺してみせたかと思えば、演出は非現実的…悪く言ってしまうと稚拙な感じがしちゃいます。
まず主人公が強すぎ。
大勢の警官隊を相手に撃ち合っても弾が当たらない、片手持ちでライフル乱射しても命中率高過ぎ、崖から転げ落ちても怪我をしない、etc.
ネイダを演じるのはプロレスラーのロディ・パイパーなので、人並み外れた身体能力を持っているからなのかもしれません。。。と自分を無理矢理納得させてみたり。
あと、主人公に人間味が感じられなくて、感情移入しずらいのもマイナスポイント。
泊まる場所が無くて途方に暮れている所に、フランクが親切に宿を紹介しようとしているのに完全ノーリアクションのガン無視。
なのに、フランクの後をトボトボ着いてきて、ちゃっかり世話になるという天邪鬼っぷり。
寡黙でCoolなのと、人の好意を無視で返すというのは別だと思いますよ。
まあ、SFホラーでありながらブラックコメディ色が強い作品なので、あまり細かいところを突っつくのは間違った楽しみ方なのかもしれませんね。

ちなみに、ネイダの相棒フランクを演じているのは、「遊星からの物体X」チャイルズ役のキース・デイビッド。
現在も渋い脇役として色々な映画に出演されていますね。
またホリー役のメグ・フォスターは、個人的に「ゼイリブ」と「リバイアサン」でしか見た事がありませんが、薄いブルーの瞳がとても印象的。
見ていると吸い込まれそうになります。

特殊効果のスタッフとしてロイ・アーボガスト、ジム・ダンフォースといったクレジットがありますが、彼らの仕事は控え目です。
リメイクばかりのハリウッド映画にはウンザリしていますが、「ゼイリブ」は設定を活かしつつ、今の技術で撮り直したらもっと面白くできる気がします。
カーペンターの思いを受け継いで、誰か今風にリメイクしてくれないかな~。

 

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  1. 2014/11/26(水) 19:45:22|
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「ソイレント・グリーン」 食糧難に陥った人類が選んだ道は…

「ソイレント・グリーン」
(原題:SOYLENT GREEN)
1973年アメリカ映画




SF映画の隠れた名作です。
監督は「ミクロの決死圏」「トラ・トラ・トラ!」のリチャード・フライシャー

2022年のニューヨークが舞台。
環境破壊により大半の動物や植物が死滅し、そこへ大幅な人口増加が拍車をかけた事により食料が不足。
食料は政府が管理し、市民にはプランクトンなどから作られた合成食料「ソイレント・グリーン」を配給していた。
ある日、「ソイレント・グリーン」を製造している企業幹部が暗殺され、チャールトン・ヘストン演じる刑事が捜査を担当する事になる。
刑事は同居人の生き字引とも言える老人の手を借り、捜査を進めていく。
事件の謎へあと一歩のところで上層部から捜査終了を告げられてしまう。
そんな時、事件の真相を知ってしまった同居人の老人は、社会に絶望し、安楽死施設へと入所してしまう。
老人を引き止めるために施設へ乗り込んだ刑事だったが、安楽死の処置が行われた後で、静かに最後の時を待っていた。
死の間際、老人は刑事に事件の真相を話す(この時点で観客には事件の真相が伏せられている)。
それを確かめる為、安楽死施設の内部へと侵入し、施設から運び出される遺体を満載したトラックに忍び込んだ。
トラックは郊外の巨大な工場へと辿り着く。
そこでは運び込まれた遺体が巨大なタンクの中に次々と沈められてゆく。
そのタンクから伸びたラインを辿っていった先にあるベルトコンベアには、大量のソイレント・グリーンが生み出されていた。
ソイレント・グリーンは人間の遺体から作られた食品だったのだ!
秘密を知ってしまった刑事は工場から逃げ出すものの銃撃されて重傷を負うが、間一髪のところで救出される。
担架で運ばれる刑事は叫ぶ。「ソイレントグリーン人肉だ!」

…と、豪快に端折りながらも、衝撃のラストまで一気にネタばらししてやりました(笑)
未見の方、ごめんなさい。

SFですが、この映画は当時問題になっていた公害や人口増加、体制への反発などを盛り込んでいます。
この作品に描かれた空想世界は、現代の目で見ると絵空事では済まされない現実的な物として映ります。
40年も前に製作された映画で、現在人類が直面している問題を描いていることに驚きます。

子供の頃、テレビで見てゾーッとした事を覚えていますが、一箇所理解できなかったのが家具人間のくだり。
富裕層は、若くて美しい女性を「家具」として自宅に置く事が許されています。
子供の頃は理解できなかったのですが、今改めて見ると恐ろしい事です。
人が溢れたこの社会では、一般市民の人権が軽視されています。
刑事が住むアパートでは、家を失った市民達が共用部分で折り重なるように寝泊りしている。
また体制に反発する者はゴミを排除するかのように、トラックの荷台に放り込まれて運ばれてゆきます。
財力の無い若い女性がそんな社会で人間らしく暮らす手段として選んだのが、金持ちの自宅のインテリアとして飼われる事。
自らの人権を放棄し、家具として生きることを選ぶという狂気に背筋が凍る思いがしました。

刑事と暮らす老人も「本」と呼ばれています。
失われた時代を知っており、長年積み重ねてきた知識を持っている一部の博学な老人達はこのように呼ばれています。
老人もそう呼ばれる事を受け入れているように見え、人を物として扱うのが当たり前になっているという事なのでしょう。

そんな狂った社会では、安楽死が認められており、暮らしに疲れた大勢の市民が自らの意思で安楽死施設へ足を運びます。
そこでは、ベートーベンの田園等の美しい音楽とともに、大昔に失われた美しい地球の風景や動物の姿が巨大なスクリーンに映し出されます。
地球の大自然に抱かれるようにして安楽死の処置が行われます。
そしてその遺体が飢えた市民の食料に加工されていく。。。もう尊厳もへったくれもありません。本当に恐ろしいです。

派手な仕掛けやアクションは無く、控え目な演出からかあまり話題になる事はありませんが間違いなく名作です。
絶望的な未来社会を淡々と描く事で見るものに将来への危機感を与えます。
いや、今となってはまだ見ぬ将来ではなく、目にしている現在を見せつけられているのかもしれません。

消費される為に作られる商業映画で溢れた今、こういったメッセージ性のある娯楽作品はとても高尚に見えますね。


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  1. 2013/12/27(金) 17:18:02|
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「ゴースト・オブ・マーズ」 火星に眠る悪霊を解き放ってしまった人類が体験する恐怖!

ゴースト・オブ・マーズ(原題:GHOSTS OF MARS)
2001年アメリカ映画




ジョン・カーペンター監督のSFホラーアクション。
火星を舞台にした幽霊物という異色作品です。

人類が火星に大気を作り出し、移住して暮らしている2176年。
一家の主は女性に取って代わられ、社会は女性上位となっていた。
そんな火星では、長らく眠っていた恐ろしい存在が目覚め、人の暮らす集落を襲っていると言う噂が流れていた。

その頃、火星の平和を守る火星警察官グループが、囚人護送のために鉱石運搬列車に便乗して辺境の刑務所へ向かっていた。
男性警官ジェリコらを率いる女隊長へレナと副隊長バラードは、目的地の駅で下車。
囚人を受け取った後に再度列車に拾ってもらう手筈になっていた。
しかし刑務所に隣接する街では、住人が全員逆さ吊りにされ首をはねられていた。
刑務所の中には護送予定の殺人犯ウィリアムズ、数名の囚人、さらに刑務所に逃げ込んできたウィットロック博士がいた。
混乱の中、隊長が姿を消し、ウィリアムズが刑務所から脱走した。
ウィリアムズを探しに入った建物内でバラードは、何かに取り憑かれたような住人の襲撃に遭う。
そこへウィリアムズが現れ、二人で住人を倒した後、ウィリアムズを捕らえる事にも成功する。
ジェリコは隊長を探していると、棒に突き刺して並べられた生首を発見する。
その近くでは悪霊に取り憑かれた鉱山労働者たちと、その先頭に立つ悪魔の姿を発見する。
移民たちは鉱物の発掘作業中、眠っていた悪霊を掘り起こし解き放ってしまったのだ。
そして悪霊たちは、火星の侵略者である人間を全滅させる事を目的に活動を始めたのだった。
身の危険を感じたジェリコは街へ逃げ戻る途中、悪霊から逃れたと言う生存者3名を見つけ、共に刑務所へと連れて行く。
しかし3人はウィリアムズを脱獄させる為にやって来た仲間だった。
銃を向け合うものの、刑務所へ押し寄せてくる悪霊の大群に対抗すべく、敵味方関係なく協力し合う事を決める。
そして悪霊たちが待ち受ける刑務所の外へと飛び出していく。。。

基本的には50~60年代のB級SFを髣髴とさせる絵作りがされています。
これはカーペンター監督流のオマージュなのでしょう。
また、警官と囚人が手を取り合って襲撃者と戦う展開は、カーペンター監督初期の傑作バイオレンス「要塞警察」のセルフリメイクにも見えます。

昔懐かしい雰囲気を作り出している反面、とにかく斬新なチャレンジが多いのがこの作品。

まず、地球外の惑星に巣食う悪霊というのは過去にも聞いた事がありません。
普段は実体を持たないが、人間の体を乗っ取ることで凶行に走る。
そして体がダメージを受けるとまた新しい体へと乗り移る。
この悪霊、乗り移った人間の体を金属のアクセサリーを突き刺したり、体を傷付けることでドレスアップ(?)します。
その姿はパンクやヘビメタな雰囲気満点で、かなりロックロールな悪霊さんたちです。

音楽はジョン・カーペンターですが、ヘビメタバンド「アンスラックス」が参加しているのもポイントです。

またなぜか男が主導権を失い、女が強いという設定も面白い。
ただそれが活かされている場面は少ないのですが。

あと、これらの物語は、唯一の生き残りであるバラードが上官に報告するという回想録として語られてゆきます。
他のメンバーがどうしていなくなったのかは、徐々に明かされてゆきます。

主人公の女性警察官バラードは「スピーシーズ種の起源」のナターシャ・ヘンストリッジ。
その同僚ジェリコに「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム、「アイデンティティー」のクレア・デュバル。
彼らを率いるレズの隊長は「ジャッキー・ブラウン」のパム・グリアー。
囚人ウィリアムズに「フライデー」のアイス・キューブ。
悪霊を解き放した張本人、ウィットロック博士に「ブレードランナー」のジョアンナ・キャシディ

特殊メイクはカーツマン、ニコテロ、バーガーのKNBエフェクツトリオが担当。
グログロという訳ではありませんが、生首はゴロゴロ転がり、皮膚に金属を突き刺し、顔面の皮膚は剥がされと残酷シーンは見せ場がたくさん用意されています。

SFホラーですがガンアクションや格闘アクションシーンも派手です。
エンターテイメントの美味しい所をあれもこれもと混ぜ合わせた結果できたのが「ゴースト・オブ・マーズ」という感じです。
そんな盛りだくさんな映画なのにちゃんとまとまっているのが素晴らしい。
色々盛り込んだ挙句、収拾がつかなくなった「ゴーストハンターズ」とは大違い(笑)
まさに活劇と呼ぶに相応しい娯楽作品です。

 

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  1. 2012/11/15(木) 18:27:04|
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「SFボディ・スナッチャー」 誰が宇宙人に体を乗っ取られているのか分からない恐怖!

SFボディ・スナッチャー (原題:INVASION OF THE BODY SNATCHERS)
1978年アメリカ映画



宇宙からやってきた植物のようなものが地球上で芽を出し、それが人体のコピーを生み出し、体を乗っ取ってしまうというSFホラーの秀作です。
植物は繭のような物体の中でクローンを作り出し、代わりにその元となった人間は干乾びて死んでしまうのです。
UFOでガンガン攻めてくる宇宙人とは違い、人知れず地球に入り込み、人々が眠ってる間に人間に成りすまして侵略するのが恐ろしい。
気付くと回りの人間は皆、宇宙人になっているんですから。

衛生局で働くマシューは、同じ職場のエリザベスから夫が別人のような態度になってしまったと相談を受ける。
ある日エリザベスは夫を尾行すると、見知らぬ人間とどこかへと向かって消えて行った。
夫への不信感を募らせるエリザベスに、マシューは精神科医のカウンセリングを勧める。
マシューは精神科医デイヴィッドを訪ねると、エリザベスのような不安を訴える患者が大勢いる事に違和感を覚える。
しかしデイヴィッドは皆妄想を見ているだけだと片付けてしまう。
マシューは友人ジャックとナンシー夫妻が経営する泥風呂の店を訪れるが、そこでジャックそっくりの人間が徐々に形成されている姿を目撃する。
次にエリザベスの自宅を訪ねたマシューは、そこでも眠るエリザベスと形成途中の彼女のクローンを発見する。
しかし警官達がやって来ると、その未完成のクローンたちは姿を消していた。
マシュー、エリザベス、ジャック、ナンシーの4人は町中の異様な雰囲気に気付いた頃、自宅の外では4人のクローンが作り出されようとしていた。
それに気付いた4人はクローンを破壊し、夜の街へと逃げ出す。
しかし彼らのあとをクローンの大群が追いかけてゆく。。。

これ、リメイク作品なんですが、オリジナルは1950年代の「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」。
人体乗っ取り系のエイリアンは「遊星からの物体X]「ゼイリブ」など、その後も色々と作られましたが、その元祖と言えるのが「ボディ・スナッチャー」ですね。
ちなみに原作「盗まれた街」は未読ですが、その後も「ボディ・スナッチャーズ(1993)」、「インベージョン(2007)」と4度も映画化されています。

出演者は豪華で、マシューがドナルド・サザーランド、エリザベスが「デッドゾーン」のブルック・アダムス、ジャックが「ザ・フライ」のジェフ・ゴールドブラム、ナンシーは「エイリアン」のヴェロニカ・カートライト、精神科医デイヴィッドがMr.スポック=レナード・ニモイ。

監督は「ライトスタッフ」のフィリップ・カウフマン、特殊メイクは「ドクター・モローの島」「キャットピープル」等のトム・バーマン。
基本的にはサスペンス演出が冴え渡るSFホラーですが、形作られる途中のクローン人間や、あの有名な人面犬のシーンなど、要所要所にショッキングなシーンが盛り込まれています。
ラストのオチは衝撃的です。(あんな顔芸ができるのは彼だけですね。。。)

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  1. 2012/11/07(水) 19:39:42|
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「プロメテウス」 エイリアン1作目の前日譚!人類の起源!エイリアン誕生の秘密!スペースジョッキーの正体!

プロメテウス (原題:PROMETHEUS)
2012年アメリカ映画



リドリー・スコット監督が名作SFホラー「エイリアン」の前日譚として製作したのが「プロメテウス」。
「エイリアン」ファンとしてはリドリー・スコット監督が戻ってくる事で、路線変更を繰り返してよく分からなくなったシリーズを軌道修正し、本来の姿に戻ったプリクエルになると期待していいました。
ところが製作が進むにつれ入って来た事前情報は、企画当初よりも前日譚としての色合いが薄れて「エイリアン」から独立したオリジナルストーリーになったとの事。
それを聞いてがっくりしましたが、それでもファンとしては無視する事は出来ず、公開と同時に見に行ってきました。

ちなみに、このレビューを書いてる時点ではまだ劇場で公開中です。
ネタバレを大いに含むレビューとなりますので、これから見る方はご注意下さい。


まだ人間が存在していない太古の地球に、人間に良く似た一人の宇宙人が降り立つ。
自ら黒い液体を飲み干すと苦しみだし、体のDNAが破壊され始めた体は崩れ落ちて激流の川の中へと落ちていく。
川の中で粉々になった宇宙人の体は水の中でDNAが再編成され、地球の生物の源が形成されていく。。。

2080年代、地球上の各国の古代遺跡などから6つの点が描かれた壁画が見つかる。
これは古代の人間が存在を知るはずが無い、はるか遠くにある太陽系に良く似た惑星系を示すものである事が判明する。
そこで、壁画の謎を発見したエリザベスとチャーリーカップルの他、専門家、宇宙船のクルー、スポンサーのウェイランド社スタッフによる調査隊が編成される。
彼らは壁画に導かれるように宇宙船プロメテウス号で惑星LV226現地へと赴く。

LV226で一行は人工的な建造物を発見、調査に向かう。
まず遺跡の中で見つけたのは「エンジニア」と呼ばれる巨大な体の宇宙人(例のスペースジョッキー)の遺体。
調査に同行したウェイランド社のアンドロイドのデイヴィッドが遺跡の文字を解読、ホログラム映像の再生に成功し、逃げ惑うエンジニアの姿が映し出された。
その状況に恐れおののいた2人の科学者は先にプロメテウス号に戻るといって一行から離脱する。
そして奥へと進んだ一行が目にしたのは、人間の顔を模したような石造と、並べられた無数の筒状の物体。
その頃、外では猛烈な嵐が近付いてきたため、一行は遺体の頭部を、またデヴィッドは誰にも気付かれないよう筒状の物体を1つバッグに入れてプロメテウス号に持ち帰った。

(どうして知ったのかは明らかになっていないが…)
プロメテウス号の船長によると、エンジニア達が生物兵器であるエイリアンを開発するための星がこのLV226ではないかという事だった。

プロメテウス号へ戻ると、先に戻ったはずの二人が帰っておらず、建造物の中で迷っている事が判明。
二人は嵐が過ぎるまで内部で過ごす事になってしまう。
筒状の物体が並んでいる部屋では、筒の上部から黒い液体が染み出すように流れ出し、地面を流れていた。
その液体は地面を這う小さな虫を蛇のような生物へと変化させ、二人の科学者に襲い掛かる。
手に巻きついたその生物を剥がそうとナイフで切断すると、酸性の体液が飛び散った。。。

プロメテウス号の中でデイヴィッドが筒を開けると、中には黒い液体が入っていた。
そしてその液体を一滴、チャーリーの飲み物へ混ぜて飲ませてしまう。
その夜、何も知らないチャーリーは、エリザベスと一夜を共にする。

翌朝、内部に取り残された二人と連絡がつかなくなったため、一行は再び建造物内部へと入る。
しかしそこでは一人の科学者の遺体を発見する。
もう一人はというと、酸を浴びて死んだはずだったのに、馬鹿力の怪物となってプロメテウス号の前に現れた。
クルーを次々と殴り殺していくが、最後は火炎放射器で焼き殺されて絶命する。(この辺りは「遊星からの物体X」のようです…)

建造物の中ではチャーリーの体に異変が起きていた。
眼球や肌が変色し、もがき苦しみだした。
一行は治療のため、チャーリーを連れてプロメテウスに引き返す事にする。

その頃デイヴィッドは、建造物内の一角でエンジニアの宇宙船のコックピットを見つけていた。
ホログラム映像を再生し、宇宙船の操作方法や、地球へ向けて飛び立つ予定だった事を知る。
そして、生命維持装置(?)の中で眠る、冬眠状態のエンジニアを発見するのだった。

プロメテウスまで戻ってきた一行だったが、チャーリーの症状は悪化し、火炎放射器で焼き殺されてしまう。
失意のエリザベスに、デヴィッドは人間ではない何かを妊娠している事を告げる。
しかも行為は昨夜なのに既に3ヶ月目程度まで育っているという。
エリザベスは自動手術マシーン(?)に入り込み、腹部を切開し、中からイカのような生物を取り出す事に成功する。

取り出した生物を閉じ込め、近くの部屋に逃げ込むと、死んだと言われていたウェイランド社長が居た。
自らの死期が近いと悟った社長は、人類の創造者であるエンジニアに会って延命を頼むという。

再度建造物の中に入り、エンジニアを目覚めさせるが、エンジニアは社長を撲殺。
デヴィッドも首をもぎ取られてしまう。
エリザベスは必死に建造物から逃げようとするが、エンジニアはコックピットに座り、宇宙船を発進させようとする。
行き先は地球。
人間を滅ぼすために黒い液体をばら撒きに行くというのだ。
エンジニアの意図を知ったエリザベスは、宇宙船を地球へ行かせてはならないとプロメテウスに伝える。
それを聞いたプロメテウスのクルーは宇宙船めがけてプロメテウスを発進させ、自爆を代償に宇宙船を墜落させる事に成功する。

惑星上に一人取り残されたエリザベスは、酸素を補給しに、プロメテウスの残骸へと向かう。
しかしそこにエンジニアが現れエリザベスを襲う。
エリザベスがドアを開けると、そこには自らが産み落としたイカ生物が巨大化して潜んでおり、エンジニアに襲い掛かった。
その隙に船外へと逃げ出すエリザベス。
エンジニアはイカ生物の触手を口に突っ込まれて絶命する。

途方に暮れるエリザベスに、首だけとなったデイヴィッドから連絡が入る。
この星にはもう一機、エンジニアの宇宙船が隠されているという。
自分を助けてくれればこの星から脱出することが可能だと言われ、デイヴィッドを救出に向かう。
しかしエリザベスは地球へ帰ることが目的ではなかった。
エンジニアが住む本当の惑星に向かうよう、デイヴィッドに指示するのだった。

誰もいなくなったLV226ではイカ生物に殺されたエンジニアの腹が蠢いた。
次の瞬間、エンジニアの腹を突き破ってエイリアンの成虫が誕生したのだった。。。


ストーリーの概略はこんな感じですね。

CMでは「人類の起源」と謳っていましたが、それは導入部分だけで、結局は「エイリアンの起源」と「スペースジョッキーの正体」を捜し求めるお話でした。
思ってた以上に「エイリアン」の要素が生きていたので「エイリアン」好きには堪りませんでした。

エンジニア=スペースジョッキーの素顔にはびっくりしました。
像の鼻のような顔をしていましたが、あれはなんとマスクだったんです。
そのマスクを外すと、中には人間そっくりの顔が現れます。
何となくそんな気はしてましたが、1979年に見た「エイリアン」からずっと思い込んできた顔がお面だったというのはそれでも衝撃的でした。

あと今回は今までのエイリアンとはデザインがかなり違います。
まず大きく分けて2種類。
筒よりあふれ出した黒い液体から生まれた子と、エリザベスの胎児として生まれた子。
黒い液体の方は触手の無いヌメヌメしたフェイスハガーですが、こいつが成体となった後の姿は出てきませんでした。
エリザベスから生まれた方は最初はイカみたいなんですが、巨大化して足を開くと超大型フェイスハガーへと早変わり。
どちらも「エイリアン」のフェイスハガーとはデザインが大きく異なります。

またエンジニアから生まれるのはチェストバスターではなく、いきなりエイリアンの成虫が生まれます。
このエイリアンもH・R・ギーガーの物ではなく、ヌメヌメして凹凸の少ないデザイン。
口の中に仕込まれた顎も備えてるのですが、顎の迫り出し方が異なります。

これら旧作品とデザインが異なるのは、エイリアンが進化の途中だから?
それとも今風にリデザインされたのでしょうか?
その辺ははっきりさせず有耶無耶のまま終わります。

他にもイマイチすっきりしない部分が多い。
例えば黒い液体の正体とか、円筒の正体とか。
最初から続編の製作も考えられていたようですので、次の作品で明らかになるのでしょうか。
とりあえず、これにはあえて突っ込まずに今は流しておいた方が良いのかもしれませんね。

ところで、先日残念なことにリドリー・スコットの弟さんで、「プロメテウス」の共同プロデューサーでもあり映画監督のトニー・スコットが自殺して亡くなってしまいました。
リドリー・スコットはイギリスで製作に取り掛かっていた次回作の撮影を中止して、アメリカの家に帰ってしまったとか。
次の作品は「プロメテウス」の続編ではなかったようですが、続きが見れるのはいつになるのでしょう。。。

   
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  1. 2012/08/31(金) 17:38:01|
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「エイリアン2」 傑作SFホラーはSF戦争アクションへと生まれ変わる!今度は戦争だ!

エイリアン2 (原題:ALIENS) 1986年アメリカ映画



世界中で高評価と高収益を得た「エイリアン」の続編は、低予算SFアクション「ターミネーター」を大成功させた若手監督ジェームズ・キャメロンに託されました。
ジェームズ・キャメロンはリドリー・スコットが敷いたレールをあえて外れ、独自の世界観にエイリアンシリーズを導きました。
複数形になったタイトル、キャッチコピー「This Time It's War(今度は戦争だ!)」が示すように、今回はとてつもない数のエイリアンが襲い掛かってきます。

前作の最後でエイリアンを倒した後、救命艇で冷凍睡眠に入ったまま地球を目指したリプリー。
しかし救命艇は地球を通り過ぎ、57年間も宇宙を彷徨った末にようやく救助される。
運良く救助されて地球へ戻ったリプリーだったが、自分の家族や知人は皆この世を去った後だった。
また、エイリアンとの激闘の末、爆破したノストロモ号に関する責任を問われるが、誰もエイリアンの話など信じてくれない。
しかも、リプリーたちがエイリアンと遭遇したあの惑星LV426は、現在は宇宙植民地として大勢の家族が移住して平和に暮らしているという。
また移住にあたって惑星を調査したが何も発見されなかったというのだ。
こうしてノストロモ号爆破の責任を負わされ宇宙航海士の資格を取り上げられたリプリーは、倉庫での仕事を得る。
しかし毎日あの時の体験が悪夢として甦り、リプリーを苦しめるのだった。
そんな時、LV426の移住者たちとの通信が途絶えてしまう。
LV426を知る唯一の人間として、リプリーは宇宙海兵隊と共に救助へ向かうことになる。
しかしそこには、以前経験したよりも遥かに強大な敵が待ち構えていた。。。

前作でも卵が並んでいる場面はありましたが、何があの卵を産んだか?は明らかにされませんでした。
それが今回は明らかになります。
女王蜂のように、兵士エイリアン(ウォリアー)をコントロールするエイリアンクイーンが登場します!
このNEWキャラ、エイリアンクイーンが卵を産んでいたのです。
今回は植民地の人間たちをホストにして誕生したたくさんのウォリアーが登場します。
クイーンの登場により、前作で1体倒すのに四苦八苦したウォリアーがペーペーのその他大勢に格下げです…。
対する人間側も強力な火力を誇る宇宙海兵隊なので、ウォリアーはすっかりやられ役。
でも前作同様の賢さと、前作以上の素早さも兼ね備えているので、奇襲攻撃などで人間を苦しめます。

そして「エイリアン2」で重要な役割を担うのが、植民地の住民の唯一の生き残りであるニュートという少女。
家族を目の前で殺され、独りぼっちだったニュートに母性を刺激されまくったリプリー。
しかし惑星を脱出直前、ニュートがさらわれた事で怒り爆発。
生き残った海兵隊は怪我人のみのため、自ら銃や火炎放射器などフル武装でエイリアンの巣へと突撃します。
無事ニュートを救出するも、そこでついに対面するのがエイリアンクイーン。
「ニュートを連れ去りやがって、こんにゃろ」とばかりに卵にグレネードランチャーを打ち込みます。
ここから母性VS母性の壮絶なバトルがスタート。

最初から最後までハイテンションで畳み掛けるのはいかにもジェームズ・キャメロン!
登場人物たちをそこまで追い込まんでも…と憐れみすら覚えてしまうほど窮地に追い込みます。

前作でアンドロイドに痛い目を見せられたリプリー、同行したアンドロイド、ビショップをやたらと毛嫌いしています。
それが最終的にヒューマンな感動を与えてくれる辺りが個人的に好きな部分です。

エイリアンウォリアーは前作のデザインを踏襲しつつ、ややゴツゴツした造形に変化しています。
エイリアンを作り上げたのは「ターミネーター」でもジェームズ・キャメロンと組んでいたスタン・ウィンストン。
第二班監督も努めるなど、深く携わっています。
その他、特殊効果で有名どころはダグ・ベズウィック、ブライアン・ジョンソンなど。
そしてコンセプトアーティストにシド・ミード、コンセプトデザイナーとしてロン・コッブも参加。
だからメカニカルデザインも格好いいですよ~。

主要な出演者はシガーニー・ウィーバー以外はジェームズ・キャメロン組の俳優さんが多数。
マイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン、ビル・パクストン、ジャネット・ゴールドスタイン(バスケス=T2の継母=タイタニックと共に沈んでいく母親)など。

劇場公開版も文句なしに面白かったですが、後年発表されたディレクターズカットもお勧めです。
映画会社の都合でジェームズ・キャメロンが泣く泣く削除したというシーンが追加されています。
冒頭、ようやく地球に帰ったリプリーが、自分の娘が老衰で先に亡くなっていたという事実を知る場面。
これはあった方が物語りに深みが出るし、ニュートを守るために戦うリプリーの精神状態を理解する上でも重要なシーンだと思います。
また移民が例の宇宙船を見つけるシーンは、前作からのファンには嬉しいですね。

じっくりと恐怖を描いた1作目に対し、戦争アクションになった2作目。
SFホラーの要素は薄れてしまいましたが娯楽度は大幅にアップ。
正攻法を避けて数とアクションで前作と違う形に昇華させたジェームズ・キャメロンは賢いですね。
職人監督リドリー・スコットとも、傑作SFホラーである前作とも比較されるリスクは避けられたし。
(あ、決して前作より劣っているという訳じゃないですよ!)

 

   



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  1. 2012/08/28(火) 20:10:09|
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「エイリアン」 傑作SFホラー!人気シリーズの原点であり、衝撃度は最大!

エイリアン (原題:ALIEN)
1979年アメリカ映画



貨物運搬宇宙船ノストロモ号は地球へ向けて宇宙を航行していた。
近くの惑星から発信される電波を受信し、会社の命令で調査へと向かう事になる。
到着した惑星で発信源へと向かうクルーたちが目にしたのは、大昔に放置されたと思われる巨大な異性人の宇宙船だった。
宇宙船の砲座には、胸に穴が開いて息絶えた異性人の遺体が、化石化した状態で横たわっている。
そして砲座のすぐ横には穴が開いており、そこからクルーのケイン(「エレファントマン」のジョン・ハート)が船内へと入っていくと無数の卵らしき物体が並んでいた。
その中の一つを覗き込んだとき、卵から飛び出した何かがケインの顔に飛びついた!
顔に異物を付けたまま意識を失ったケインはノストロモ号に運び込まれるが…

以上が導入部分です。
SFホラーの金字塔ですから見た事がある人も多いと思われますが、ストーリー紹介は一応ここまでで止めておきます。
監督リドリー・スコットの暗黒の美学が炸裂した映像が圧巻です。
悪趣味と美をギリギリのラインで融合させたエイリアンや宇宙船のデザインはスイスの画家H・R・ギーガー。
性器などをモチーフとした独特のデザインは有機質と無機質を組み合わせた独自の世界観を構築。
機械である宇宙船を有機的に、生物であるエイリアンを無機的にデザインしたのは何ともお見事です。不気味で仕方が無い。
エイリアンの造形は後のシリーズに登場するものよりもヌメヌメしており、デザインはこの一作目が一番だと思います。
長い頭をゆっくりもたげるシーンなんてゾクゾクします。
このエイリアンヘッドを作り上げたのは、モンスタースーツ(着ぐるみ)の第一人者カルロ・ランバルディ。
ギーガーのデザインを再現した「シャーーーーー!カプッ!」というあの口を作ったのもこの人。
あの口のアップと唇をめくり上げるエイリアンの表情は夢に出てきそう。
成体以外の形態でもインパクトは絶大で、フェイスハガーが顔に張り付いた姿や、胸を突き破って出てくるチェストバスターも印象は強烈です。

メカニカルなコンセプトデザインを担当したのはロン・コッブ。
ジョン・カーペンターの「ダークスター」の宇宙船、「スターウォーズ」のカンティーナのエイリアン、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシン・デロリアン等をデザインした人です。
脚本はこちらもジョン・カーペンターの学友でもあったダン・オバノン。
「ゾンゲリア」の脚本や「バタリアン」の監督、脚本家としても有名ですね。

「エイリアン」シリーズ、「エイリアン2」は銃火器だらけのSF戦闘アクション、「エイリアン3」は刑務所惑星という閉鎖空間で武器も無しに戦うという迷走作品、「エイリアン4」は大人向けダークファンタジー風味と、作品ごとに色が全く違うのが特徴。
でもやはりシリーズ中最高傑作と言えるのはこの1作目だと思います。
「エイリアン2」のように無数のエイリアンが出てくる訳ではなく、たった1匹のエイリアンと戦うのですが、じっくりと戦いを描いたおかげでその恐怖感といったら大変なものです。
SFホラーの最高傑作は間違いなくこの「エイリアン」1作目でしょう。
異性人の中でもこいつが最強!と痛感させられます。

現在は「エイリアン・ディレクターズカット」というバージョンも存在しています。
意識して見比べて見ると細かいシーンが増えたり減ったりしてるのですが、最も大きな変更点が、トム・スケリット演じるダラス船長とハリー・ディーン・スタントンがエイリアンに捕らえられ、壁に貼り付けられているシーン。
「エイリアン2」でも同様のシーンがあり、卵の中のフェイスハガーに襲わせ、幼虫(チェストバスター)のホストとされるという設定でした。
ところがこの1作目の舞台はノストロモ号船内であり、卵も無い、フェイスハガーもいない、エイリアンクイーンも居ない状況。
この状況で船員を捕らえるのにはどういう意味があったのでしょうね???
単なる習性なんでしょうか?意味の無いことに手間を掛けるような頭の悪い生物には見えないんですがね。。。

とうことで、個人的には劇場公開版の方がすっきりと見終われるのでお勧めです。
ちなみにDVDで「ディレクターズカット」を所有していますが、これに「劇場公開版」も収録されています。
これならDVDでも充分!と思わせる高画質も素晴らしいです。

      




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  1. 2012/08/28(火) 20:06:31|
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これぞ決定版スターウォーズ!「Blu-rayボックス」

スターウォーズBlu-rayボックス
2011年発売



待望のBlu-ray版スターウォーズが2011年9月に発売になりました。
「スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイBOX」です。
子供の頃からスターウォーズは大好きなのでもちろんDVDもコンプリートしていましたが、Blu-rayも大枚はたいて発売日に入手しました。
もうその映像の精細さに加え、音声の広がり感、深さ、伸びなど、Blu-rayならではの情報量は感涙ものです。
映像も音声もとにかく艷やか。
以前のDVDなんて全く比べ物になりません。

それでも自分としては、今年2012年から順次公開されていく3D版も控えていたので、Blu-ray版は最終仕様ではないと思っていました。
でも先日、エピソード1ファントムメナス3Dを劇場で見てきたのですが、正直言ってそれほど感動はしませんでした。
もちろん奥行き感が増し、スケール感がアップした映像で3Dの効果は実感しました。
ポッドレースの迫力なんて2D版とは格段の差。
それでも感動の度合いで言ったら、Blu-ray版を見たときの「おおっ!」という驚きには遠く及ばないものでした。
そんなこんなで改めてBlu-ray版が愛おしくなり、今更ながらここで紹介してみた次第です。

映像特典の量も膨大で、それぞれの特典の内容も濃い。
全て見るには結構気合が必要なほど。

定価は17,000円超、amazonでは5,000円引きで12,000円(2012年3月現在)。
一般的なBlu-rayボックスでこの値段は高額だし二の足を踏みますが、「スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイBOX」に関しては、内容を考えたら全然高くないです。
高額どころか非常にお買い得だと思います。
もしも値段で購入を躊躇している方がいるなら、これは迷わず買っちゃうべきだと思います!

それでも高いというなら、旧三部作と新三部作で分けても発売されているので、半分ずつ買うというのも手ですねっ。
ただこちらには特典が含まれていないので悩ましいところですね~。


  

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  1. 2012/03/28(水) 18:17:51|
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かひ

Author:かひ
映画大好きです。今まで映画にどれだけお小遣いを注ぎ込んだか…。でも最近はamazonマーケットプレイスで激安中古DVDを買い漁って楽しむのがマイブームです♪価格1円+送料340円なんていう素敵な値段で買えるDVDがたくさんあるんですよ~。

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