ホラー映画友の会

ホラーファン歴30年、今まで見てきたホラー映画を紹介します。

「クジョー」 スティーブン・キングが描く狂犬病セントバーナードの恐怖

「クジョー」
(原題:CUJO)
1983年アメリカ映画




このブログ、たまに見返してみると「あ、あの作品を取り上げてなかったんだな」と気付く事があります。
今日書こうと思っている「クジョー」もそんな一本。

主婦のドナは、広告業の夫、幼い息子タッドと共に広い庭付きの家で暮らしています。
その裏で、家に出入りしている家具職人のスティーブと不倫関係を続けていました。
罪の意識に苛まれていたドナは、スティーブの自宅を訪ね、関係を清算することを伝えます。
しかし、浮気していたことが夫ヴィックにバレてしまいます。
ギクシャクした関係のまま、ヴィックは仕事で出張へ出掛けてしまいます。

そんな中、ドナの愛車フォード・ピントが不調になり、息子タッドを連れて町外れに建つ、腕利きの修理工場へ向かいます。
しかしその工場では、クジョーという名のセントバーナードが狂犬病に感染し、工場のおやじとその仲間を噛み殺した後でした。
どうにか修理工場の前まで辿り着きますが、そこは誰も居ません。
そして愛車はついに息絶え、不動状態になってしまいます。
そんな母子が乗る車の前にクジョーが現れ、襲い掛かります。
車内に逃げ込むものの、車は動かず、車外に出る事もできません。
郊外にポツンと建つ工場なので、外部からの助けも絶望的。
携帯電話も普及していない時代ですから通信手段もありません。
しかも炎天下、高温の車内で幼いタッドは脱水症状に陥ってしまいます。

一家の自宅では、ドナとの復縁を望むスティーブが忍び込み、腹いせに家の中を荒らして出て行きました。
ドナと連絡がつかないことを心配したヴィックが帰宅し、警察に通報。
スティーブが家を荒らして妻子を連れ去ったと考えますが、程なくして逮捕されたスティーブは誘拐を否定。
ドナの車が無いことから、修理工場へ確認の為に警官が向かいますが、クジョーに噛み殺されてしまいます。
警官との連絡が取れなくなったと聞いたヴィックは、自ら修理工場へと車を走らせます。

その頃、衰弱したタッドの呼吸が停止、一刻を争う状況に。
ついにドナは、クジョーと対決するために車の外へ出ていきます。。。

スティーブン・キングの小説を映画化した作品ですが、熱心な原作ファンからは厳しい意見も多いんですよね。
私も原作を読みましたが、小説の方はクジョーに襲われるまでが非常に長い。
クジョーという作品を端的に表現するなら「狂犬病のセントバーナードに母子が襲われる話」ですが、そこへ辿り着くまでに登場人物をしつこく描写しているのが原作の特長。
背景にあるものが丁寧に描かれたうえでクジョーの恐怖へ繋げることで、お話に厚みを持たせているんです。

それに対して93分に収めた映画版では、小説の前半部分はサラッと描くに止め、クジョーの襲撃をクローズアップしています。
原作ほどの厚みは感じられず、よくある動物パニックホラーになっています。
ただ、映像化するにあたってはこれも一つの手段としてアリだったのではないかと思います。
延々と家族や不倫を描かれても観客は退屈すると思いますし、90分程度という長さは丁度良かったと感じます。
原作から端折られている部分があるのも確かですが、スティーブン・キングらしい遊び心もしっかり息づいています。
クローゼットのモンスターに怯える少年や、ドナを「浮気なんかするから罰が当たったんだよ」と責めていたら、浮気相手の嫌がらせのおかげで事件が発覚する皮肉とかね。
個人的に、映画化失敗!と切り捨てるには惜しいと思いますね。

監督は巨大化したワニが人を襲う「アリゲーター」や、「キャッツアイ」「ナイルの宝石」「ネイビーシールズ(1990)」などを撮ったルイス・ティーグ。
大作を撮ってもB級にも届かないC級映画になっちゃう人ですが、その中でも「クジョー」は十分見れる作品です。
この監督特有のまったりした演出が、じわじわと母子の体力を奪う場面で活きているのかもしれませんね。
撮影は、後にキアヌ・リーブスの「スピード」で監督として大ヒットを飛ばすヤン・デ・ボンです。
狭い車内でカメラをグルグル回しながら母子の表情を交互に捉えたカットなど、映像でもしっかり楽しませてくれます。

キャストは、ドナ役がディー・ウォレス。
「E.T.」ではエリオットのお母さん、「ハウリング」で狼男を追う女性キャスター、「サランドラ」でミュータントに襲われる娘などを演じていましたね。
昔からきれいなおばさんだと思っていましたが、今見るときれいなお姉さん。改めて結構好きな女優さんです。
浮気相手のスティーブを演じるクリストファー・ストーンは、「ハウリング」でもディー・ウォレスと共演。
後に実生活でも結婚しましたが、早くに亡くなってしまいました。
旦那役のダニエル・ヒュー・ケリーは、テレビドラマ「探偵ハード&マック」でブライアン・キースと共に主演していました。
日テレで放映されて好きなドラマでしたので、こちらも個人的に好きな俳優さんです。
そして、「クジョー」で一番の大役を果たしているのが、息子タッドを演じた子役ダニー・ピンタウロ。
演技とは思えないほどの迫真の演技で大人を圧倒しています。
泣き叫ぶ姿や、白目で痙攣するシーンは、リアルなんじゃないかと思いますよ。
スティーブン・キング作品は、子役の演技力が作品の評価を大きく左右する気がしますね。
あと、飼い犬に噛み殺される整備工は、癖の強い名脇役、エド・ローターが演じています。
この人も2013年に亡くなってしまったんですよね。
この時代の作品を語る際、亡くなった方が増えてきているのが残念です。。。

海外ではBlu-ray版も出ている「クジョー」ですが、日本ではDVDが廃盤になってから随分長い事見れない状態が続いていますね。
私はDVDを所有していますが、耐えられない画質ではないものの、できることならもっと綺麗な映像で所有したい一本です。




テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2018/06/30(土) 00:19:21|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ホラーキャラクター総出演のパロディ動画


昨日6月13日は「13日の金曜日」の人気キャラクター、ジェイソンの誕生日でした。
小学生の頃、叔母に連れられ「13日の金曜日PART2」を劇場で見て以来の「13金」ファンでして、以降全作を映画館で見ております。
ニューヨークへ行ったり、宇宙へ行ったり、クリーチャーに変身したり、フレディと戦ったりと迷走気味のジェイソン君ですが、今でも彼には特別な思い入れがあります。
2009年の微妙なリメイク作品以降、新作がご無沙汰なのでちょっと寂しいんですよね。(ゲームが発売されましたがハードを持っていないので未プレイ)

ジェイソンと言えば、下記のパロディ動画はスラッシャーホラー映画ファン必見です!
ジェイソンの他フレディ・クルーガー、マイケル・マイヤース、レザーフェイスといった超有名キャラクターに加え、様々なホラーキャラクターが総出演。
細かいネタがこれでもかと詰め込まれており、何度見ても楽しめますよ!



テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2018/06/14(木) 22:32:11|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」 S・キングの名作ホラー小説が映画化!

「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」
(原題:IT)
2017年アメリカ映画




待ちに待ったスティーブン・キング作品の映画化、「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」が公開されました。
公開の週末は生憎出張が重なってしまったため、1週間ほど遅れての鑑賞となりました。

1989年、メイン州の田舎町デリーでは、子供たちの謎の失踪事件が相次でいた。
そこで暮らす7人の少年少女はそれぞれが悩みを抱え、学校や家庭に居場所を失ったはみ出し者。
似た境遇の彼らは身を寄せ合って、仲良しグループ「ルーザーズクラブ(負け犬クラブ)」を結成します。
そんな子供たちの前に、恐ろしいピエロ・ペニーワイズが姿を現すようになります。
少年たちが住むデリーでは27年ごとにペニーワイズが出現し、不吉な事件や事故が起きて死者が出ていたことと、今年がその27年目であることを突き止めます。
町に平和を取り戻すため、少年たちはペニーワイズに戦いを挑みます。。。

「IT」といえば、当ブログでも何度か取り上げた1990年のテレビ版も高く評価されています。
ただ、当時のテレビ映画の製作規模による問題から、部分的なクオリティや配役など、ファンが手放しで喜べないところもありました。
それが今回、ハリウッド(ニューラインシネマ)の潤沢な資金で劇場版が製作されることとなったわけです。

当初から二部構成と言われていたとおり、今回描かれたのは主人公たちの子供時代に表れた殺人ピエロ・ペニーワイズとの戦いまで。
2019年に公開予定と言われている続編では、大人になった主人公たちの前に再度現れたペニーワイズとの死闘が描かれることになるのですね。
今回の劇場版では、原作小説やテレビ版のように現代と過去の回想シーンを行ったり来たりせず、子供時代に絞って丁寧描いています。
スティーブン・キングお得意のいくつもの伏線を間に挟み込み、メインのお話に厚みを持たせていく手法ではありませんが、前編と後編に二分割された劇場用映画としては、時代をまとめて映画いた方が分かりやすいですね。
このように今作で描かれるのは原作の途中までですが、ちゃんと最後の対決シーンで締めてくれ、不完全燃焼でモヤモヤさせないのが良心的でした。

劇場版「IT」の監督は、ギレルモ・デル・トロ製作のホラー「MAMA」を監督したアンディ・ムスキエティ。
「MAMA」も悪くなかったものの、作風がもろにギレルモ・デル・トロ風味だったので、そのダークファンタジー調が監督の持ち味なのか、それともプロデューサーの圧力によるものなのかを判断できませんでした。
だからアンディ・ムスキエティが監督すると聞いたときからどんな「IT」になるか予測ができず、ドキドキしながら公開を待っていました。

結果から言いますと、この映画化は大成功だったと思います!怖かったし、さらに泣けました。
泣かせてくれるところはムスキエティ監督の「MAMA」にも通じる部分ですが、デル・トロ風味は無く、ちゃんとスティーブン・キングワールドを再現していました。
ハリウッド製ホラーの中には、型にはまったこけおどしな作品も多いですが、「IT」は原作やテレビ版に通じる独自の個性をしっかり守っています。

緩やかにジワジワくる怖さだったテレビ版に対し、劇場版は緩急があり、ジワジワ~とワーッ!を使い分けてました。
ビル・スカルスガルド演じるペニーワイズは、ティム・カリーが演じたテレビ版ペニーワイズのようなユーモラスさや得体のしれない不気味さは影を潜めましたが、邪悪な雰囲気が醸し出す怖さは強烈です。
90年代のテレビ映画と比べれば映像的にも色々なことができるので、ペニーワイズが仕掛ける悪さもスケールアップしています。

冒頭から衝撃的だったのは、ビルの弟ジョージーがペニーワイズに襲われるシーン。
幼くかわいらしいジョージーが、原作どおりに片腕が引きちぎられるところまで描くとは。テレビ版では見せませんでしたからね。

テレビ版のちびっ子俳優たちも良かったですが、劇場版の子供達も負けず劣らず魅力的でした。
特に紅一点のビブちゃんを演じていたソフィア・リリスが良かった。
あと、愛する弟ジョージーを失ったビルの苦悩も良く描かれていて、兄弟愛が涙を誘います。
以前のテレビ版よりも子供たちが抱える悩みが具体的に描かれているので、ドラマ性が増しているように感じました。
そんな中で、大人になった仲間をデリーに呼び戻すキーマンとなる黒人少年、マイク・ハンロンをもう少し掘り下げても良かったかな~とは思いましたが。

ちなみに、スタッフも結構楽しんで作っているのが分かるお遊びがたくさん仕込まれていました。
自分は劇場で一度見ただけですが、色々な小ネタに気付きました。

・ベブちゃんが閉じこもっていたトイレの壁には「I HATE CLOWN」の落書き。
・町の映画館ではティム・バートン版「バットマン」、「リーサル・ウェポン2」、「エルム外の悪夢5」が上映中。
・ぽっちゃり体系のベン少年のTシャツに描かれた顔のついた車のイラストは、スティーブン・キングが監督した「地獄のデビルトラック」に出てくる殺人トラックのよう。
・ベン君の好きなポップグループ、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックには、キング原作の映画「ドリームキャッチャー」に出演していたドニー・ウォールバーグが在籍。
・いじめっ子ヘンリーが乗る青いトランザムは、キング原作の映画「スリープウォーカーズ」にも出てました。
・ラスト、子供たちが家路に着くシーンは、キング原作の映画「スタンド・バイ・ミー」のよう。

もっと色々な小ネタが仕込まれていそうなので、何度も見返して楽しめそうですね~。

大人になった少年たちとペニーワイズとの最終決戦が描かれるであろう第二章の公開までしばらく時間があります。
とりあえずは第一章のDVD発売を楽しみに待ちたいと思います!(その前にまた劇場へ見に行っちゃうかもしれませんが。)

(※変な邦題には未だに慣れません。。。)


【追記:リメイク版のBlu-ray&DVD発売!!】

     



1990年製作のテレビ版「IT」↓

 

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2017/11/22(水) 23:36:29|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「悪魔のいけにえ」のトビー・フーパー監督死去。。。

新しい一週間が悲報と共に始まりました。

トビー・フーパー監督が亡くなったそうです。。。
あの「悪魔のいけにえ」の…なんて説明するのもおこがましいくらい、現代のホラー映画に多大なる影響を与えた偉人ですね。
「悪魔のいけにえ」は子供のころから何度見た事か。
VHSに始まり、DVD、Blu-ray、バージョン違いも含めて何度も買い直してきました。
何度見直しても、体がその恐怖、嫌悪感に慣れることはなく、見る度に自らのトラウマに塩をすり込むかのよう。
オープニングのストロボと共に神経を逆なでする効果音に、いかれたヒッチハイカー、重々しい引き戸、痙攣する被害者、懐中電灯に照らし出されるレザーフェイスの顔、サリーの眼球のアップ、チェーンソーのエンジン音…視聴者の精神を徹底的に痛め付けるために作ったのでは?と思えるほどダメージを受けます。
こんな映画は他に見た事がありません。
そんな作品を作り上げたトビー・フーパー監督の訃報は、世界の映画界、映画ファンにとって大損失ですね。

とはいえ、「悪魔のいけにえ」以外に手掛けた映画で傑作と呼べるほどの作品は無く、どれもぼちぼちな出来です。
個人的に「悪魔のいけにえ」に次ぐ傑作!と太鼓判を押す「悪魔のいけにえ2」も、世間では散々な評価ですし。
トビー・フーパーファンとして何となく感じるのは、「悪魔のいけにえ」の成功でハリウッドに招かれて撮るようになったそれ以降の作品は、監督の作風と映画が噛み合っていないように見えます。
ロケがドキュメンタリーのような臨場感を生んでいた「いけにえ」に対し、ハリウッド1作目の「悪魔の沼」は、スタジオと作り物の中で生み出されたことがはっきりと分かりました。
飼っているワニの餌にするため、宿泊客を大鎌で殺しまくるモーテル経営者というショッキングなネタなのに、全然怖くない。
常軌を逸したストーリーが、逆に作り物っぽさを助長してしまうという残念な結果でした。
テレビ映画として撮ったスティーブン・キング原作の「死霊伝説」は、テレビという規制の中だから毒が無い代わりに、ゴシックホラーのような作品も撮れるんだということを見せてくれたように思います。
続く劇場用作品「ファンハウス/惨劇の館」では、リック・ベイカーのクリーチャーを活かし切れず、もはやトビー・フーパーじゃなくても良かったのでは?というくらい普通のB級スラッシャーものでしたが、これがスティーブン・スピルバーグの目に留まって大作ホラーファンタジー「ポルターガイスト」の監督に抜擢されます。
ところが、実質的な監督はスピルバーグと言われるくらいに望んだ仕事はさせてもらえなかった模様で、それ以降はB級映画で破竹の勢いだったキャノンフィルムで、「スペースバンパイア」「スペースインベーダー」そして私の大好きな「悪魔のいけにえ2」を撮ることになります。
B級専門の映画会社とはいえ、贅沢なスタッフと、それなりの予算が与えられ、評価はそこそこながらもファンを喜ばせるには十分な作品たちでしたね。
その後は数年おきにポロポロとホラー映画を撮っていましたが、どれも微妙な出来。
近年は、劇場用作品よりもテレビ用に作られた短編の方が記憶に残っています。

初期の「悪魔のいけにえ」が神がかり的な出来栄えだったため、若くして伝説のホラー作家として祀り上げられてしまいましたが、それがトビー・フーパーにとって幸運だったのか、それとも不運だったのか。。。
でも「悪魔のいけにえ」は歴史的な傑作ホラー映画として、これからもトビー・フーパーの名前と共に語り継がれていくのは間違いないですね。

今夜は「悪魔のいけにえ」の一作目と二作目を鑑賞しつつ、トビー・フーパー監督のご冥福をお祈りしたいと思います。

それにしても、一昨年はウェス・クレイヴン監督が、昨年はハーシェル・ゴードン・ルイス監督、そして今年はジョージ・A・ロメロ監督とトビー・フーパー監督が亡くなってしまいました。
子供のころから親しんできた監督たちが次々とこの世を去ってしまい、どんどん寂しさが募ります。。。
間もなくホラー映画の一時代が終わろうとしているのは間違いありません。
他のベテラン監督さんたちにはどうか長生きしてもらって、いぶし銀の作品ももっと見せてもらいたいですね。

   
    
   

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2017/08/28(月) 19:43:42|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

スティーブン・キング原作「IT」のリメイク版トレイラー公開

スティーブン・キング原作、ホラー版「スタンド・バイ・ミー」と呼ばれる名作「IT」のリメイク版トレイラーが公開されましたね。



前回は90年代にテレビシリーズとして映像化されましたが、連続モノならではの尺の長さを利用して、とても見ごたえのある作品でした。
ただ、その長さが災いして冗長と感じさせる面もあり、劇場版として製作されたこのリメイク版の仕上がりは非常に気になりますね。
また、予想外な展開を見せるラストシーンは、テレビ版ではその衝撃よりも予算の関係かあまりにチープな「それ」の姿に愕然。
最後の最後までは本当に面白かったのに、終わり間際の見せ場となるシーンで評価を一気に下げてしまいました。
スティーブン・キングの小説にありがちな、それまでの流れを全てひっくり返すような展開なので、そこがちゃんと作り込んでくれないからなおさら受け入れづらくなってしまったんですね。多分。
そんな賛否両論だったラストのまとめ方にも期待が高まります。
あと、心配していた恐怖の権化として描かれるピエロですが、今回の予告編でチラッと映る姿を見る限りなかなか良さげ。
テレビ版「IT」がトラウマ級の恐怖を生み出したのは、間違いなくティム・カリーが演じたそのキャラクターのおかげです。
リメイク版でもそれに匹敵するキャラクターを作り上げて欲しいですね。

アメリカでは今年の9月公開らしいですが、今から日本で公開されるのが楽しみです。

1990年製作のテレビ版「IT」のレビューはこちら↓↓↓
「イット」 スティーブン・キングの長編小説をTVドラマ化


  


テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2017/03/30(木) 19:34:59|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「ファイナル・デッドブリッジ」 監督と脚本家を入れ替えてのシリーズ5作目

「ファイナル・デッドブリッジ」
(原題:FINAL DESTINATION 5)
2011年アメリカ映画




イマイチという評判を聞いて未見だった前作「ファイナル・デッドサーキット」を少し前に見た流れで、何となく見てみたシリーズ5作目。
4作目はうわさ通りの出来だったのでこのシリーズはもう見なくていいかな…と思ったのですが、この5作目は監督と脚本家が代わったということでもう一度だけ見てみることにしました。
監督のスティーブン・クォーレは、「タイタニック」や「アバター」の第二班監督を務め、「ファイナル・デッドブリッジ」の次に竜巻映画「イントゥ・ザ・ストーム」を撮った人です。
また脚本はリメイク版「エルム街の悪夢」「遊星からの物体X・ファースト・コンタクト」を書いたエリック・ハイセラー。
この脚本家さん、この後にポール・ウォーカー主演の「ハリケーン・アワー」の脚本&監督を務めた方です。
「ハリケーン・アワー」は、ハリケーンで無人となった街の病院で、保育器から出せない生まれた直後の我が子を守る、新米パパを描いた人間ドラマでした。
日本ではディザスター映画のように宣伝されたためそのイメージで見た方からは評価が低いようですが、限られた狭い舞台の中で展開する低予算作品ながらも、サスペンスと温かみのあるストーリーが個人的にとても心地よかったです。
このあたりの人選を見ると、製作サイドも「ファイナル・デスティネーション」シリーズにテコ入れしようとしたのかな?なんて思えたりしますね。

今回は工事中の橋が崩落するという事故で命拾いした新社会人たちが主人公です。
就職先の研修旅行のためバスに乗っていたところ、主役のお兄ちゃんが事故を予見し、バスを停めて外に飛び出します。
それにつられて数名の男女が下車したところ橋が揺れ始め、全員橋のたもとまでダッシュ!間一髪のところで助かります。
しかし、彼らはもともとその事故で死ぬ運命だったため、その命を奪う為に運命が追いかけてくる。。。

オープニングの橋崩落シーン以降はいつも通りの展開です(笑)
本来橋で死ぬはずだった順番通り、若者たちが一人ずつ無残な死を遂げていきます。
その死の連鎖を止めるためには、誰かが助かってその流れを止めなければいけない。
結局、監督と脚本が代わってもシリーズ一連の連鎖は止められなかったみたいです(汗)
でも、前作「ファイナル・デッドサーキット」と大きく違うのが、シリーズ初期のようなシリアスタッチに軌道修正した点。
前作は悪ふざけが過ぎたためにリアリティが感じられず、また死に方も悪い冗談みたいなシーンばかりでそれがCGの粗となって表れていました。
ヤケクソで暴走したかのような前作よりも、真面目に新しい「ファイナル・デスティネーション」を作り上げたところは評価したいですね。

あと、驚いたのがラストのオチ。
橋の惨劇を乗りた生き残りの若者たちは、新生活を始めるためにパリ行きの飛行機へと搭乗します。
するとその飛行機には、なんと「ファイナル・デスティネーション」1作目の登場人物たちが乗ってるんです!
冒頭からちょっと古めのクルマが多く出ていたので「予算が無かったのかな…」なんて考えていたのですが、この5作目の舞台は、1作目が製作された2000年のアメリカだったんですね。
飛行機から降りる!降りない!と揉めてる彼らを横目に、主人公たちを乗せた飛行機は離陸するのですが…1作目を見た人ならその後どうなるかはご存知ですよね。。。
最近が舞台かと思って見ていたら、5作目のお話は1作目よりも以前に起きた事件だったというオチ。
1作目に対する監督と脚本家のリスペクトを感じずにはいられない展開です。
このラストを見ると、あえてシリーズのお決まりパターンを踏んだのも、旧作に対する敬意の表れなのかなと思えてきますね。

前作のように肉片が飛びまくるような描写は少ないですが、それでも頭部を粉砕したり、路上に転がった眼球をクルマが轢いて潰したり、クレーンのフックが頭部を貫通したりと、容赦ない残酷シーンの連続。
中でも、レーシック手術で使うレーザーが暴走し、肌をジリジリ焼くシーンはきつかったです。
(追記:その後、自身がレーシックの手術を受けることになった際、どれほどこの映画を見たことを後悔したか。。。)

主人公の青年を演じるのはニコラス・ダゴスト、その恋人役は「ウォーキング・デッド」でアンドレアの妹役を演じていたエマ・ベル。
FBI操作官は「レッド・オクトーバーを追え!」でソナーと睨めっこしていたコートニー・B・ヴァンス。
また久々にトニー・トッド(「ファイナル・デスティネーション」「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド死霊創世記」)もシリーズに復活しています。

5作目がヒットしたらさらに続編も作る計画だったようですが、既に5年が経過したのに音沙汰がないということは、これで打ち切りでしょうか?
まあ今作で1作目に話が戻りましたからね、もうこのままそっとしておいてもいいような気もしますね。
シリーズのファンとしてはちょっと寂しい気もしますが。

   


続きを読む

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2016/09/06(火) 20:16:04|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「ホーンズ 容疑者と告白の角」 ハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフ主演のホラー

「ホーンズ 容疑者と告白の角」
(原題:HORNS)
2013年アメリカ/カナダ映画




ハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフ主演のファンタジックなミステリーホラー作品。
監督はアレクサンドル・アジャ。彼が携わったホラー映画は好きな作品が多いので期待大です。
原作を書いたのはスティーブン・キングの息子で、「クリープショー」でわら人形に針を刺していたジョー・キング改め、ジョー・ヒル。

恋人殺しの疑いをかけられた男、イグは、地元の田舎町を報道陣に追いかけ回されて暮らしていた。
町の人間は誰もがイグが犯人だと決めつけている中、弁護を買って出た弁護士のリーを始めとする幼馴染の仲間たちは彼を励ましていた。
ある朝目覚めると、自分の額の左右に突起が出来ている事に気付くイグ。
突起はあっという間に皮膚を突き破り、現れたのは二本の角。
不思議なことに、角の生えたイグを前にした人は隠した醜い本性を露わにして、人を罵ったり欲望を剥き出しにする。
突如得たその能力を使い、イグは恋人を殺した犯人を追い詰めてゆく。。。

ラドクリフ君が出てるという事でソフトなホラー風アイドルムービーかと思って見始めましたが、いやいや、結構えげつないです。
あのハリー・ポッターに、あんな事やこんな事をさせてしまうのですから本当にびっくりです。
最後の方はハリー・ポッターファンは衝撃的過ぎて卒倒しちゃうかも。
ただ、お話はアジャ監督作品としては流血やグロ描写は控え目な方で、ホラーでありながらミステリー要素の強いダークファンタジーといった感じもあります。
恋人が殺されるという悲劇的な作品でありながら、オープニングに繋がるエンディングでちゃんと救われます。
このラストシーンにロマンティックが止まりませんでした。

他の出演者は、殺される恋人メリン役が「ミスター・ノーバディ」のジュノ・テンプル、弁護士リー役はアンソニー・ミンゲラ監督の息子であるマックス・ミンゲラ、主人公のお兄ちゃん役はリメイク版「ザ・クレイジーズ」のジョー・アンダーソン、同じくお父さん役は「ワイルドスピード2」のジェームズ・レマー、お母さん役は「ヒルズ・ハブ・アイズ」のキャスリーン・クインラン、メリンのお父さんは「グリーンマイル」のデヴィッド・ モース、むかつくけどエロかわいいウェイトレスに「キリング・ミー・ソフトリー」のヘザー・グラハム。
結構有名な俳優が大勢出演していますが、中でもやはりダニエル・ラドクリフの存在感は抜群で、非常に魅力的です。
単なる子役上がりのアイドル俳優ではない事を証明していますね。
「ハリー・ポッターの~」という肩書きが外れるのに時間はかからなそうです。
ちなみに「ロード・オブ・ザリング」のイライジャ・ウッドもアジャ監督が製作した「マニアック」で起用されていますが、あちらは変態殺人鬼を演じさせられてちょっと可哀想でした(笑)

では、ぼちぼちネタバレいきます。

ラドクリフ君の角、予想通り悪魔の角でした。
信心深い彼女を救ってくれなかった神を侮蔑した事が原因のようです。
悪魔の角であることを暗示するかのように、オープニングから悪魔絡みの隠れキャラがあちらこちらに仕込まれています。
例えば主人公の愛車がAMCグレムリンだったり、テレビでは悪魔が登場するアニメが流れていたり。
悪魔の能力に目覚めてからは無数の蛇が彼の後を着いてきたり、悪魔と言えばお約束の三つ又よろしく干し草用フォークを持ってみたりと、ステレオタイプな悪魔像を見せてくれます。
最後の最後、ついに正体を現す悪魔は「レジェンド/光と闇の伝説」の魔王のようで、もうラドクリフ君の面影もありません。(でも格好いい♪)
あと、イグが触れた相手の悪しき行いを見通す事が出来るシーンは、原作者ジョー・ヒルのお父さんの「デッド・ゾーン」に通じる描写でちょっと嬉しかったです。

今回は回想シーンを使って上手く謎解きを見せてくれたアレクサンドル・アジャ監督。
この人、ちゃんと計算して作品を作っているのがよく分かります。
やはりそんじょそこらのホラー映画監督とは一味違いますね。
そんなアジャ監督作品の中でもこの「ホーンズ」は、作品としての完成度も高くお気に入りの一本です。

 


テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2016/03/12(土) 18:16:18|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「クリープショー」 北米盤Blu-rayをGET!

ずっと待ち続けているのに、全く発売の情報が聞こえてこない日本版「クリープショー」。
以前の日本版DVDは持っていますが、画質がとにかく酷い。
で、痺れを切らしてついに北米版Blu-rayを購入しちゃいました。
日本のamazonから購入可能で、新品が送料込みで¥1,520という激安です♪
注文から16日でアメリカから到着しました~。

パッケージはBlu-rayならではの青いプラケースですが、日本では見た事が無い薄くてペラペラなケース。
激安価格の理由はこれか?
でもディスクの方は死神のイラストが描かれたピクチャーディスクでした。

北米版のためリージョンAで、日本のプレイヤーでも問題なく再生可能です。
念のために言っておくと、日本語字幕、日本語吹き替えともにありません。
その代わり、英語字幕が出せるので、多少英語が分かる人ならいけると思います。
ちなみに自分は英語が喋れる訳ではありませんが、7割くらいは理解できたかな。
オムニバスですから、そんなに会話も複雑ではありませんし。
(VHSとDVDを何度も見てるので、セリフが記憶されちゃっている部分もありましたが)
音声はドルビーTrueHD2.0で、旧DVDの酷い仕様で見てた自分には十分満足できるレベルです。
映像に関しても鮮明で、特に気になる乱れなども無く、不満はありませんでした。
色彩の発色も良く、毒々しい照明効果も非常に美しく感じられました。
生涯見た中で間違いなくこれが最も奇麗な「クリープショー」です。

日本語じゃないというデメリットはありますが、ガサガサな映像の上に高額な旧日本語版DVDを買う位なら、絶対にこっちの方がお得だと思います。
1500円程度なら例え失敗しても痛くはないですし。
いつ出るか分からない日本語版Blu-ray「クリープショー」までの繋ぎとして、これから繰り返し楽しもうと思います!

【「クリープショー」の作品レビューはこちら】





テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2016/02/09(火) 19:13:27|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「ウィッカーマン」 イギリス製傑作カルトホラー

「ウィッカーマン」
(原題:THE WICKER MAN)
1973年イギリス映画




公開から時間が経つにつれて評価が高まっていった伝説のカルトホラー。
自分は25年くらい前でしょうか、ホラー映画雑誌で褒め称えられていたのを見てレンタルビデオ店で借りて見ました。
その時ですら製作から長い時間を経過していましたが、全く色褪せてなく、当時10代だった自分に衝撃を与えてくれました。

まず予備知識。
ウィッカーマンとは、古代ガリアで信仰されていたドルイド教の宗教儀式で使われる巨大な人型の檻で、中に生贄として捧げる家畜や人間を閉じ込めたまま焼き殺すための道具…的なことがWikiに書いてありました。
「人間を閉じ込めたまま焼き殺すための道具」なんてイヤ~な感じですよね。
この映画の中に出てくるウィッカーマンも、その役目をしっかり果たす事になります。。。

ロンドンの警察へ、イギリスの離島であるサマーアイル島でローワンという少女が行方不明になっていると匿名の情報が寄せられる。
調査の為、単身で飛行機を操縦して島を訪れたハウイー巡査がまず見たのは、性の営みに開放的な島民たちの姿だった。
彼らは島を治めるサマーアイル卿(クリストファー・リー)に服従しており、キリスト教徒は異なる独自のドルイド信仰を持っていた。
島では毎年、海産物、農産物の豊漁、豊作を祈願するメイデイという祭りが行われており、今年も間もなく行われるその準備が進められている。
そんな島民たちへローワンについて聞き取りを行うが、彼らは口を揃えてそんな娘は居ないと言う。
しかし、学校の名簿にはしっかりとその名前が残されていた。
その年、名産品であるリンゴが凶作だった事から、ハウイー巡査はローワンが生贄として殺されるのではないかと疑う。
祭りの当日、宿でウトウトしている巡査に、宿の主人が目覚めないようにする呪いをかけるために、切断された死人の手を置いてゆく。
眠りに落ちる前に目覚めた巡査はその手を払い落とし、主人に襲い掛かり縛り上げた。
そして、主人が被るはずだった祭りの仮装を被り、祭りの行列へと紛れ込んでゆく。
島中を練り歩いた一行が海辺にやってくると、白い装束に身を包んだ少女、ローワンが連れて来られる。
殺される前に救い出そうとハウイー巡査はローワンの腕を掴み、海辺の洞窟の中へと逃げ込む。
少女の案内で洞窟を抜けて絶壁の上の丘に出ると、そこにはサマーアイル卿と全島民と共に、木で組まれた巨大な像、ウィッカーマンが待ち構えてい た。
ローワンは巡査をその場所へ連れ出すための罠だったのだ。
サマーアイル卿は、生贄として成人のバージンを探していた。
敬虔なクリスチャンであるハウイー巡査は婚約者がありながら、結婚するまでは純潔を守る事を信念としていた。
さらに、法の番人である彼は生贄として最適だとして、少女失踪事件をでっち上げて彼を島へと誘導したのだった。
こうして捕えられたハウイー巡査はウィッカーマンに閉じ込められ、全島民たちが見守る中、火が放たれる。。。

少女を助けようとやってきた真面目なキリスト教信者である警官が、邪教集団に焼き殺されるという何とも衝撃的な結末が用意されています。
祭りへ向けて島中が浮かれる明るい雰囲気は、生贄に火を放つ場面でピークに達します。
島民が集まって歌い、踊る中で、生きたまま焼かれる生贄…。このギャップが背筋をゾクゾクさせます。
生贄を捧げた太陽を前にウィッカーマンが崩れ落ちるラストシーンも素晴らしい。

この作品の個性的な部分として、ミュージカルではないんだけど所々で登場人物が歌う場面があります。
ミュージカルが苦手な人って「どーしてそこで歌って踊る必要が!?」っていう違和感を感じていると思うんですけど、そう思う一歩手前なので許容できると思います。
特に、宿の看板娘であるウィローちゃんが、隣の部屋の巡査を誘惑しようと壁越しに全裸で踊るシーンは必見です。
演じるのは後のボンドガール、ブリット・エクランド。エロく、明るく、美しい彼女のダンスは目に焼き付いて離れなくなりますぜ、旦那。

ところで、イギリスの怪奇映画というとエロチックはつきもの。
見えそうで見えないけどねちっこいエロさがたまりません。
この作品では裸がおっぱい…じゃなくていっぱい出てきます。
もろ出しおっぱいなんですけど、ハマーフィルムのようにまとわりつくようなエロい雰囲気はなく、スカッと爽やか、一歩間違うと「死霊の盆踊り」的 な明るいエロさが心地いい。
書いててよく分からなくなってきましたが、きっと見てもらえれば分かって頂けるはず。

出演は、ドラキュラやドゥークー伯爵で有名なクリストファー・リー、「ホットファズ」「キング・ダビデ」のエドワード・ウッドワード、「007/黄金銃を持つ男」のブリット・エクランド、「バンパイア・ラヴァーズ」「鮮血の処女狩り」のイングリッド・ピットなど。

この「ウィッカーマン」、後に高い評価を受ける事になりますが、公開当時の扱いは酷いものでした。
映画会社の都合によりカットが繰り返され、いくつものシーンが失われてしまいました。
ところが、公開から何年も経ってから、スタッフや出演したクリストファー・リーの努力により、いくつかのシーンが発掘されました。
この辺のエピソードは、日本版DVDの映像特典のドキュメンタリーで語られているので必見です。
実はワタクシ、一番短い87分版しか見た事がありません。
もともと120分あったという完全版は既に失われているため見る事が出来ませんが、海外で発売されている99分版が見てみたいんですよね。
それにしても、こんな面白い作品を切り刻んだプロデューサー、マイケル・ディーリーが恨めしいわ。

あ、ちなみに、「ウィッカーマン」の大ファンとして知られるニコラス・ケイジが2006年にリメイクしましたが、あちらは時間の無駄なので見なくて大丈夫ですので(笑)

 

テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2015/10/06(火) 19:10:49|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~」 北米で放送禁止になった三池崇史監督作品

「インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~」
(原題:IMPRINT)
2006年アメリカテレビシリーズ




三池崇史監督の短編です。
ホラー映画界の大御所監督がそれぞれ1時間程度の持ち時間で、一話完結の短編を持ち寄って放送されたテレビシリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」。その1stシーズンに含まれていた作品。
このプロジェクトに参加したのは、ジョン・カーペンター、ジョン・ランディス、トビー・フーパー、ダリオ・アルジェント、ジョー・ダンテ、ドン・コスカレリなどなど、どの監督もホラー映画ファンなら一度は聞いた事のある超有名監督ばかり。
その中に三池監督が入っていると聞いた時は、同じ日本人としてヒジョーに誇らしかったです。
ところがです。残念なことに「インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~」はアメリカでは放送されなかったそうです。
余りにも凄まじい内容であるため、テレビ局側が三池監督のこの作品のみ放送を見送ったとか。
残酷描写には甘いアメリカのケーブルテレビでさえ放送できないなんてどんな作品だったのか…

惚れた女郎、小桃を探して離島の遊郭を訪れたアメリカ人記者クリストファー。
しかし島の人間から小桃の情報は得られず、一泊して翌朝の船で帰る事にした。
その夜、クリストファーは遊郭の陰に潜むように佇んでいた女郎の事が気になり、部屋に呼び寄せた。
部屋の明かりに照らし出された女の顔は、半分が鬼のようにつり上がった奇形だった。
その女に小桃の事を尋ねると、男が迎えに来るのを待っていたが、つい先日死んで葬られたと聞かされる。
絶望するクリストファーにそっと寄り添う女。
女が身の上話を語り始めるとその不幸な生い立ちに興味を惹かれた男は、次々と過去を聞き出そうとする。
そのうち女は、遊郭の女主人の指輪を盗んだ事を白状し、その犯人と間違われた小桃が惨たらしい拷問を受け、そして、瀕死の小桃を極楽へ送るために自分が絞殺した事を告白する。
激高するクリストファーに対し、自分が過ごした異常な幼少期からの人生を語り出し、そして、衝撃の事実を明かす。。。

これはね、ちょっと危険な映画です。
一人の女を探しに来たせいで次々と色々な事実が明らかになっていくのですが、それがどれも病んでるエピソードでヤバイ。
明かされてゆく内容が、奇形、シャム双生児、近親相姦、堕胎、嬰児殺し、親殺し…といったタブーの盛り合わせ。
一般的な映像作家が描くのを躊躇しそうな内容を全部盛り込んで描いちゃった感じです。
遊郭で客引きやってる小人のおばさんなんて、梅毒かなんかで鼻が半分無いし。
これじゃ確かに放送できませんね。

小桃の拷問シーンも酷い。
束ねて火をつけた線香を脇の下に押し付けたり、手の全部の爪の間に針をブスブス刺したり、唇をめくって歯茎に針を刺したりと、見てるだけで神経が疼くような痛いシーンの連続。
三池監督自身も出演したイーライ・ロス監督「ホステル」の拷問シーン以上でした。
ここまで痛いのは「キラー・デンティスト」以来かな(汗)

そんな容赦のない映像で、三池監督はベテラン大物ホラー映画監督たちを差し置いて放送禁止という快挙を成し遂げた訳です。

ドロドロした暗い舞台でありながら、照明や登場人物の髪に色を付けたり、また衣装デザインもちょっとモダンになってたりと、作品全体がポップかつ毒々しい雰囲気に彩られています。
日本の山村の風景が幻想的に映し出されます。
テーマはえげつないのにどことなくアーティスティック。
三池監督、すごいです。

出演者は、奇形の女郎に工藤夕貴。彼女で持ってる映画といっても過言じゃない存在感です。
クリストファー役は、「アンタッチャブル」で殺し屋を演じたビリー・ドラゴ。
女郎の女主人は、朝ドラ「まれ」で掃除のおばちゃんを演じていた根岸季衣。
小桃を虐める拷問人が「ぼっけえ、きょうてえ」の原作者である岩井志麻子。←怖すぎ 

出ている俳優は日本人が中心ですが、言語は英語です。
日本語吹き替えで見た方が雰囲気がありそうなのですが、残念ながらDVDは英語音声&字幕のみ。
ちょっと残念ですね。

撮影手法は日本映画的な長回しが中心です。
舞台の演技をそのまま録画したような撮り方ですね。
個人的にはアメリカ映画のように細かくカットを分け、状況を見せる引きの映像と、登場人物の表情を見せる寄りの映像を使い分けた方が好きなのですが、海外で勝負するにあたっては日本的な見せ方の方が効果的ですね。

実は、DVD発売前から見たいと思っていたにも関わらず、60分の短編DVDにお金を出すのが何となく惜しくて見てなかったんです。
で、ちょっと前に意を決して購入して見たのですが、いや~、例え短編でもこれはお金を出す価値は十分にありますね。
下手な90分の劇場用映画を買うより全然濃厚。
日本のホラー映画新時代を築いた一本として激しくお勧めします♪



テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

  1. 2015/09/28(月) 00:41:44|
  2. ホラー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

訪問者数

プロフィール

かひ

Author:かひ
映画大好きです。今まで映画にどれだけお小遣いを注ぎ込んだか…。でも最近はamazonマーケットプレイスで激安中古DVDを買い漁って楽しむのがマイブームです♪価格1円+送料340円なんていう素敵な値段で買えるDVDがたくさんあるんですよ~。

最新記事

カテゴリ

未分類 (1)
ホラー (38)
ゾンビ (64)
スラッシャー(殺人鬼) (78)
スプラッター (24)
オカルト (61)
SF (25)
モンスター (25)
バイオレンス (6)
その他 (2)
ひとりごと (7)
ミステリー (1)
ダークファンタジー (2)
スリラー (1)

最新コメント

月別アーカイブ

フリーエリア

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR